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生化学12 アミノ酸とエネルギー代謝1

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生化学12

k12-02 アミノ酸とエネルギー代謝1

エネルギー代謝とタンパク質

アミノ酸とエネルギー代謝1

●概要

・球状タンパク質―ヘモグロビン、マイオグロビン

・低血糖の場合、ヘモグロビンが酸素を組織へ受け渡せない

・一酸化炭素中毒

・線維状タンパク質―コラーゲン(カラジェン)

・コラーゲン合成異常

・子牛(veal)、仔羊の肉(lamb)はなぜ柔らかいのか?

・酵素と臓器障害

・アミノ酸はストックがない・還元型グルタチオン/酸化型グルタチオンの比

・グライシンの抗ガン作用

・グライシンのタンパク同化&異化防止作用

・グライシンの様々な健康作用

・タウリンはエネルギ―代謝を高める

・タウリンの様々な健康作用

・スィアニン(テアニン)の様々な健康作用

・糖のエネルギ―代謝からみた本当の必須アミノ酸

生化学(12)エネルギー代謝とアミノ酸

今回は「エネルギー代謝とタンパク質」のアミノ酸についてを詳しく。

今回は医学の教科書や栄養学で言われる「必須アミノ酸」というもの。必須アミノ酸とは体内で合成できないアミノ酸で、外から摂取するしかないと言われてる必須のアミノ酸で、且つ不可欠だと言われてる種類のアミノ酸。

これがいかに誤解に満ちてるかということも明らかにしていきます。

そして、糖のエネルギー代謝に必要な本当のアミノ酸とは何か、ということも最後に伝えます。

1:03

【アミノ酸とエネルギー代謝】

■タンパク質を形で分類したものについて

タンパク質は形で分類すると、球形のタンパク質と線維状になってるタンパク質と形態で分類できる。

●球形のタンパク質

〈知っておくべき球形のタンパク質〉

「ヘムタンパク質」:血液(赤血球)の重要な構成要素

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「ヘム(ヒーム)」という鉄を中心に持った物質がある。

酸素と結合する物質が実質このヒームになる。

この、ヒームに「グロビン」というタンパク質が包むような形で1ユニットを作る。

このグロビンが4つユニットになったものが「ヘモグロビン」。

ヘムという鉄を含む物質がグロビンというタンパク質と4つユニットになったもの。これが形としては丸い。そして、これが赤血球の主要な構成成分になる。

2:48

また、「マイオグロビン」というものがある。

マイオ=筋肉

筋肉内に存在して酸素一分子をヒームに結合。

これは、ヘモグロビンの1ユニットだけのもの。これが筋肉に存在し、ヒーム一つに対し酸素が一つ付くというのが原則。

ヘモグロビンには4つユニットがあるので、4つヒームがある。

なので、基本的には4分子の酸素が結合するということになる。

そして、上記の通り筋肉内に存在し酸素一分子を結合してる。

ちなみに、スーパーなどでお肉が赤く見えるのは、実はマイオグロビンの色。鉄と酸素がくっついた色。

4:03

酸素濃度が低い時ヘモグロビンから遊離した酸素をストックして、筋肉内で必要時にミトコンドリアに酸素を供給する。

実際にヘモグロビン(赤血球)からの酸素供給が低下した時に、筋肉が独自に自分の筋肉内に格納してるマイオグロビンから酸素をもらう。そのために筋肉に存在してる一つの物質である。

ヘモグロビンはそれに対して赤血球に存在し、酸素4分子を運ぶ。

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重要なのは「ボーア効果」と呼ばれるもの。

ボーア効果とは、“血液中の二酸化炭素濃度が高くなるとヘモグロビンがようやく酸素を離して組織へ渡す”という現象。

つまり、二酸化炭素が十分に発生していないとヘモグロビンは酸素を抱えたまま、酸素を放出しない状態になる。

これは、実際はいくら高濃度の酸素を投与して、ヘモグロビンにたくさん・・・といっても1ヘモグロビン付いて4分子しか最大結合しないが、(ヘモグロビンが)フルに結合したとしてももしそこに二酸化炭素がなければ、ヘモグロビンは酸素を抱えたまま細胞のミトコンドリアに酸素を送ることができない。

そうすると、実際は血液中は酸素で溢れてるのに、細胞は虚血という低酸素状態になってる。これは非常に危険な状態。

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なので、私がいつも伝えてる「二酸化炭素濃度を上げることが酸素よりも最優先である」ということ。

“酸素よりも重要な元素が二酸化炭素である”と伝えてる内容がこの「ボーア効果」。

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そして、二酸化炭素が上がることで、酸素がヘモグロビンからキックアウトされてようやくミトコンドリアに手渡されるわけだが、この二酸化炭素はどこから出て来るのか?

