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免疫学・基礎3

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免疫学・基礎3

免疫という言葉の概念として、それぞれが持ってる概念は結構バラバラ。「免疫力が高い」などよく聞くが、それが実際どういう意味なのかを考えていきます。

0:29【免疫システム】

私たちの身体には「免疫」という、ある意味自己防衛のためのシステムが備わってると言われてる。免疫力を高めるという風に言われたり、免疫力が高まると病気にかかりにくいと言われたりするけど、実際「免疫とは何?」ということをもう一度考え直したいと思います。

1:12

正直、一般的に使われてる「自己防衛システム」という言葉自体がおそらく私の考えでは偏ってる。

最初の回で話したように、私たちの身体は常にどんな環境であっても身体の中を一定に保とうとする力が働く。これはホメオスタシスというバランスが壊れた・崩れた時にそれをまた戻すというもの。

多ければ少し引き戻して少なくする。足りなければ少しずつ増やしていく。つまり、プラスに行きすぎたら少しマイナスに、マイナスに行きすぎたらプラスに。

それが例えば酸度でさえ、何故か自分では勝手に調整できないと信じ込んでいる。だからわざわざ外からアルカリ水や還元水を飲んだりする。本来はそれさえ必要じゃないということ。それが自然治癒力という言葉でもあり、私たちの免疫のシステムの一つだと考えられるんじゃないかと思う。

2:42

だけど、一般で言われてる免疫とは何か。それは、外側から入ってきた侵入者や怖い・悪い影響のあるものに対して何かアクションを起こす力そのものを免疫というような感じがする。

3:10(テキスト)

免疫とは実際は体内の状態が一定に保たれるために、一定じゃない異常な状態に対する発動機能そのもの。

例えばいつもよりもウィルスや細菌、バクテリアなど全部のバランスがいつもと違うようになったとか、ウィルスもいつもいるウィルスだけじゃなく、怖そうなウィルスがたくさん入ってきたという状態。これはいつもとは違う異常な状態。

その異常な状態に対して、私たちは何をするか。

細菌がいつもいる、真菌(カビ)のグループもいる。これら全部が共生をしてハーモニーを織りなしながら、私たちの細菌叢というものも決めていて、こういったものがいつも私たちと共存しているということを身体は知ってる。

でも、そこでいつも以上に何かがたくさん入ってきたり、薬や何かのダメージによって中に元々ある細菌やウィルスのチームがいなくなってしまったとなると、身体の中で違う攻防戦が繰り広げられる。微生物たちがお互いを牽制しあったり。そういうのは異常な状態。

5:02

その異常な状態が起きた時に、私たちの身体は多く入りすぎたものや多く増えたものは少し排除するという力が働いたり、普段は入ってこない例えば大気汚染から吸い込んだ化学物質などは、掃除をする。

こういうものがいわゆる免疫と言われてるのでは、と思う。一般的な考え方というか捉え方として。

また、身体の中に異常・異変が起きた時にそれに対して何か対応する力を免疫と言われてると思う。

ただし、実際には身体のバランスを保つために免疫が発動し、そのための仕事を起こす状態そのものは免疫力が高いほど症状として出やすい。これは忘れてはいけないこと。

6:25

「免疫力が高い=症状が出ない」という勘違いをしてる人が多い気がする。身体の異変を取り除くには実際にはそこで炎症を起こして、そこのゴミ掃除をすることの方が多く起きる。

または、例えばダメージがあって活性酸素など色んな条件で臓器のどこかが痛んで壊れてしまった。その壊すということを起こすのも炎症だけど、壊れてしまったものを新しいものに作り変えるということ自体も免疫。

でも、免疫を発動するというような言い方をすると、何事も起こらない。その何事も起こらないこと=免疫が高いということだと勘違いしてる人が多い。

免疫が高いほど、「殺してしまおうという力」も「壊してしまおうという力」も「新しいものを生み出そうという力」も起こる。

そして、それはそこにエネルギーがなければ起こらないし、エネルギーが集結すれば当然熱が発生するということ。なので、そこには発熱があったり、温かい身体があったりする。

そういう熱の放散がいきすぎたら発熱で苦しいということにもなり、それが実際には免疫力が高いことによって起きてるということ。

8:26(テキスト)

