生化学(33)副腎ホルモンと副腎疲労
生化学(33)副腎ホルモンと副腎疲労
今回はホルモンの基礎。
エネルギー代謝と副腎ステロイド。
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■ホルモンとは?
環境の変化に対応するために、ホルモンという物質を使い環境の変化の信号(シグナル)を遺伝子あるいはミトコンドリアに伝える。
ということなので、ホルモンは環境の変化に適応するための物質だと定義づけできる。
血液中に微量放出されるだけで全身に環境の変化のシグナルが行き渡るというもので、細胞の運命を決める場の一つと言える。
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ホルモンの定義:環境の変化に適応するために放出される物質。
そして、細胞で産生され、他の細胞の代謝に影響を及ぼす物質として「パラクリン」と「テレクリン」という形がある。
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*パラクリン:ホルモンが産生される細胞の近傍に分泌されるもの。
ドーパミン(神経伝達物質)、あるいはプロスタグランジン(痛み物質、血管拡張物質)といったものたちもホルモンの中に含まれる。
主に、水に溶ける水溶性のペプタイド(アミノ酸が数個連なったもの)やタンパク質が細胞の比較的近傍に分泌されやすい。
*テレクリン:遠い器官まで届くもの。半減期が長いという特徴がある。
こっちのホルモンは脂溶性。脂に溶けるステロイドホルモンや甲状腺ホルモン、消化管のホルモン(外分泌ホルモン)といったものが血液中に分泌され、遠い器官まで届くものである。
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パラクリン、テレクリンの他にも「エンドクリン」、「オートクリン」、「イントラクリン」という言い方もあるが、基本的には近くで作用するか、遠くで作用するかということ。
そして、その作用が他の細胞に対して効果を及ぼすのか、他にも↓
オートクリン:自分で産生し、自分で刺激を受けるもの。
パラクリン:近傍の細胞に効果を及ぼすもの。
イントラクリン:分泌もされずに細胞の中だけで完結してしまうもの。
このような様々な形があるけど、いずれにしても環境の変化に対するシグナルであることは間違いない。
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■化学構造でのホルモンの分類
●水溶性のタンパク質
このタンパク質のホルモンの代表的なものが以下。
・黄体化ホルモン
・卵胞化ホルモン(卵胞刺激ホルモン)
●ペプタイド(水溶性と脂溶性の間ぐらいに位置してる)
・性腺刺激ホルモン
・放出ホルモン
・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
これらがペプタイドというアミノ酸が数個連なった物質。
●ステロイド(脂溶性)
・プロゲステロン(英語読み:プロジェステロン)
・エストロゲン(エストロジェン)
脂溶性の場合は血液中に溶けないため、血液中で水に溶けるタンパク質と結合する必要がある。
なので、これらの脂溶性のステロイドホルモンはタンパク質と結合して血液中に循環する。そして、細胞内に入り効果を示す。
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■内分泌組織
ホルモンを出すところを内分泌組織という。
それ以外にも消化管や胸腺、脂肪組織など。どの組織もホルモン様の物質を出す。
一般的に私たちがホルモンと呼んでるもの(教科書に載ってるもの)は「内分泌組織」と言われるもの。
・視床下部
・下垂体(脳)
・副腎
・甲状腺
・副甲状腺
・性腺組織(精巣や卵巣)
・膵臓:インシュリン、グルカゴンなどを放出する。
・松果体:メラトニンなどを放出する。
この松果体も内分泌組織の一つに数えられてる。
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■ホルモンの作用機序
現代医学において「薬理学」というものがあり、その中では“細胞の表面あるいは細胞内に受容体というものがあり、その受容体がアンテナの役目をする。そのアンテナにくっつく”という、いわば鍵と鍵穴の関係だというもの。
これを、ホルモンの作用機序の代表的なものとして薬理学は記してる。
もちろん、様々な医薬品も“細胞の表面に細胞の膜(存在しないけど)があると仮定して、その細胞の膜表面に受容体あるいは細胞内にその物質に特異的な受容体があり、鍵と鍵穴の関係になってる”と教科書は書いてる。
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しかし、実際はホルモンは微量で何兆個とある細胞に影響を及ぼすもの。しかも血液中に放出されるとなればかなり薄まり、特殊な受容体に結合するということになると非常に時間がかかり非効率である。
実際、環境の変化に対して私たちが迅速に適応するためには、こういった“血液中に放出されて効果器官に届く”ということが速やかになされないと環境の適応が遅れる。
なので、鍵と鍵穴のモデル(あくまでも仮説に過ぎないけど)では非常に無理がある。
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ペプチド型ホルモン:細胞の表面に特殊な受容体があり、そこと結合して初めて細胞内で遺伝子を活性化するもの。
ステロイド型ホルモン:細胞内に特殊な受容体があり、そこと結合することで初めて遺伝子に影響を及ぼす。
そして、その受容体とホルモンの関係から鍵と鍵穴になってる、というのが従来の説。
しかし、それでは上記であったように迅速に微量のホルモンが無作為に放出されて、それが鍵穴にドッキングするのには非常に非効率になる。
実際の迅速な体の対応にもそのような形は向いてない。
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■ホルモンの本当の仕組み
従来の『鍵と鍵穴説』がいかに生命の原則に沿っていないかということの答えとしては『波動』である。
(9:47〜10:06映像確認)一番下にあるように音叉が伝わって、左端で音叉を鳴らす。この波動が一番右の音叉に伝わって振動する。いわゆるバイブレーション。
つまり、ホルモンとは音叉を鳴らす作業。
そのホルモンのバイブレーションを受け取った細胞が共振する。その共振により細胞内に変化が起こる(遺伝子が活性化される)。これが本当の仕組み。
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■ホルモンの効果
教科書でよく見られるものに「フィードバック機構」というものがある。
フィードバック機構とは:あるホルモン濃度が高くなると、“もう多過ぎる”というフィードバックを受けて、ホルモンを産生する細胞がホルモン産生をやめる、というもの。
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エストロゲンにはこのフィードバック機構を破綻させる力がある。
例えばHPA系(詳しくは後述)と言われる視床下部・下垂体・副腎系のストレスシステムの過剰刺激によってコルチゾールが分泌されるが、コルチゾールがある程度増えてくるとフィードバックがかかる。
そして、脳に“これ以上コルチゾールを増産するシグナルを止めて”というフィードバック機構がかかるけど、エストロゲンはこのフィードバック機構をブロックすることが知られてる。
ということは、コルチゾール分泌が持続的に高まる。
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そして、ホルモン濃度だけでなく、ホルモンのシグナルを受け入れるアンテナ機構(音叉)も非常に重要。
これはどういうことか?