二酸化炭素というのは糖のエネルギー代謝でTCA回路からたくさん出て来るもの。

なので、糖のエネルギー代謝が回っていない限りは低酸素になるということになる。

特に赤血球の細胞内(普通の細胞でもそうだけど)は低血糖と低酸素がほぼイコールの関係にある。

7:37〈映像確認〉

赤血球を図示したものがある。

低酸素でヘモグロビンが酸素をくっつけたとしても二酸化炭素がなければ酸素は組織へ受け渡さない。

高濃度の酸素を吸入してたとしても、二酸化炭素がないとヘモグロビンが酸素を組織へ受け渡さないというのが「ボーア効果」と言われるもの。

8:08〈映像確認〉

低血糖でもヘモグロビンは酸素を抱えたまま細胞のミトコンドリアに酸素を受け渡すことができないということを図示したものがある。

赤血球は脳と同じくグルコースしか使えない(エネルギー源として)。

そして、グルコースは最終的に解糖系で乳酸まで行く。

というのは、赤血球はミトコンドリアがない。また核も。

なので、グルコースは乳酸になるしかないということ。

また、この発生した毒性物質である乳酸は肝臓でデトックスされていく。

9:00

ところで、このグルコースから乳酸に行くまでの解糖系の中間産物に「2,3ビスホスホグリセレート(2,3BPG)」と呼ばれる物質がある。

この2,3BPGという中間産物はCO2と全く同じ働きをする。

どういうことか?

それは、ヘモグロビンから酸素を遊離させる=ヘモグロビンに2,3BPGが結合し、酸素をキックアウトしてフリーの酸素を細胞のミトコンドリアに届ける作用をする。

9:48

ここで、もし低血糖で赤血球に十分なグルコースがない場合は、2,3BPGの量が低下するのでフリーの酸素を各細胞のミトコンドリアに届けることができなくなる。

なので、低酸素と同じく低血糖の時もヘモグロビンは酸素を組織へ受け渡せない。もっというと、糖のエネルギー代謝が回っていない状態でCO2の産生量が少ないと低血糖と同じヘモグロビンが酸素を組織へ受け渡せない。これは、せっかくヘモグロビンが酸素を結合してたとしても組織へ受け渡せないという状態になる。

実質的にそれが「細胞の虚血」といわれるものである。

10:51

*一酸化炭素中毒

一酸化炭素(カーボンモノオキサイド)

一酸化炭素は酸素の220倍ヘモグロビンに結合しやすい。

さらに、一酸化炭素がヘモグロビンの4つのユニットの内の一つに結合してしまうと、残り3つのユニットにも酸素は結合しやすくなる。

そうすると、ヘモグロビンが酸素を結合したまま組織へ酸素を渡さないという状態になる。

つまり、このヘモグロビンの1ユニットに一酸化炭素が結合すると、残り3つのユニットについた酸素は強く結合してなかなかCO2が来たとしても、あるいはグルコースの中間産物の2,3BPGが来たとしても、なかなか酸素を手放さなくなる。

これがミトコンドリアの虚血、低酸素症になってしまうということ。

実は、この細胞内の虚血、低酸素が一酸化炭素中毒の大きな原因となる。

12:28

実は、ミトコンドリアの電子伝達系のコンプレックスⅣまたはサイトクロムCオキシデーズと呼ばれる重要な酵素にも一酸化炭素が強固に結合することで、電子の流れを止めてしまう=エネルギー代謝を止めてしまう。

このことでも、この一酸化炭素中毒というのは非常に私たちの生命のフローを止めてしまう恐ろしい物質である。

もちろん、タバコによる煤煙にも一酸化炭素はたくさん含まれてる。

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さらに、この一酸化炭素は体内でも実は産生されてる。

ガン細胞では一酸化炭素の産生量が上がってるということがすでに報告されてる。

13:53

●形が線維状のタンパク質

ここまでが球状のタンパク質で「ヘモグロビン」についてでした。

ここからは形状が線維状になってるタンパク質。

ここで知っておくべき線維状のものが「コラーゲン」と「エラスティン」。

これは、代表的な細胞外マトリックスといい、細胞と細胞をくっつける膠(間質)を構成する主要なタンパク質である。

14:36

*コラーゲン

実は体内のタンパク質で最多の30%を占める重要なタンパク質。

主に線維芽細胞(fibroblast)と言われる細胞から作られるコラーゲンというタンパク質。

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〈コラーゲンのアミノ酸組成について〉

・グリシン(グライシン)