異常に対する発動機能そのものをいう。身体に対して悪影響を起こしたり、バランスを壊したりするもの、またはその環境。

寒いとかバクテリアがいっぱいいる、空気が悪いなどそんな環境自体も悪影響を与えるような状態全てが同じように対応の仕方があるわけではない(ここもポイント)。

9:18

自分の異常は他人の異常とは違うから反応が起こる。

例えば自分自身がどんなところに住んでいて、どんなものを食べ、どんなものを吸い込んで、何を塗っているかによってそれぞれの「普通」が違う。

それぞれの「普通」が違うということは、それぞれの「異常」も違う。これが免疫の発動のポイントが全員違う、という問題でもある。これは結構見落とされがちなこと。

だから、自分にとって脅威があるものでも、誰かにとっては脅威がないものかもしれない。逆にAさんに脅威のあるものは自分にとっても脅威があるのかというと、自分には怖くないという可能性もある。

10:19

これは意外とみんな知ってること。どういう時にそれがわかるか。

それは、例えば学校でインフルエンザや手足口病が流行ってるという時に、罹らない人がいる。

それが蔓延してるという状態に放り込まれても、その人の身体の中の状態(=免疫の高さ)で免疫の高い人と低い人では、そのウィルスに対する自分の反応が違う。

だから、免疫が高いという人にはインフルエンザウィルスは脅威にならない。つまり、「異常」ではないから、何も起きない。

または、起きていたとしても、私たちが感じない程度に戦いも終わってしまう。

もし、ウィルスが多過ぎたとしても、自分の身体がそれを処理するのにあまり大変じゃないという、エネルギーがたくさんある状態なら、おそらく始末して炎症を起こしても体感として「大変なことが起きた」とは感じられない。

だから、症状としては出てこないということ。

11:53

インフルエンザには罹った、またはインフルエンザウィルスはたくさんいた。でも、症状としては外側に出ない。これは決していないわけではないし、戦いがなかったわけでもない。

でもそれは不顕性といって、見えない不顕性の罹り方をしてる。それはそれぞれが持ってる身体の状態=免疫力の高さによって、それがあまり怖くないから症状として出なかったというだけ。

でも、そういうインフルエンザのウィルスさえ処理できない、戦う術を知らないという場合は身体は反応が変わって、一生懸命戦いを起こしたりして消耗したり発熱したりということが起きる。

13:06

初めて出会う細菌やウィルス、または毒性があるものに対しては身体のアクションは大きい。それは免疫が高くても低くてもどっちにしてもアクションは大きい(怖いから)。

例えば怖そうな人が来たら警戒するのと一緒。その警戒する時に戦う準備ができてるか、実際に戦う時に相手が知らない人だったらどんな風に戦うのが効果的かというのは意外とわからない。相手を知らないから。

だから、一度戦ってみないといけない。その戦ってる時間は怖い相手や初めての相手ほど長引く。

14:06

例えば風邪にかかった時、身体は覚えてる。

だから、私たちは全員生まれた時から自分の免疫マニュアルを持ってる。

生まれてから2ヶ月くらいから自分の免疫マニュアルを作り出す(この2ヶ月間がまず鍵)。そして、2〜3歳くらいになると一度自分だけの免疫マニュアルが大体できる。

その免疫マニュアルに「こんな敵に出会った」「こんな人がいた」「こんな風に闘ったら良かったよ」というのを自分でどんどん書いていく。それが自分の免疫マニュアル。

なので、年を取れば取るほど、またたくさんの菌やウィルス、知らないものに出会えば出会うほど、免疫マニュアルはどんどん厚くなってきて安心という状態を得る。

そうすると、どんな敵が入ってきても私たちが学習してることによって、新しい情報なら書き換えをし、知ってるものならすぐに闘いを挑み簡単に始末したりということができる。

その始末するというのがあまり通用しない相手もいてる。それが抗体を作る微生物なのか私たちが抗体を作れない微生物なのかという違いがある。

15:50

私たちの持ってる場=今までどんな敵に出会ってきたかという免疫マニュアルの厚みが大事。また、闘うエネルギーをどれだけ持ってるかというのも私たちの闘う力を決めるのでそれも大事。

そういったものが身体の場の条件として、みんな違う。違えば、そこに入ってくる「どんな微生物か」ということはあまり関係なく「どんな場にその敵が入ってきたか」によって症状の出方が違う。

16:44(テキスト)