例えば、プーファの遊離脂肪酸が血液中にたくさんあると、甲状腺ホルモンが血液中に循環した場合に、それが細胞への取り込みをブロックする。
あるいは、甲状腺ホルモンが細胞内に入った後でもプーファは遺伝子の結合をブロックする。
なので、甲状腺ホルモンというシグナルを受ける先であるアンテナの方を鈍らせる力がプーファにはあるということ。
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先述(10:30)のフィードバック機構の逆の「フィードフォワード」(またはポジティブフィードバック)というものもある。
※フィードバック機構の別名はネガティブフィードバック
通常はホルモンの産生が高まると、それをストップさせる力が働くが、保護ホルモンと言われる内のプロゲステロンはフィードバックではなくフィードフォワード(ポジティブフィードバック)が働く。
これは、プロゲステロンが産生されればされるほど、さらにもっと産生するというシグナルが細胞に出るということ。保護ホルモンはこの仕組みが成立してる。
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脳下垂体ホルモン:目と目の間の奥の方にある小さな器官。
脳下垂体には前葉と後葉がある。
この脳下垂体全体をすりつぶしてラットに投与するとリポリシスが起こり、ケトン体が増えることがわかってる。
なので、脳下垂体ホルモンはホルモンの中でも非常に重要なホルモンだけど、基本的にはストレス物質だということ。
となるので、自律神経系と同じく視床下部、脳下垂体ホルモン系もなるべく静かにさせておく方が良いと言える。
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■ストレスとステロイドホルモン
HPA系(視床下部・脳下垂体・副腎系):一連のシグナルで結ばれてるストレス系のシステム。
ストレスに対して、まず「短期ストレス反応」と「長期ストレス反応」に別れる。
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*短期ストレス反応
位置として脳の下垂体が目の奥にあり、さらにその奥に脳下垂体(?視床下部?15:53)がある。
ストレスが私たちに加わった時に、脳の視床下部(脳下垂体?15:55)がいち早くストレスを感知し、まず短期ストレス反応でストレスのシグナルが脳下垂体から副腎に行く。
特に、副腎の中の方である髄質の方にストレスのシグナルが伝わり、アドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)というカテコラミンの分類に入るものが放出される。
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それらが放出されることで、血圧や脈拍の上昇、また肝臓・腎臓のグリコーゲンが分解され血液中にストレス対応をするためにグルコースが大量に放出される。
そして、気管支が拡張し、酸素をしっかり入れようとする。
また、血流のシフトが起こる。それは脳、心臓、大きな筋肉というストレス時に一番働いてもらわなければならない重要な臓器に血流がシフトする。
その分、消化管や免疫系、性腺といったところから上記にシフトしていくということになる。
これが「短期ストレス反応」。
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*持続ストレス反応(長期ストレス反応)
短期ストレス反応よりも持続的に起こるストレス反応としては、同じく視床下部から下垂体にストレスのシグナルがいく。そして、下垂体からさらに副腎へ行き、短期では副腎の髄質の方へストレスのシグナルが行ったが、こちらでは副腎の皮質の方にシグナルが行く。
そして、コルチゾールと、ミネラルコルチコイドと呼ばれるアルドステロンが出る。
※コルチゾールはグルココルチコイド(糖質コルチコイド)の一種。
・ミネラルコルチコイド:アルドステロン
・グルココルチコイド:コルチゾール
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長期ストレス反応での、コルチゾールとアルドステロンで私たちの体の中の変化としては、ナトリウムと水の貯留が起こる。
その代わり、カリウムとマグネシウムが尿中に失われる。
そして、循環血液量の増加、血圧の上昇。←これは短期ストレス反応と同じ。
また、長期では糖新生が起こる。筋肉や脂肪を砕いて糖を作る。
いずれにしても糖をたくさん作ってストレスに対応しないといけないということ。
一方で、インシュリン感受性は低下していく。
そして、甲状腺ホルモンの低下。
これが「長期ストレス反応」である。
19:30
なので、ストレスを受け取った視床下部が副腎の髄質に働くか、副腎の皮質に働くかによって微妙に作用が異なる。
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*短期/副腎髄質
短期ストレス反応は視床下部から交感神経を通じて副腎の髄質の方に働きかけるもの。
長期ストレス反応(副腎皮質の方に働きかけるもの)よりも10分ほど反応が早い。副腎髄質は中枢神経の延長組織であるとも言える。
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交感神経の神経伝達物質は「アセチルコリン」。
アセチルコリンの刺激によりノルエピネフリン(ノルアドレナリン)あるいはエピネフリン(アドレナリン)を放出する。
副腎髄質のみノルエピネフリンからエピネフリンの反応を促進する酵素を持つ。
つまり、副腎髄質のみがエピネフリンを産生する臓器であるということ。
20:47
*長期
一方の長期ストレス反応。
こちらはまず視床下部の方で「プロオピオメラノコルチン(POMC)」という前駆物質が作られ、3つに分かれる。3つとは↓
ストレスによってPOMCが、
・βエンドルフィン
・メラノサイト刺激ホルモン
・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
の3つに分かれ、ストレスのシグナルが伝えられる。
21:23
“ランナーズハイ”というものがあるが、この時にもβエンドルフィンが出る。この時に高揚感や多幸感を感じたり、また痛みに強くなるのもβエンドルフィン。
これは、同時にメラノサイト刺激ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンも出てる。
21:44
*HPA系
そして、HPA系。
具体的には視床下部でCRH(ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を産生しろと脳下垂体に命令するホルモン)によって脳下垂体でACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が出て、このACTHが副腎皮質を刺激する。
ということで、このHPA系が脳から副腎のストレスシステムになってる。
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が、最近になり、このHPA系は脳だけでなく皮膚にも存在してるということがわかった。皮膚にも独自にストレスを感知し、視床下部から作られるCRHを産生して、ACTHから副腎を刺激するシステムを持ってる。
これは、発生学を知るとあまり不思議ではない現象である。
というのも、皮膚も脳も同じ胎児細胞の外胚葉から分離してくるので、脳と皮膚は非常に密接な関係がある。
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■慢性ストレスに対する防御反応
慢性ストレスに対応する私たちの変化としては、脳下垂体からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)以外に黄体化ホルモン、卵胞刺激ホルモンも出る。
23:56
*このACTH、LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)は何をするものなのか?
ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)は上記の通り、副腎皮質でコルチゾールを作ったり、アルドステロンというホルモンを作ったりするが、黄体化ホルモンと卵胞刺激ホルモンも同じくステロイドホルモンを性腺組織で合成させる。
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・LH(黄体化ホルモン)
〈男性〉精巣の細胞に働きかけてテストステロン(保護ホルモンの内の一つ)を産生させる。
〈女性〉黄体という組織からエストロゲン、プロゲステロンを産生させる。
・FSH(卵胞刺激ホルモン)
〈女性〉卵巣の卵胞からエストロゲンを産生させる。
〈男性〉テストステロンなどのアンドロゲンの分泌を促進させる。
・ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
コルチゾール、またアルドステロンというステロイドの合成・分泌を促進する。
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■ステロイド合成
LDLコレステロールから始まる。
LDLコレステロールからミトコンドリアに入り、プレグネノロンに変わる。
プレグネノロンがプロゲステロン、DHEAに変わる。
そして、その下でエストロゲンやコルチゾールなど他のホルモンに変わっていく。
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保護ホルモンは基本的には糖のエネルギー代謝≒甲状腺機能を活性化させるもの。
まず、プレグネノロン、プロゲステロン、DHEA(保護ホルモンのもう一つはテストステロンだけど)という3つのホルモンが基本的な保護ホルモンの範疇に入るもの。これらはいずれも甲状腺機能を高める。
・プレグネノロンは、胆汁酸受容体を刺激してT4→T3に変える。
・プロゲステロンは甲状腺そのものにダイレクトに働き、機能と成長を高める。
・DHEAも甲状腺ホルモン(T4)を不活性型から活性型に変わるのを促進する。
これら保護ホルモンはフィードフォアード機構。たくさん出れば出るほどさらに出る=好循環が見られるものが保護ホルモン。
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*ステロイドの化学構造式
ステロイドを化学構造式で見ると、ステロイド核、C-17という形のものが基本構造となる。これは、エストロゲン、アンドロゲン、胆汁酸、コレステロールも同じ形。
コレステロールから胆汁酸へ、そして様々なホルモンができるのがステロイドの核。この形を見れば一目瞭然。
なので、コレステロールは実はホルモンの親分だということ。さらに、このコレステロールはグルコース、フルクトースから作られるもの。
ということなので、いかにストレスに対して糖やコレステロールが大事かということがリアルサイエンスではよくわかる。
28:27
■ステロイド新生と合成
アセチルCoAまたはLDLコレステロールからステロイドを産生することを「ステロイド新生」という。
ステロイド新生は副腎、性腺組織、胎盤、脳、皮膚といった多くの組織で行われることが近年わかってきてる。
他の組織は、基本的にこの組織で作られた前駆体を取り込んでステロイド合成を行う。
ということなので、ほとんどの細胞で合成ができるということになる。
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*性ステロイド
性ステロイドの大部分は皮膚などの抹消組織で産生される。
性ステロイドというと卵巣や精巣で作られるものだという概念があるが、実際は皮膚がステロイドの大きな産生部位である。
エストロゲンは閉経前の女性でも75%、閉経後は100%近く皮膚などの抹消組織で産生されてる。
29:49
*ステロイドの産生場所
・内分泌器官
(女性)副腎、卵巣、胎盤
(男性)副腎、精巣
ところが、これは内分泌組織以外の組織でも作られてる。
内蔵では肝臓や小腸。内蔵外では皮膚、脳、脂肪組織、腎臓。
こういったところでもステロイドを合成してる。
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*場所によって作られるホルモンの種類が決まってる
副腎皮質→アルドステロン、コルチゾール、DHEA
卵巣→プロゲステロン
(卵巣、卵胞)顆粒膜細胞→エストラジオール(エストロゲンの最も強い形のもの)
(卵巣、卵胞)莢膜組織→男性ホルモン
↑これを見ると、男性ホルモンという言い方が間違ってる。
アンドロステロン、エストロゲン両方とも男性、女性でも作られるということである。
31:09
精巣のレーディッグ(Leydig)細胞→テストステロン
胎盤→プロゲステロン、エストラジオール、エストロン、エストリオール(エストロジェンズと言われるエストロゲンホルモン)
こういったものが作られる。
31:30〈映像確認〉
*副腎でのステロイド新生の模式図(図示)
糖からアセチルCoAになり、アセチルCoAからLDLコレステロールが作られる。
LDLコレステロールがプレグネノロンに変わり、最終的にアルドステロン、コルチゾール、テストステロンといったものに変化していく。
それを表した模式図。
32:02〈映像確認〉
*卵巣、精巣(図示)
卵巣、精巣では同じくアセチルCoA、コレステロール、プレグネノロン、プロゲステロンを経由してエストロン、エストラジオールなどのエストロゲン、テストステロンが作られていく。
これが、卵巣、精巣のステロイドホルモン新生。
32:31〈映像確認〉
*胎盤
母親のコレステロールからプロゲステロンを作る。
そして、母体あるいは胎児の組織からDHEAを前駆体としてテストステロン、エストラジオールを作ることができる。
33:00
*その他の組織
脳:プレグネノロン、DHEA、コルチゾールが作られる。
小腸:コルチゾールが作られる。