・プロリン

・水酸化プロリン

これらが一単位となって構成されてるタンパク質。

プロリンを水酸化する際にビタミンCが必要とされてる。

なのでビタミンC欠乏で昔に「壊血病」というのがあったが、これは特に歯肉などから出血してくる。

これは何故かというと、コラーゲン合成にビタミンCが必要だから。コラーゲンが減少してししまうと、血管の壁や結合組織などが脆くなってくる。それで、特に摩擦の多い口腔内で先に血管が破れて出血するという現象が見られる。

これは、今ではほとんど認められることはない。

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〈3本のポリペプタイドのしめ縄構造〉

これがコラーゲンの構造の基本になってる。

そして、3本のしめ縄があるが、それを結合させてるのがプーファなどから発生するアルデヒド。

アルデヒドがここではクロスリンクするということで、グリシン、プロリン、水酸化プロリンがずっと連なったタンパク質を3本結合させてる重要な働きをしてる。

17:02

〈コラーゲンのタイプ〉

これは、今まで報告されてる中でも30種類以上あると言われてる。

有名なタイプ1:皮膚、骨、腱、血管、角膜。線維芽細胞、骨芽細胞、血管平滑筋といったものから作られていく。

タイプ2:軟骨、椎間板、ガラス体(眼のレンズ)。軟骨細胞、網膜細胞からこのコラーゲンが作られてる。

タイプ3:血管、皮膚、肺などの伸び縮みする組織。これは線維芽細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋と呼ばれる細胞から構成されるコラーゲン。

タイプ4:基底膜(細胞の構造の一番底にある膜)。上皮細胞、血管内皮細胞がこのタイプのコラーゲンを作る。

このような様々なタイプのコラーゲンが30種類以上あるということがわかってる。

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〈コラーゲンの合成異常〉

この合成異常がもしあればどうなるのか?

まず、有名なところが「骨形成不全症(Osteogenesis imperfecta)」。このようなコラーゲン合成異常がある。

タイプ1〜7まで様々なコラーゲンの異常が認められる疾患。これは、骨が非常に脆くなるというのが特徴。

なので、すぐ骨折する。これは歩いてても骨折する。そして、どんどん骨が変形していくという非常に厄介な病態。

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私も骨形成不全症の人を実際に診たことがあるが、これは普通に成人はするが、やはり1年に何度も骨折をするという状態になる。

骨折において、骨の強さはミネラルにあると考えてる人が多いかもしれないが、一番大事なのはコラーゲン。

実は、この組織の柔軟性、耐性(外力に対する耐性)に一番重要なのがコラーゲンである。

このコラーゲンがないと、強度が極端に低下する。

なので、現在の骨粗鬆症の薬はやたらとミネラルを骨に沈着させる、または合成をUPさせるような薬ばかり投与してるが、それではまたすぐに骨折してしまう。

それは、最も強度の中心になってるのがコラーゲンだからである。

だから、コラーゲン合成を促すようなことを考えないと、骨粗鬆症の治療にはなり得ないということ。

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そして、先述の「壊血病」。

ビタミンC欠乏によるプロリン、リジン(ライシン)の水酸化結合によってしめ縄構造の手前・・・水酸化プロリンができないことでポリペプタイドがしっかりできない。そのためにコラーゲン形成異常が起こる。

これでよくあるのが歯肉の出血。また、もちろん骨も発達不全が起こるし、点状出血・斑状出血(ケモーシス)といった出血が皮下に出てくる。

現在ではビタミンC不足というのはほとんどないので、このような極端な病態は見られなくなってる。

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そして、銅。

銅の腸からの輸送異常により、銅が不足する。

銅とコラーゲンの関係とは?