環境に対して全てが同じような症状として出てくるわけではない。

場によって、病気と感じるほど激しく免疫のシステムが作動するかどうかということ。→これは、変わる。

言葉を変えると、例えば病原体と言われるもの(本当は共生してるものたちだったりもする)であるウィルスや細菌、毒素が体内に入ってくると、身体はそれを察知(入ってくるということは異常な状態だと察知)して、すぐに排除したり始末したりする力が働く。これが私たちの体内の掃除のシステム。

なので、一般的に捉えられてる「免疫」はこの「掃除システム」そのものを多分指してる。

17:55(テキスト)

同じウィルスを大量に吸い込んでも、体調に変化が出ることもなくその処理が終わる人もいる。発熱や嘔吐、下痢、また寝込んだりというような状態にまでなる人がいる。

→これは、まず知らないものやいらないものが入ってきたら、防御のシステムというのがある。

ウィルスを吸い込んだところで止めたい、となるから鼻水が出るし、痰になってそこに取り込んで出したり、咳にして出したりする。または排泄物にして出したりなど色んな分泌物の中にも織り交ぜて出す、ということを人間はみんなやる。

だけど、人によっては鼻水もくしゃみも咳も下痢も嘔吐も嫌だという人がいる。そうするとわざわざ出ていくものを止めてしまう、というような薬を摂る人もいる。これはあまり良くないこと。止めない方が本当は良い。

19:15

また、寝込んだりということがある。

もし、インフルエンザが流行ってる時に寝込まなきゃいけないとこまで来てしまったら、そのインフルエンザは自分にとってすごく脅威的で、自分のエネルギーを全部使ってそれと闘おうとするから残りの余ったエネルギーでは立つことや動くことさえできない。動くことにもエネルギーが必要だから。

なので、日常の活動ができないほど脅威的なものが入ってきた→じゃあ寝込むしかない。という意味で寝込む。

20:02(聞き取りづらい)

場によって免疫の起こすことが抑制で何も感じないという人もいるし、鼻水や発熱だとか色んな症状が出て困るというような病態にも変化する。

だから、私たちのこの身体の状態によって、免疫の発動の仕方もそこから生まれる症状や病態も変わるということ。

20:43

この免疫の重要な役割を担ってるのが今言った「戦士たち」。

「入ってきたよー、処理しましょう」というのをやってくれるチーム。このやってくれるチームというのは「白血球のチーム」だと覚えておくこと。

血液の中には赤血球と白血球がある。その内の白血球のチームが私たちの異物に対する処理を担当してくれてる免疫細胞たちの集まり。それを白血球という。

21:25(リンパ節)

免疫システムで特に馴染みの深いリンパ節というところは、異物が体内に入ってくると戦いのためにフル活動して腫れる。

→血液中の白血球が戦ってくれて(=掃除をしてくれて)それが一番いるところはどこか?というと、リンパ節というところ。

みんなが一番よく知ってる場所では顎下や腋下、鼠蹊部など。ここのリンパ節は戦うための免疫細胞たちが待機してる。

上記の「腫れる」というのは、そこにいっぱい待機してるわけだから戦いだすとその部位が腫れる。顎下のとこだと首から上の疾患、鼠蹊部がやられればヘソの下の内臓〜下が腫れるなど。

なので、例えば脚を怪我したとする。外傷で出血したら、外から色んな微生物が侵入してくるのでそこで白血球が働く。戦ったら、もちろんそれを発動させる場所が腫れる。だから、もし右脚が怪我したら当然右の鼠蹊部がゴリゴリしたり痛かったり、または腫れたりする。

なので、目に見えてるところが怪我しててそれ(リンパ節)が腫れていれば、怪我したんだということが自分でわかる。=怪我したからリンパ節が腫れてるんだな、戦ってるんだなってことがわかる。

24:00

だけど、もしマッサージなどして腫れてるというところがあったとする。でも目に見える外傷がない。それはどういうことか?これは目に見えないところが何か炎症を起こしてる(=戦いがどこかで起こってる)ということの目安になる。