心臓:アルドステロンは副腎だけでなく、心臓でも作られる。
乳腺:乳腺では具体的にどのようなホルモンが作られてるかはまだ検出されてないが、今後報告されることになるでしょう。
前立腺:プロゲステロン、アンドロゲンが作られてる。
皮膚:コルチゾール、アンドロゲン、エストロゲンが作られる。
胸腺:コルチゾールが作られる(マウスだけど報告されてる)。
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*皮膚でのステロイドホルモン新生
皮膚でもエストロゲン、テストステロン、プロゲステロン、アンドロステロン、コルチゾールといったほとんどのホルモンが合成可能になってる。
34:04〈映像確認〉
様々な図があるので、ホルモンの新生の図で自分が最もわかりやすいものを必要な時には眺めてリアルサイエンスを理解していきましょう。
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■副腎ステロイドの中でエストロゲン作用するもの
エストロゲンの中でも一番効力が強いとされてるものが、「エストラジオール」。
エストラジオールは、エストロゲン作用の中でも最も強いものと言われてるが、この一つ前の前駆体はテストステロンである。
テストステロンが産生された後、ストレスが過剰にかかるとアロマテースと言われるストレス酵素が分泌される。このアロマテースによって、テストステロンがエストラジオールになる。
またあるいは、テストステロンの前のアンドロステンジオンもアロマテースによってエストロンに変わる。
エストロンもエストラジオールもエストロゲン作用をするエストロゲンの中の一つ。
そして、エストラジオール、エストロンが代謝されたものを「エストリオール」という。このエストリオールも実際はエストロゲン作用を持ってる。
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DHEAもたくさん摂取しすぎると、アロマテースが作用してエストリオールに変わる。
35:51(抗ガン剤)
ちなみに、エストロゲンをブロックすると言われてる「タモキシフェン」(乳ガンの時に使う抗ガン剤)。
これはエストロゲンと構造を似たものを化学合成してエストロゲンの受容体(アンテナ)を占領してエストロゲン作用をブロックしようとする物質(抗ガン剤)。
実際、タモキシフェンはエストロゲン作用を持ってるので、乳ガンをブロックすると言われてるが、子宮ガンを増やすという副作用を持ってる。
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いずれにしても副腎ステロイドのエストロゲンは、プレグネノロン、プロゲステロンからDHEA、テストステロン、さらにここからストレスがかかった時にエストロゲンに変わっていくという最終段階のホルモンになる。
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エストロゲン作用をするステロイドとして、その他にも「27ハイドロキシコレステロール/27-Hydroxycholesterol」というものがある。
これも、肥満、動脈硬化、乳ガン、前立腺ガン、アルツハイマー、骨粗鬆症で上昇してることがわかってる。
先述のタモキシフェンという人工ステロイドが抗ガン剤として使われてる。これは乳ガンをブロックするということで鳴り物入りでマーケットに出たが、実際は子宮ガンや卵巣ガンを増やすということで、絶対に使用してはいけない抗ガン剤の一つである。
抗ガン剤は全て発ガン物質なので、使用すべきではない。
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また、「スティルベノイド/Stilbenoid」というエストロゲンに構造が非常に似た物質がある。
その代表が赤ワインやブドウの皮の抽出物に含まれる「レスベラトロール」と言われるもの。
このスティルベノイドも強いエストロゲン作用を持ってる。
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■人工合成エストロゲン、植物性エストロゲン(大豆)
これは、エストロゲンより作用は弱いものの1950年代から妊婦の流産防止や月経不順、子宮内膜症、偏頭痛、嘔気嘔吐と様々な適用でこの人工合成エストロゲンが使用された。
上記にあったレスベラトロール(赤ワインのファイトケミカルであるスティルベノイドの一種)、「ジエチルスチルベストロール/Diethylstilbestrol,DES」という合成エストロゲンが使用された。
マーケットに出てから約20年経った後に、これの投与を受けた女性にガン、流産、血栓、そしてその子供や孫にまでガン、不妊、奇形が増えた。これにより何百万人もの犠牲が出たということで、この薬は市場から撤退されてる。
これはエストロゲン作用をするものなので、ガンや慢性病が増えて当然ということになる。
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実際は、弱いエストロゲン作用物質でも継続的に暴露されると、生殖器だけでなく様々な臓器において炎症が起こり、肝硬変のような硬くなる形になる。繊維腫ができて、その繊維腫が治癒しないとガンに変わってしまうということが1940年くらいからわかってた。
これを無視して、DESと言われるような人工合成エストロゲンがマーケットに出て、しかも今はレスベラトロールというようなサプリが未だに売られてるというような、リアルサイエンスから見ると非常に恐ろしい状況。
40:50
■副腎ステロイドの2つの神話(myth)
*アドレナルファティーグ(副腎疲労)
「アドレナルファティーグ(副腎が疲労する)」という言葉がある。
これは、自然療法家の中で非常に流行った概念。未だに言ってる人もいる。
“慢性ストレスで副腎が疲労し、ステロイド産生が低下する”ということで、副腎が疲労してステロイドができないから何をしようか?ということで、“ステロイドを足しましょう”という治療が、この副腎疲労の中心になってる。