コラーゲンをクロスリンクさせるアルデヒドがあるが、この時に実はもう一つ酵素が必要になる。それは、「ライシルオキシデーズ」と言われる酵素。

この酵素が、このしめ縄構造をしっかり上部に結合させる、クロスリンクさせる(クロスリンク=架橋)。この時に必要になる酵素。

この酵素は実は銅が必要。なので、銅不足が起こるとこのコラーゲンの形成がブロックされ、その病気を「メンケス病」と呼んでる。

メンケス病とは何が起こるのか?

それの特徴的なものは脳神経の発達異常。変性してくる。

なので、脳・神経といったところもコラーゲンが非常に重要な役割をしてるということである。

23:13

間質というのは細胞をくっつけてるただの空間ではなく、正常な細胞が増殖、分裂、分化していくのに必要な足場にもなってる。

なので、例えばIPS細胞や幹細胞が今非常にポピュラーになってきてる。

このようなものも、実はコラーゲンという足場をしっかり入れてあげないと、例えば実験室で幹細胞を肝臓にしたり腎臓にしたりという作業ができなくなる。

なので、足場を作るコラーゲンというのは、私たちの神経だけでなく様々な細胞を作っていくのに絶対に必要な物質。

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また、「エーラス・ダンロス症候群」というものがある。

これも、コラーゲンの欠損が認められるが、このタイプはよくあるのが血管の異常。

脳神経外科の領域でいうと、くも膜下出血、脳内出血にこのコラーゲン合成異常が絡んでることがある。

というのも、血管そのものがコラーゲン線維でできてるので、そのコラーゲンが合成されないということは、そこの部分が脆弱になりそこから出血するということで、よくこのくも膜下出血の原因としてコラーゲン合成異常が背景にある。

25:03(コラーゲン)

先述の、“プーファからできるアルデヒドはタンパク質(ポリペプタイド)をクロスリンクして丈夫なコラーゲンを作る”という話。

しかし、それは生理的作用であり、アルデヒドが困るのは必要のないタンパク質同士をクロスリンクさせたり、遺伝子と他のタンパク質をクロスリンクさせて結合させ遺伝子の働きを変性させてしまう(タンパク質の働きを変性させてしまう)という副作用を持ってる。

25:48

実際に、遺伝子とタンパク質をアルデヒドによってクロスリンクした場合はよく発ガンに向かう。

この、DNAとタンパク質や、あるいはタンパク質同士のクロスリンクによって変性させてしまうという作用はプーファからできるアルデヒドだけではなく、

・ラジエーション(放射線)

・重金属

・抗ガン剤と名のつく発ガン剤:特にプラチナ製剤

→プラチナ製剤:戦争で使われた化学兵器のナイトロジェンマスタード/Nitrogen mustard。これは抗ガン剤としても使用されてるが、実際の作用は発ガン物質。

ガン細胞に振りかけてガン細胞が死んだとしても、他の細胞に発ガンを促すものの大体が抗ガン剤の性質。

26:51(コラーゲン)

ビーフやラムといった子牛や子羊の肉は何故柔らかいのか?何故、これが高価で取引されて食べやすいのか?

これは、これまでの話を総合すると、コラーゲンが加齢と共にプーファや放射線、重金属などに晒されて必要以上にクロスリンクすると変性してしまうということ。つまり硬いコラーゲンができる。

タンパク質も変性していくし、それは上手く新陳代謝されれば成長した牛や羊の肉でも十分に柔らかいということは考えられる。が、一般的に子羊や子牛の肉はそういったものはまだ暴露されていないので、コラーゲンが柔らかい。つまり、クロスリンクしていないので食べやすいということになる。

28:12

■酵素

酵素はタンパク質で重要なもの。

よく、ローフードや酵素ドリンクが良いと言われる。酵素も重要だと健康情報が流布されてる。

酵素は確かに重要。でも、これはあくまでも私たちの細胞の中で作られる重要なタンパク質の一つに過ぎない。

つまり、外から酵素を摂ったとしても、それが酵素として私たちの身体の中でまた再利用されるということは限らないということ。

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それはコラーゲンも同じ。

コラーゲンも、食べたコラーゲンが私たちの身体に再びコラーゲンに使われるという保証はどこにもない。

むしろ、そういう使い方はほとんどないという方が正確。

だけど、コラーゲンの場合は分解されたものが非常に重要。=「グリシン」。これが良い効果を持ってるので、例えコラーゲンを摂取してそれが分解されても全然問題ない。

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問題は酵素。

酵素の方はポリペプチドの状態に分解され、それがオリゴペプチド、最終的にはアミノ酸になり吸収される、ということでした。

酵素は完全に分解されて活性を失っていく。

なので、食物中の酵素や酵素ドリンクというのは非常にナンセンス。

もし、そのまま酵素が小腸から吸収されて使われるのであれば、それはリーキーガットに他ならないし、そのタンパク質そのものが吸収されない場合は見事にバクテリアの餌になってしまう。