明らかに顎下のところが腫れて痛いという時は、何かおかしなものを吸い込んだり、または怖い微生物を吸い込んだりして鼻のダクトの裏とか喉の咽頭のところとかで戦ってる。

なので、その腫れというのは戦ってる証拠だと思うこと。

24:55

これは目安になるので、毎日自分の身体をマッサージした方が良い。

マッサージはしないなら、お風呂で身体を洗うときにあちこち触ること。

女性の場合は胸も。マッサージした後はココナッツオイルを塗った方が良い。

私は身体を洗う時はココナッツオイルを塗って、ついでに洗いながら身体をマッサージしてる。

一番大事なのはリンパの集まってる節の部分を触ることによって、いつもの状態と違うところはないかどうかを観察することが大事。掴んで中を触る。

そうやって触ることで、いつも触っていれば違いに気づく。その気づきがとても大事。

26:27

大きく顎下、腋下、鼠蹊部とやったが、あと膝の裏や足のこの部分(26:48音声だとどこか不明)も。このあたりもマッサージする。むくみがある時はリンパ節の活動があるということなので、この辺も触っておくと良い。これは大事なこと。

子供の場合も同じ。お風呂の時に触ってあげること。

子供たちも触られることで、そこは何だろうという意識が芽生える。こういった芽生えがとても大事。そうすると、大きくなってきた時に何か異変があれば必ず言うようになる。

そういうことを伝えられるようになるには、どこに意識を持っていたらいいのかということを知っておいてもらうこと。

28:35(テキスト・説明)

戦いのために活動して腫れる。

だから虫歯になったり、ニキビがひどかったり、喉が痛かったりしたら顎下リンパが腫れる。足に水虫があるとか怪我があると鼠蹊部が腫れるなど。また、内部の見えないところでも腫れる。

29:04

免疫の発動部隊である白血球を理解すること。これは免疫を理解するのにまず大事である。

では、白血球は何をするのか。戦うと言ったが、戦う前にすることがある。何をするかというと、白血球は身体を異物から守るためにまずは全身のパトロールをする。

パトロールをして、侵入してきた多すぎるものや身体に悪影響を与える異常なものを攻撃して排除する。

実際に、体内で何か変化が起きると白血球の量は急激に増える。だから戦わなければいけないという敵が見つかると白血球の量はバッと増えて戦いに挑む。

なので、そのため血液検査をした時に急にいつもより白血球数が多くて、平均値より大きく上回ってる時は身体のどこかに異変が起きてる、または何か戦うべきものがたくさんいる。

とにかく炎症を起こさなくてはならない、免疫の細胞たちが戦わなくてはならない、白血球の免疫細胞のチームが増えないといけない状態ですよ、ということ。

だから白血球が増えると体内で戦いが起きてる、ということがわかるということ。

30:55(免疫細胞の種類)

さて、この白血球という戦いの戦士たち(私たちの身体への外部から、または内部からの異変に対する免疫のチーム)の種類を見ていきます。(今日の大事な部分)

白血球は大別して3種類に分かれる。

・基本はマクロファージ(単球)。これはいつもあちこちをパトロールしてる。

・顆粒球

・リンパ球

というネーミングの免疫細胞のチームがある。

(免疫細胞の漫画もためになるので読んでおくと良い)

32:24

その中にも色んな種類がいる。色んな種類一つ一つの仕事もある。

量的には一番少ないのがマクロファージ(約5%)。そのマクロファージによって顆粒球やリンパ球は色んな仕事をするようになってる。そのため、マクロファージはボス的存在。

マクロファージがリンパ球と顆粒球の働きを指示したり誘導したりする。

33:12(表/白血球の正常値)

血検した時に白血球がいつもより多いという時には体内で炎症が起きてる。

これは大体の平均値がある。

赤ちゃん:11,000個以上

大人:4000〜9000個

年齢が上がると白血球数はだんだん減っていく。

33:47

だけど、この数値自体には惑わされないこと。

それは、生まれながらにして健康の状態が普通の人よりもちょっと弱いとか。

または体内の毒性に対する感作性・・・

感作性とは、例えばPCのウィルスチェッカーの設定でハイにしてしまうと、どんなにちょっとのメールでさえ「怪しい」ということで読めないとなったり、逆にローに設定するとジャンクなものも結構入ってくるみたいな感じ。

これは人間の身体も全く同じ。

コンピューターのように自分で自在には決められないけど、決めるのは身体の土壌がどんな感じか。特にエネルギーがたくさんあるか、免疫のマニュアルがちゃんと作動してるかなどが決め手になってくる。