41:35
アドレナルファティーグの本が出たが、内容的にはリアルサイエンスがゼロでひどい本だった。
41:49
*プレグネノロンスティール
もう一つは「プレグネノロンスティール」というもの。これも神話の一つ。
まず、ストレスによってプレグネノロンがLDLコレステロールから過剰産生される。その材料となるコレステロール、そして最後のホルモンの材料となるプレグネノロン、これはDHEAからテストステロンなどのアンドロゲンへの経路からコルチゾールを作る経路に使用(スティール)される。
42:34(図示)
コレステロールからプレグネノロンまで行く。
そして、プレグネノロンからテストステロンまで行く経路と、もう一つコルチゾールができる経路がある。
このプレグネノロンが専らコルチゾールを作る方に使われて、テストステロンができなくなる。
これを「プレグネノロンスティール」と呼んでる。
これも、自然療法家の間で流行った概念である。
この2つが大きな誤りであることをリアルサイエンスで見ていきます↓
43:07
*副腎ステロイドの合成の基礎
まず、副腎のステロイド合成は副腎の細胞内での酵素濃度による。
そして、外部からのシグナル・・・例えばストレス反応、炎症、電磁波、放射線、飢餓といった外部からのストレスシグナルに依存してる。
つまり、前駆体が多い・少ない(先述のプレグネノロンスティールというプレグネノロンがスティールされて少なくなったからテストステロンができない)という問題ではなく、あくまでも外部のシグナルによってどれだけホルモンをLDLコレステロールから変換するか、というのが決まってるということ。
それを媒介するのが副腎の細胞内での酵素である。
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例えば、炎症が強く起こった場合は、炎症性サイトカインと呼ばれる局所性のホルモン(パラクリン)がDHEAからテストステロンの産生を低下させる。
これは、いくらACTH(副腎皮質刺激ホルモン)で副腎皮質を刺激してホルモンをたくさん作れと言ったところで、サイトカインがDHEAからテストステロン産生をブロックさせる。
44:38
なので、“前駆体の量が少なくなるから”という・・・他にも、昔奇妙な説であったが、“消化酵素は一定量しかないので、消化酵素をたくさん使うと私たちは量が少なくなっていき、やがて食べれなくなる。なので、消化酵素を一定に保たないといけないし、消化酵素を外から補う必要がある”という全くアンチサイエンティフィックな説が医者から流されてた。
45:23
こういった消化酵素やホルモンは環境の変化に応じて私たちの体が糖のエネルギー代謝で作るものであり、私たちが生まれた時に一定量決まってるという遺伝子決定論的な幻想を振りまいた罪は非常に大きいと思う。
45:50
*副腎ステロイド合成が低下する状況
①放射線や外科的に副腎そのものを切除してしまったという場合。つまり、副腎組織そのものがダメージを負う場合。これは仕方ないとも言える。
②脳下垂体から副腎を刺激するホルモンの産生が不十分。あるいは、脳下垂体から副腎を刺激するACTHが出てるが、それに対する反応性(副腎のアンテナの方)が鈍る場合。
③脳下垂体のさらに上の段階である、視床下部のシグナル(CRH)が産生を低下する。
46:41
このように大まかに3つに分かれる。
こういった場合は、コルチゾールであろうがエストロゲンであろうが保護ホルモンのDHEA、アンドロゲンズ、プロゲステロンであろうがステロイド合成は全て低下する。
47:08
上記の①副腎そのものがダメージを受ける。
これは、放射線や外科的切除によって、というもの。
この他にもう一つ、コルチゾールが過剰に産生された場合は、それだけでフリーの電子(自由電子)がたくさん放出されて、それが過剰に酸素と反応すると活性酸素がたくさん出る。
すると、近傍にあるプーファと反応してアルデヒドを作り、そのアルデヒドがステロイドを合成する酵素を完全に失活させてしまう。
つまり、ステロイド合成をブロックする。
そのため、コルチゾールを過剰産生させるストレス状態にある場合は、自然と副腎のステロイド合成が全体として低下してくる。
これはつまり、保護ホルモンが作れなくなるということになる。
48:18
副腎疲労という概念がおかしいのは、副腎組織自体が肝臓と同じく速やかに再生する組織だから。
例えば、副腎を除去したラットの背中に副腎組織の破片を埋め込む実験が1990年代にされた。
すると、4週間後には副腎組織が形成され、血液中のコルチゾール濃度は正常になったという実験結果が報告されてる。
そして、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を投与した豚では、副腎の表面組織が壊滅したが、しばらくすると再び残存組織から再生した。
49:11
このことからも、副腎組織そのものがダメージを受けて全てステロイド合成が低下することは稀だということが言える。
ほとんどがストレス系(HPA系)の経路の異常。つまり、視床下部からの信号、あるいは脳下垂体からの信号がおかしい、または受け手である副腎のアンテナがおかしいというような、HPA系の経路のいずれかの異常がステロイド合成低下の原因である。
ということで、副腎そのものが疲労して合成ができないというのは全くリアルサイエンスではない。
副腎は他の組織と比べても疲労度が非常に少ない、また再生速度が非常に早い組織である。もちろん、糖のエネルギー代謝がしっかり回ってる(甲状腺機能が回ってる)ということが大前提にはなる。
50:19
副腎疲労と呼ばれるもの。
これは、副腎ステロイドの合成低下に当たると思うが、これの最大の原因とは「疲労」というような曖昧な言葉ではなく、実際にACTHに対する副腎組織のアンテナの反応の低下。これが、ステロイド合成の最大の原因と言える。
50:46
では、何が副腎組織のアンテナを鈍らせるのか?