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●酵素について

私たちのエネルギー代謝を見ていく上で酵素は欠かせないタンパク質。

大体6つに分かれる(覚える必要はないが、参考に)。

①乳酸脱水素酵素(LDH)

酸化・還元を触媒する酵素で重要なのは「LDH(乳酸脱水素酵素)」。これは、ピルビン酸から乳酸を作る酵素。また、乳酸からピルビン酸を作るときにもこの酵素が働く。ガンで上昇するのはこの乳酸脱水素酵素。

②トランスフェレース(転移酵素とも呼ばれる)

尿素回路という肝臓のアンモニアをデトックスするメカニズムに非常に重要な酵素に「アミノトランスフェレース」というのがある。

これは、アンモニア基を他の物質に転移させていく酵素。

アミノトランスフェレースの中で「ALT」や「AST」が転移酵素。これは、肝臓や筋肉の細胞の中に豊富にある酵素。

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③ハイドロレース(加水分解酵素)

④ライエース(分子の乖離)

炭素と炭素の結合や、炭素と窒素の結合したものを分離させる酵素。

⑤アイソメレース

解糖系で出てきた酵素。

⑥ピルビン酸カルボキシレース

炭素と酸素、あるいは硫黄、窒素との結合を促す酵素。このピルビン酸カルボキシレースは糖新生で重要な酵素。

上記ような6つの主要な酵素がある。これも、重要なタンパク質の重要な働きの一つになる。

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●酵素と臓器障害

これは血液検査で非常に重要になってくるところ。

血液・プラズマ(血漿)中に出される酵素が2種類ある。

《1つ目》

必要な時に血液中に放出される酵素。例えば肝臓から出される血液を固める因子がある。これを「凝固因子」という。

これは、肝臓内では活性型ではないが、血液中に出された時に血液を固める方にしっかり働くもの(凝固因子)。

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この他、膵臓から出されるトリプシン、キモトリプシン。これは、膵臓の中でトリプシノージェンやキモトリプシノージェンと呼ばれる形で不活性型で存在してる。それが必要な時に血液に出されると活性型のトリプシン、キモトリプシンという酵素になってタンパク質を消化する。これを「ザイモージェン(ザイモーゲン)」という。

*ザイモージェン:不活性型で組織(肝臓や膵臓)の中に蓄積されてるもので、血液中に放出されて初めて活性型の機能を持つものになるというもの。

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ちなみに、肝臓から出される凝固因子が部分欠損してるものが「血友病」。これは、出血傾向になるという病態。

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《2つ目》

血液中には、正常の状態ではほとんど認められない酵素がある。それは、細胞の中の新陳代謝で放出される酵素。具体的には、細胞の中で働く酵素。

細胞の中で働く酵素なので、細胞が破壊されない限りは外に出ることはない。

なので、このような酵素が外に出てきた場合には“細胞が破壊されてる”という風に考える指標になる。

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そして、この《2つ目》の細胞の中で働く酵素が血液中に出て危険信号になるという有名なところが「アラニンアミノトランスフェレース/ALT(転移酵素)」。

これは、肝臓の細胞の中に非常に多い酵素。

なので、もし血液検査でALTという数値が上がってくると、肝細胞が何かの原因によって破壊されてるということ。つまり、肝臓障害を反映してると読み取れる。

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あるいは「クレアチンホスホカイネース/CPK」という酵素。

これは筋肉細胞に非常に多い酵素。

これも通常は血液中には出てこないが、CPKという酵素がたくさん血液中に出る場合は筋肉細胞が破壊されてるという解釈ができる。

なので、このCPKが血液中に濃度が高くなる時は何らかの原因で筋肉障害(筋肉に対するダメージ)が起こってると解釈できる。

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特にCPKは糖質制限、断食、飢餓、ケトン食、ステロイドの投与といった場合には血液中にコルチゾールがたくさん出る。