35:15

あと、キャパがあるかどうかとか。このキャパがあんまりない人・・・例えばいつも体内での仕事をするのにギリギリのエネルギーしか持ってないという人がいる。

例えば基礎代謝量(息をする、心臓がドクドクする、血液が流れる、ホルモンを分泌する、酵素が出てくるなど)という普通に生きてるだけで必要なエネルギーの量がある。それが基礎代謝のエネルギー量。

これがギリギリしかない人は実際には他の仕事はできない。こういう人は特に、ウィルスチェッカー的にはアラートの状態(=ハイの状態)。「この人の身体は何か入ってきたらやばい」という人。

こういう人はいつも戦いモードになってる。入ってきたらすぐに戦え!という感じ。余裕がないので。

こういう人はいつも白血球が多い。

また、それだけじゃなく環境にいつも毒性のものがある人も白血球の量が多い。

36:48

そういう背景が全く考えられずに、白血球の検査をするとなった時に、ただその数値だけで白血球の数が多いから危険だとか、平均値から少しズレるだけで大げさになって「あなたの白血球値は非常に高いから精密検査しましょう」ということになることがあるので、それだけは注意。

37:18

普通に生活をして、ちょっと走ったりしたとしても倒れることもめまいが起こることもなく、大したインパクトがない場合は白血球が普通よりも多少多かろうが少なかろうがあまり心配することはない。

だけど、最近急激に疲れやすくなったとか、ちょっと紫外線を浴びただけで今までは平気だったのに恐ろしいほど腫れ上がって水ぶくれになったとかがあった時は、必ず何か体内で起きてる。

38:05

でも、そうじゃない場合。

実際、蓋を開けてみると両親も家族もみんな白血球の数が多いという場合がある。これは遺伝などではなく、そこの場だったり、普段やってることが家族だと大体一緒だったりする。なので、そこで起きてる現象だと思う。

ただし、白血球数が2万以上になった場合は、何か体内で起きてると思うので、その時はちゃんとチェックをすること。

38:38

3種類の白血球について。

(今回は3種類の免疫細胞のメンツをよく知ってほしいのと前回の自律神経との絡みについて)

【マクロファージ】

マクロファージはパトロール隊の中でも一番アグレッシブで、しかも少ない数しかいないチーム。他のチームに対して偉そう。マクロファージの特徴はでかくてでかい口を持ってる。そして、イメージ的にはアメーバのように血液中を通ってる感じ。

マクロファージはいつも口を開けてパクパクと何でも食べる。その辺にあるものはとりあえず何でも食べる。

そして、こんなものがいる、というのをその素材によって自覚する=センサー。何かが入ってきてやばいものだと、やばい!と察知する。それをするもの。

つまり、マクロファージはパクパクと食べてやばいものが入ってきたらそれを察知して、顆粒球にやっつけろと指示したり、リンパ球にとりあえず確保しろと指令を出す。

(実際に指令を与えるのはマクロファージ自体ではないが)

40:41(テキスト)

マクロファージは、大きいものを飲み込んで退治する。

ファージ=貪食

「大きいものを貪食する」というそのままの名前を持った免疫細胞。

体内に異物が侵入すると、アメーバのように動き回り、パトロールしてる途中で飲み込んで処理する。

外敵をムシャムシャ食べるから「貪食細胞」と言われてる。

ただ人間がだんだん進化して、というよりは色んな毒性のあるものが出てきて、そのムシャムシャ食べる力をもっとサポートするために、また私たちのエネルギー配分を上手に配分するためにとも言えるが、マクロファージの飲み込む作用、つまりは食べてしまう力を助けてくれるのは顆粒球。

要するに、「食べる」とか「戦う」ということはエネルギーが必要なので、エネルギー温存チームの始末の仕方も進化してる。

それがリンパ球のチームの仕事。

つまり、エネルギーは100しかないとする。その100の中で貪食を全部するというのは、今は毒性のあるものが結構多い。それは人間だけじゃなく、生命体の歴史もあると思うけど。

42:27

【顆粒球】

簡単にいうと・・・

相手を始末する力をサポートするのが顆粒球。

図を見ると、手に爆弾と刀を持ってる。これは、戦う力である免疫細胞は活性酸素(刀)と酵素爆弾(爆弾)を持ってる。

つまり、活性酸素という刀を持っていて、酵素の爆弾を持ってるという感じ。

活性酸素はその辺のものを酸化しまくって、炎症で壊す。

酵素爆弾は分解して溶かしてる感じ=溶かす爆弾。

だから、周りをどう処理するかというのは、処理する相手によって酸化の刀でぶった切るという炎症を起こして燃やしてしまうのか、酵素爆弾で溶かしてしまうのか。というような感じ。