それは、やはり「プーファ」である。
プーファが血液中に遊離脂肪酸として浮いてると、副腎組織のアンテナを鈍らせて、反応性を半分以下に低下させる。
また、低酸素や炎症も同じく反応性を低下させる。
これはシックネスパターン。シックネスフィールドであればあるほど副腎組織のアンテナが鈍ってくるということになる。
51:25
また、もう一つ。外部からステロイド剤(医薬品)を慢性投与した場合。
その場合は、視床下部からのストレスのシグナルであるCRHが出なくなる。それにより、副腎組織へのシグナルが出なくなる。
51:50
なので、いずれにしろ副腎ステロイド合成の低下というのは、実際は食事からのプーファ、または炎症、低酸素といった状態、あるいは慢性的にステロイドを外から投与するという医原病と言える。
つまり、食事を含めた現代社会のライフスタイルであったり、医原病がほとんだということ。
52:23
*副腎ステロイド合成低下に関するまとめ
副腎疲労と呼ばれる病態はないが、副腎ステロイド合成低下に対してまず大事なのはプーファフリー、また外からのステロイドの投与をやめるということ。
それに加えて、ステロイドを自分で産生する副腎の能力を回復させるためにはやはり糖のエネルギー代謝をしっかり回すこと。
そして、投与するのはステロイド補充ではない。やることは、「甲状腺を活性化させる」、「糖のエネルギー代謝を高める」ということが副腎のステロイド合成低下の根本的治療になる。
53:24
■男性ホルモン・女性ホルモン
これも現代医学の迷路。名称自体が非常におかしい。
例えば卵巣の莢膜細胞から男性ホルモンと言われるアンドロステンジオンが産生される。
テストステロンは精巣からだけでなく、卵巣からも作られる。
また、副腎皮質では男女ともにテストステロンが作られてる。
皮膚からはアンドロゲン、エストロゲンの両方が作られる。また「デハイドロテストステロン」という最も作用の強いアンドロゲンは特に皮膚で作られてる。
これらは男女ともに作られてるホルモンである。
54:21
ということなので、男性だけにあるホルモン、女性だけにあるホルモンという呼び方が非常に誤解を受ける名称だと言える。
54:35
■エストロゲンの作用/エストロゲンズ
エストロゲン作用をするものをまとめて「エストロゲンズ(エストロジェンズ)」と呼ぶ。
これは、男女関係なくガンを増殖させる作用がある。
また、糖のエネルギー代謝を低下(ミトコンドリア障害)する。
これは、免疫抑制作用が非常に強い。
つまり、免疫抑制とは、異物が入ってきた時に食細胞が働かないということでゴミが生命場に溜まる。そして、そのゴミがまた炎症を引き起こす。そのため、エストロゲンは炎症を活性化させる作用がある。
さらに、胸腺にダメージを負わせて、リンパ球系のコントロールも失ってしまう。
ということで、自己免疫疾患の大きな原因はエストロゲンにある。
55:42
ワクチンも同じく。
「ワクチンが自己免疫疾患に繋がる」というのは、エストロゲン濃度を高めるからである。
さらに、HPA系のフィードバック機構をブロックすることで、コルチゾールの持続的な分泌を促進する。それをエストロゲンがしてる。
また、リポリシス。これを促進することで特にDHA、EPAというオメガ3の遊離脂肪酸を血液中に大量に放出する。それによりシックネスフィールドを作る。
そして、血管のリーク。
細胞にはダイレクトに働き、細胞内に水を引き込む。それにより細胞が水膨れを起こす。
さらに、水だけでなくカルシウム、ナトリウムを細胞内に流入させ、細胞を持続的に興奮させる。これが、神経細胞で起こると痙攣やてんかんになる。
一般的には細胞に炎症を引き起こし、それが時間が経つと線維化しガンに変わっていく。この道筋をエストロゲンがつける。
57:05
さらに、様々なストレスタンパク質の発現をエストロゲンは誘導する。
・トランスグルタミネース/Transglutaminase
・キチネース/Chitinase
・ヒートショックプロテイン(熱ショックタンパク質)
このような、シックネスフィールドを作るストレスタンパク質を誘導する。
57:28
また、「レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系」。
新型コロナウイルスはこのレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を刺激する設計になってるが、これの活性化をエストロゲンが刺激する。
57:50
*エストロゲン
「エストロゲン」とは、テストステロンからアロマテースによって最終的に作られる様々なエストロゲン作用物質のことをまとめていう。
このアロマテースがプーファ、あるいは炎症といったもので誘導されてくる物質である。
なので、やはりプーファフリーが最も大事になってくる。
58:18
*植物性エストロゲンは何故危険なのか?