44:00(テキスト)

体内に侵入する細菌や真菌、または古くなった細胞の死骸など比較的大きな異物を飲み込んで、消化酵素と活性酸素を使って分解する。

(消化酵素という言い方は間違ってるかも。代謝酵素、または酵素だけでも可)

漏れ出た酵素や活性酸素が周りの正常細胞を傷つけたり、または戦いの場・・・これはどんな臓器のところか、とか、どんなものを食べてきたかで場所の組成が違う。例えば油のカーペットの上で戦いが起きれば飛び火する。こういうこともあるということ。

45:09

顆粒球の戦いが起こった時に、勝手に貪食して死んでしまえばそれで終わりだけど、その顆粒球があまりにもたくさんいて、戦いがひどくなってくるとその場がどんな状態かによって飛び火炎症というのも起こる(これは知っておくこと)。

つまり、飛び火の炎症も顆粒球で起こる。

要するに、顆粒球の戦いは正常細胞も傷つけてしまうとあるが、正常細胞だけでなくその周りの組織そのものを、状態によって(もし燃やしやすい身体を持っていたら)余計炎症がひどくなるということ。

そういう時は通常は化膿性の炎症となる。

これは、特に細菌や真菌と戦った時は死骸が出る。その死骸が白い膿になって、それが排出されたところで終了ということになる。

膿自体も要らないもの。私たちの体内で膿自体は何の利益にもならないから。

なので、こういったものも最後まで排出されて初めて掃除が終了する。

46:50

これは、例えばささくれ。寒い時に特に起こるけど(寒い時になぜ起こるのかというのにも理由がある)、ささくれをめくると炎症を起こして翌日ドクンドクンしてることがある。そして、一日経つとパンパンに腫れて触るのも痛い。ちょっと動かしてみると、中に白いものがちょっとだけ見えて膿がいるのがわかる時がある。

これは、消毒して火で炙ったような針で皮膚に穴を開けてギュッと絞ると白いものが出てくる。出してしまうとスッキリする。

そういう時は、膿さえ掃除の対象になってるということ。膿をわざわざ分解代謝させるよりも、外側に出してしまう方が、そういう場合は早い。

48:06(顆粒球)

酵素と活性酸素という武器を袋に入れてるから(武器を顆粒と見立てて)顆粒球という名前がついてる。

顆粒というのはこういう免疫細胞のところで使われると「武器」という意味と思ってください。

なので、殺す武器・掃除する武器を持った免疫軍団が「顆粒球」だということ。

48:40

【リンパ球】

リンパ球はイラストではにっこり笑ってる。

にっこり笑って持ってるY字の棒で抗原を捕まえるという「抗体」。

Y字のもので相手を捕まえる感じ(この話をするときは本当はY字じゃなくて手錠にしたい、わかりやすいから)。相手を捕まえたら悪さができないという感じ。

49:36

ウィルスという小さな異物がある。

微生物は大きさがある。

ウィルスはすごく小さい。その次に細菌→マイコプラズマ→真菌(カビ)→原虫・寄生虫という順番になってる。こういうサイズがある。

特に、リンパ球の担当は一番小さいウィルス。

これは何故か。このY字(または手錠)には鍵がついてる(本当には鍵はついてない、これはイメージとして)。

ウィルスは自分で繁殖ができない(これポイント)。

50:40

顆粒球の担当はぶった切り。それは相手が勝手に繁殖できるちょっと危ない危険な細菌や真菌のチームに発動することが多い。

それは何故か。リンパ球が「手錠で鍵を閉めた」というようなことが真菌や細菌にはできない。何故なら真菌や細菌は体内に入ると勝手に増えるから。

でも、リンパ球が担当のウィルスは基本増えるのに私たちの細胞が必要。

細胞が必要とは?それは、ウィルスは小さいから、その小さい身体の中に勝手に数をどんどん増やすような材料を持ってない。

実際に、ウィルスの中には何があるかというと、自分の作り方説明書みたいなものしか入ってない。自分はこんな風に作って増えるという増殖説明書みたいなもの。

52:05

細菌や真菌は勝手にどんどん増えていくことができる。その環境がどんな状態であろうと、そこに細胞がいようがいまいがどんどん勝手に増えることができる。だから、私たちの身体にとっては怖い。