植物性エストロゲン:アイソフラボン、(ゲニステイン、ダイゼイン)
これは、ごく微量で強いエストロゲン受容体(アンテナ)に結合する。
サーチュイン遺伝子を活性化させ、エストロゲンシグナルを増強する。
そして、ダイレクトにエストロゲンと同じく胸腺にダメージを引き起こし自己免疫疾患の原因になる。
なので、大豆は非常に危険と言える。
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■アンドロゲンズ
一方の「アンドロゲンズ(アンドロジェンズ)」と呼ばれるテストステロン、アンドロステンジオン、一番強いデハイドロテストステロンはエストロゲンと逆の作用をする。
*アンドロゲンズの作用
・男女関係なく、抗エストロゲン作用、抗アドレナリン、抗エピネフリン作用。
・抗ガン作用。
・インシュリン感受性を介在して糖のエネルギー代謝を高める。
・抗うつ作用
・エネルギー代謝のUP
このようなものには非常に強い保護ホルモンの分類に入る。
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■アンドロゲン(アンドロジェン)にまつわる誤解
*ニキビ
これには、「ニキビの原因になる」というのがある。
確かに、デハイドロテストステロンは皮脂腺で脂肪合成を促進するためこのように言われかねない。あるいは、アンドロゲンズが高くなってる状態では吹き出物が多いと言われてる。
ところが、DHT(デハイドロテストステロン)の合成、皮脂腺の脂肪の合成いずれもが実はプーファによってコントロールされてる。
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プーファによって活性化される「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体」というアンテナがある。
これは脂肪酸新生と脂肪蓄積を促進する受容体。
オメガ3・オメガ6、その代謝産物のエイコサノイドと呼ばれるタンパク質、あるいはオメガ3・オメガ6が酸化した過酸化脂質(アルデヒド)といったものたちがペルオキシソーム増殖因子を活性化させることがわかってる。
つまり、プーファによってペルオキシソーム増殖因子は活性化される。それによって、反応的にDHTの合成、皮脂腺の脂肪合成が高まる。
これは、どちらかというと私たちの防御反応。それにより皮脂腺の脂肪合成が高まり、脂が浮きやすい状態になる。
1:01:39
さらに、プーファによってエストロゲンがUPするので、エストロゲンはヒアルロン酸を過剰に産生する。
そのため、ニキビの炎症部位の瘢痕化が起こる。これがエストロゲンによって行われてる。
1:01:59
ニキビによくビタミンA誘導体が使われるが、これが有効だと言われるのが何故か?
ビタミンAはLDLコレステロールから保護ホルモンを作るのに非常に重要なビタミンになる。
なので、保護ホルモンを作ってニキビの原因となるプーファあるいはエストロゲンに対し、抗エストロゲン作用&プーファの悪影響をブロックする。
そういった意味でもプロゲステロン、DHEA、プレグネノロンといった保護ステロイドが非常に重要になるので、ビタミンA誘導体はその保護ホルモンを作るという意味でニキビには非常に有効とされてる。
1:03:09
*男性型脱毛症
ニキビの他に、「アンドロゲンズは男性型ハゲ(male pattern baldness)の原因になってる」というもの。
男性型脱毛症・・・これは“男性型”と記されてるが女性も50%以上が加齢に伴って男性型の脱毛症になる。
これもDHT(デハイドロテストステロン)という最も作用の強いアンドロゲンが原因だとメインストリームの医学は断定してる。
そして、このDHTの合成をブロックする薬剤「プロペシア(フィナステライド)」を投与するのがハゲの治療としてメインストリームの統一したやり方になってる。
1:04:04
ところがこのプロペシア(フィナステライド)の投与によってDHTが下がると、ガンの発生、うつ病、インポテンツ、不妊、ドライアイ、骨粗鬆症、乳ガンといった正に甲状腺機能低下、エストロゲン過剰の症状そのものの症状が出てくる。
そして、テストステロンやDHTを投与してハゲになったという根拠はない。
それなのにプロペシアという薬を出して、「ポストフィナステライドシンドローム」という病気をわざわざ作り出してる。
1:04:53
むしろ、男性型ハゲの原因が甲状腺機能低下症の部分症状であるということが1900年代から報告されてる。
つまり、エネルギー代謝が下がることがハゲの原因だということ。
そして、脱毛症が起こってる人の特徴としては、コルチゾール、エストロゲン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、アロマテースでエストロゲンになりやすい前駆物質といったものが増えてる。
これが、実は男性型ハゲの大きな原因になってる。
1:05:38
逆に、DHT(デハイドロテストステロン)を合成する酵素を活性化することで、エネルギー代謝が改善して脱毛症が治っていく。
つまり、DHTがたくさんできる。そして、コルチゾール、エストロゲンなどの不活性化&排泄が進み、エネルギー代謝が改善することでハゲが治っていく。
要するに、プロペシア(フィナステライド)と逆の治療をすれば良いということ。
1:06:10
実際に、頭皮脱毛症の治療としてDHTを作る酵素を活性化する物質は脱毛症に非常に有効だということがわかってる。
例えば、タウリン、グリシンといったアミノ酸。あるいはカフェイン。これらはいずれもDHTを上昇させる。そして、エネルギー代謝を高め、且つ脱毛症を治すことがすでに報告されてる。
1:06:39
その他、パルミチン酸という飽和脂肪酸。
これは主に糖から体内で作られる飽和脂肪酸。こういった長鎖の飽和脂肪酸は、副腎でのプレグネノロン、DHEAの合成を上昇させ、コルチゾールの合成を低下させる。
1:07:06
■HPA系(ストレス系)のステロイド新生と疾患
アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息はストレスに対応するHPA系の反応が低下してる。
特に外からステロイドを塗り込んでるので、フィードバックがかかりHPA系が鈍ってしまう。
なので、ストレスがかかった時に、ストレスに対応することができない。その時にはコルチゾールが必要になるが、そのコルチゾールが産生できないという状態になってる。
さらに、皮膚でのコレステロールからのステロイド合成が低下してる状態。
「全身性エリテマトーデス」と言われる自己免疫疾患では、保護ホルモンのプロゲステロン、アンドロステロン、DHEAが低下してる。