しかし、ウィルスは私たちの細胞に取り込まれないと増えることができない。

逆にいうと、私たちの細胞の中に入る手段があるが、入れないようにしてしまえは全然怖くない。後から掃除すれば良いだけである。

つまり、ウィルスはそれぞれが細胞の中に入り込むための鍵を持ってる、と思えば良い。私たちの細胞の中に入るには鍵が必要。その鍵をインフルエンザだとかウィルスは開けて入ってくるというようなイメージ。

だけど、逆にいうとリンパ球がウィルスを捕まえてそこには入れないようにしてしまえば増えることはできないから、ただそこに浮遊したゴミになってしまう。そうすれば戦わなくて良いので簡単に始末できる。ただ鍵を使って手錠をかけてしまえば良いだけ。それがウィルスの抑圧。

リンパ球はその鍵を持ってウィルスを閉じ込めてしまうということ。

53:58

でもこれは、ウィルスも増えたいので賢いものたちでもある。なので、賢いためにいつも鍵を変えちゃう。

自分の取り込まれてしまう鍵を自分でどんどん進化させて、半年もすれば違うものになってる。

だから、毎日早く?来て、私たちがそれに対する鍵をちょっとずつ調整していればウィルスはあまり怖くないとも言える。

54:30(図を書いての説明)

鍵の作られ方。

何故、脅威になるのかならないのか。

これはインフルエンザワクチンにも繋がっていく話でもある。

55:00〜55:36(音声だけではわかりにくい部分)

鍵があるとしたらちょっとずつ進化をする。

(イメージワークとして鍵の図を変化させて表現してる)

鍵を変えて、異変版を作る。

55:38

普通のインフルエンザは少しずつ変化していく。A型やB型など。そんな名前で処理できるくらいの変化。

だけど、豚インフルエンザや●●インフルエンザというネーミングが違うもの。これはわざと異変を起こしてる。

56:06

ウィルスが体内に入ると、まず身体は免疫マニュアルを持ってるので「(イメージワーク)このウィルス知ってる!この鍵で確か封じ込めた。だからこれで手錠をかけられる!」とかけてみたらちょっと合わない。それでちょっと調整ちょっと調整をして合わせる。

だから、毎回罹患してれば少しずつこちらの身体も進化して免疫マニュアルも進化して、あまり大したトラブルにならならない。

大したトラブルにならないというのは、手錠をかけたら無毒化ということ。

その手錠をかけるまでに変化があった場合、その変化に対して調整する時間が必要になる。

なので、

体内に入ってきた→免疫マニュアル開いた→こんなやつだ、捕まえよう→あれ?少し違うやつだ→少しずつ修正修正

ということをやってたらその間にウィルスは広がっていく。

その間に広がったウィルスは私たちの細胞に取り込まれて、細胞の中でウィルス自身の増殖説明書を出して、私たちの細胞の中の色んな材料を勝手に使って増える。パンパンに増えてきて、そうやってまた広がっていく。

そういうのがウィルスの繁殖の仕方。

57:50

なので、作ってる間にどんどん細胞が取り込まれれば取り込まれるほど、バッと広がって私たちの免疫細胞(マクロファージなどの戦い系)が戦うこともしてる。

全部が全部、抗体チームの手錠!では済まない。一応、貪食の殺傷チームも動く。そのチームが動くので血流が流れて、熱が上がる。そこで活性酸素で戦っていれば炎症が起きて、腫れたり発熱したりする。

だから、ウィルスがいる間、戦いの症状が起きる。とりあえずこいつらを鼻水で出しちゃえとかもそう。中でとりあえず戦って膿にしたとか(これはウィルスと戦ったから膿になったわけじゃないけど)。