また、同じく自己免疫疾患の代表疾患である「関節リウマチ」でもプロゲステロン、DHEAが低下してる。
このように、ホルモンでこういった疾患を見ても非常によくわかる。
1:08:29
他にも、アルツハイマー病ではコルチゾール、エストロゲンが上昇し、一方でアンドロゲンズが低下してる。
これは、典型的なシックネスフィールド、またはエイジングパターンと言われてる。
1:08:46
■アルドステロン/RAA系
副腎皮質ホルモンの「アルドステロン」。いわゆるRAA系。
メインはアンジオテンシン2というホルモンによって産生される。
その他、ストレスがかかった時に視床下部から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が出て、ダイレクトに副腎でアルドステロンが産生されるというパターンがある。
メインは「レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系」と言われるくらい、新型コロナの刺激する設計がこれになってる。
一方、サブではストレスがかかった時にコルチゾールと同じく副腎皮質刺激ホルモンから副腎で作られる。
この2つの経路がある。
1:09:50
つまり、
・視床下部からダイレクトにアルドステロンが作られるパターン
・レニンが腎臓から出て、肺でアンジオテンシン2という酵素でアルドステロンが作られるパターン
この2つの経路があるということ。
1:10:09
■ステロイドの排泄
ステロイドの排泄は肝臓に頼らざるを得ない。
ステロイドは脂質なので、尿から出すことができない。なので、グルクロン酸抱合、あるいは硫酸化で水溶性にして便、尿、胆汁として排泄しないといけない。ダイレクトに尿や汗から出すことはできない。
そして、肝臓での水溶性をブロック=つまり、ステロイドの排泄をブロックする最大の理由はプーファ。
これは、二重結合(不飽和結合)が多いものほど肝臓でのデトックスをブロックする。
=つまり、DHAが最悪ということになる。EPA(魚の油に含まれるもの)、アラキドン酸、植物油脂といったものが肝臓のステロイド排泄を邪魔する最大の物質である。
1:11:26
■甲状腺機能とステロイド
甲状腺機能低下では、コルチゾール、アルドステロンなどの排泄が低下する。そして、エストロゲンの合成が上昇する。このようにシーソー関係になってる。
逆に甲状腺機能が亢進してくると、特にテストステロン、DHTというアンドロゲンズの中でも最も作用が強いものがUPする。
そして、エストラジオール、エストロン、エストリオールという排泄型の反応が進みデトックスが進む。
これはいずれにしろ甲状腺機能が高まれば高まるほど保護ホルモンの濃度が高まり、シックネスフィールドを作るコルチゾール、エストロゲン、アルドステロンといったホルモン値が下がってくるということが明確にされてる。
1:12:28
医師に“ステロイドが怖い”と言うと、「ステロイドを投与しても代謝されて尿、便、胆汁から排出されるため蓄積することはない。心配しなくて良い。」と言われた。
これは安心して良いのかどうか。
1:12:57
ヘルスネスステロイド(健康の場を作る保護ステロイド):プレグネノロン、プロゲステロン、DHEA、アンドロゲンズ。
シックネスステロイド:コルチゾール、アルドステロン、エストロゲン。
コルチゾールを低下させるものとして、クワイノンと言われるエモジン、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、グリシン、DHEAがある。これらはコルチゾールを低下させるのに非常に有効な物質である。
1:13:35
パインの花粉もよく使用されてるが、これはアンドロゲンを含んでる。特にアンチエイジング作用を持っており、AGEの産生をブロックする作用も持ってると言われてる物質。
1:13:54
副腎疲労で自然療法家が行う「ステロイド補充」というのに、コルチゾールを増やしたりするものがあるが、これはとんでもないこと。
最良のステロイドを補充しろ、と言われれば保護ホルモンを使うこと→投与するならアンドロゲン、プレグネノロン、プロゲステロン、DHEAといった保護ホルモンを補充しないといけない。
最も良いのは、この保護ホルモンを投与しなくても体内で産生できる体にしてしまうこと。
つまり、そうなるには糖をしっかり摂り、LDLコレステロールを高め、ビタミンA、ナイアシンアミド、甲状腺機能を高めると自然と保護ホルモンをたくさん体内で産生させることができる。
1:14:53
■アンドロゲンズと甲状腺ホルモンの類似
これは、こういったこともあるという話。
・DHEAはT4(不活性型の甲状腺ホルモン)と非常に似てる。
・DHT(デハイドロテストステロン)は活性型のT3に非常によく似てる。
*DHEAとT4
体内で、不活性型の甲状腺ホルモンのT4が多すぎると「リバースT3」といって甲状腺の働きをむしろブロックする方に働く。それによりシックネスパターンになる。
同じく、DHEAばかりをたくさん摂取したりすると、エストロゲンに変化される。これもシックネスパターンになる。
このように、DHEAとT4は非常によく似てると言える。
1:15:49
*DHTとT3
DHTが増加すると、アンドロゲンが多いと判断して黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)が低下する。
これは、エストロゲン低下につながる。つまり、エストロゲン産生低下になる。
そして、フィードフォワード機構でよりアンドロゲンが増加する。
一方、活性型の甲状腺ホルモンT3が増加するとTSH(甲状腺刺激ホルモン)が低下する。
甲状腺刺激ホルモンは単独でも炎症を起こすので、なるべく値はゼロに近い方が良い。
また、T3はT4からリバースT3の変換を抑制することで、T3の変換を促す。フィードフォワード機構。
1:16:38
ということで、甲状腺ホルモンとアンドロゲンは似てるということである。
1:16:56
甲状腺ホルモンはエネルギー代謝のマスターホルモン。
なので、甲状腺ホルモンの血液中で運搬するタンパク質にプーファが結合する、あるいは遊離脂肪酸であるプーファがT4からT3への変換をブロックする。となると、プーファによってこのマスターホルモンがブロックされるということ(覚えておくこと)。
また、甲状腺ホルモンは副腎ステロイドと同じ脂溶性のホルモンである。
1:17:42
今回は副腎ステロイドとエネルギー代謝を中心とした話でした。
副腎ステロイドの中にもヘルスネスステロイド(健康の場を作るステロイド)とシックネスステロイド(病気の場を作るステロイド)が存在する、ということをしっかり頭に入れること。
fin