58:58

こういうものがいきなり入ってきたら、ちょっとした調整くらいじゃ済まない。

これは1週間や10日かかるかもしれない。インフルエンザで2週間症状が続くというのも聞いたことがあるはず。

なので、ちょっと変わったウィルスの場合はそれを作るまで、私たちの細胞が取り込まれたりするので、緊急の状態で炎症という形で掃除が起こる。

だから、抗体を作ってる間に炎症が起きるということが同時に起きる。それで調子が悪くなる。

また、いつもと違う、もしくは知らないウィルスが入ってきた場合は症状としてちょっと出るかもしれない。

だけど、基本的には私たちのリンパ球がいる限り私たちの身体はウィルスに対して必ず手錠を作る。だから、ウィルスはすぐに手錠をかけられて鎮静、ということになる。

なので、普通は日頃から自分たちで勝手にウィルスの抗体を作り続けることによってマニュアルはいつもアップデートされて、どんなウィルス、またどんな変化球に出会っても大丈夫なようになってる。

だけど、それでもおかしな症状が出た時は「それは新種」だということ。

1:00:51

以上がリンパ球の仕事。

抗体を作るということや、本当はインフルエンザに代表されるウィルスにはできるだけ出会った方が良いし、出会ったら自分で抗体を作った方が良い。

作りさえすれば、手錠を簡単にかけられる。手錠をかけてしまえば、危ないウィルスじゃなくなって細胞にも取り込まれないず繁殖もできない。ただその辺に浮遊してるゴミに変わる。

その後、暇なマクロファージや顆粒球が貪食したり燃やしていけば良い。

または、鼻水や痰などの色んな分泌物の中に追いやられてウィルスは出ていく。

ここまでが免疫細胞の話。

1:02:13

追加の話として・・・

『マクロファージ・顆粒球・リンパ球』

このマクロファージは5%くらいしかいない。

そのマクロファージが顆粒球とリンパ球に仕事を振るんだけど、その仕事を振った時に顆粒球とリンパ球の数の割合がある。

これは、どっちが多いのかというと緊急事態対処の方が多いのが普通。

それはどっちなのかというと・・・「顆粒球」。

顆粒球の方が危ないもの担当として数が必要。

何故かって、ウィルス担当のリンパ球は一度抗体を作ると大丈夫だから。あまり増えなくて良い。

なので、顆粒球の方が多いのが普通。でも、その割合というのがある。どっちの方が増えてるのかというのは、それぞれの身体の土壌による。

あなたの土壌ではどちらが多い、そしてどっちがより活性して活躍してるか。顆粒球という、武器を持って殺していくチームの方が多くて、尚且つそういう戦いを起こす人なのか。または、リンパ球という、ウィルスを捕まえることばかりやってる方が多いのか。

1:03:51(P3)

これが自律神経というところの話。

前回話した身体の中の、「緊張状態で日中で狩りの時」と、「狩りによって傷ついた身体を修復する」とか「エネルギーをとりあえず蓄える」という時のどちらのモードなのかによって、実は顆粒球とリンパ球の発動のスイッチが変わる。これは安保徹先生の理論で、論文により1999年にはっきりそれが出てきた。

1:04:42

これはどっちがどっちというと・・・

交感神経優位でアドレナリンが出て瞳孔が開いて戦うぞという時は免疫細胞の顆粒球(戦う=顆粒球でわかる)も連動して同じようなキャラ同士で活性を起こす、ということ。

そして、夕方16時くらいからだんだん入れ替わりが始まって(仕事が終わったー、リラックスしてお風呂入ろうとかは夕方から夜)、その時間に活性が起こるのがリンパ球(私はホステスさんと呼んでる)。リンパ球はホステスで、夕方になったら頑張るという感じ。

1:05:55(今日のまとめ)

顆粒球とリンパ球の性質やどんな敵が得意なのかというのを今日をはじめとしてここから先の免疫学で学んでいきます。

今日知って欲しかったことは、免疫細胞には3種類あるということ。

そして、その内のボスはマクロファージ(パトロール隊)。

残りの2つは私たちの自律神経、つまりは生活の中での緊張状態とリラックス状態のどちらかによってこの免疫細胞は活性があるということ。顆粒球は私たちの活動や緊張の時に活性されるし、リンパ球は私たちが今日も一日お疲れ様という時間(夕方)から活性される。

1:06:56

ちなみに、夕方〜夜になると発熱することについて。

夕方になると熱が出だして、夜中になると熱が上がって40℃にまでなったのに朝になると下がったということもある。

この時、どちらの免疫細胞が活性してたかというと「リンパ球」。

この辺の話がわかると、今自分が罹ってるものが細菌による病気なのか、ウィルスによる病気なのかがわかる。

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