コルチゾールのすることとは、リポリシスとタンパク質を分解するのが主作用。

なので、コルチゾールが高くなってくるとこのCPKが血液中に上がってくる。それは筋肉細胞が崩壊されるから。

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■血漿と血清とは

・血漿:通常の血液中の液体部分

・血清:実験室で血液を遠心分離にかけて残った液体部分のこと。つまり人為的なものが血清。

なので、あくまでも私たちの血液の話をすると「プラズマ(血漿)」が正確な呼び方になる。

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【アミノ酸】

タンパク質はアミノ酸のポリマー=たくさんアミノ酸が連なった構造をしてる。

アミノ酸の種類は300種類ある。

そして、私たち哺乳類を構成するタンパク質のアミノ酸はその内のたったの20種類に限定されてる。

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糖質、脂肪、タンパク質の三大栄養素の中でタンパク質に特徴なのは、糖質と脂肪と違いストック体がない。=アミノ酸のストック体がない。

糖だと、グリコーゲン(グライコジェン)。肝臓や腎臓、筋肉、脳にストックされてる。

脂肪では、中性脂肪(トライアシルグリセロール)。脂肪組織にストック体として中性脂肪が貯蔵されてる。

しかし、アミノ酸のストック体はない。

つまり、食事、または体内で作られる(異化作用でタンパク質が分解されてアミノ酸になることはある)こともあるが、いずれにせよ産生されたアミノ酸はストックはほとんどない。

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実際に70kgの体重でタンパク質は約12kg分の重量があるが、この内のアミノ酸ストックは100g程度しかないということ。

ということは、連なったアミノ酸の摂取源であるタンパク質は毎日私たちは摂取しない限りはどんどん身体が分解されていくということになる。

なので、糖質や脂肪はある程度糖のエネルギー代謝が回ってる人であれば半日〜1日は平気で持つが、このアミノ酸だけは持たないということである。

41:38

■アミノ酸の構造

アミノ酸の構造は真ん中の炭素を中心として左右にアミノ基というもの(ここに窒素が入ってる)。

反対側にカルボキシル基(COH)を配置してる。

そして、R(側鎖)というところに様々な種類の分子が入ることで、アミノ酸の種類が変わったり性質が変わってくる。

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■アミノ酸同士の結合

これは、アミノ基と隣のカルボキシル基と結合して、水が抜けてペプチド結合(ペプタイド結合)でどんどんアミノ酸が連なってタンパク質になっていく。

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■疎水性アミノ酸

Rが「脂肪族」、あるいは「アロマティック(芳香族)」と呼ばれてるベンゼン環のついてるもの。こういった場合は「疎水性アミノ酸」と呼ばれる。つまり、水と交わらない。

水と交わらないので、タンパク質の中では内側に存在するアミノ酸。

タンパク質は血液中や細胞内を移動するものだが、これはやはり水溶性でないと困る。

なので、タンパク質の表面は水に溶ける「親水性アミノ酸」が配置されていて、水を弾くような「疎水性アミノ酸」は内側にある。

43:34

●疎水性アミノ酸で代表的なもの

*側鎖が脂肪族と呼ばれるアミノ酸

・グリシン(グライシン)

・アラニン(尿素回路で重要なもの。タンパク質の廃棄物であるアンモニアを運ぶ重要なアミノ酸)

・ベーリン

・メサイオニン

・プロリン

・アイソルーシン

・ルーシン

これらも疎水性アミノ酸として分類されてる。

44:12

*側鎖にベンゼン環のある芳香族(アロマティック)と呼ばれるアミノ酸

・フェニルアラニン

・トリプトファン

これは、構造を知っておくと実生活で使える。

トリプトファンは、「セロトニン」の原材料になるアミノ酸。

セロトニンとは、シックネスサブスタンス(病気の場)を作る重要な神経伝達物質(=ホルモン)。

その、セロトニンをあまり高くしたくない。

つまり・・・例えば食事中のトリプトファンが脳に入る。そうすると、セロトニン過剰でうつ病や暴力が起こるので、なるべくこのトリプトファンを入れたくないという時にはフェニルアラニンをセットにして摂取すると非常に良い。

実は、同じ構造のものは細胞に入る時に競合する。なので、フェニルアラニンを一緒に入れてあげると、トリプトファンが脳の中に入りにくくなる。

という風に、このような構造を知ってると実際の生活で健康に役立てることができる。

45:51

このように側鎖が非極性(水に溶けてプラスマイナスのチャージを持たない)というのが疎水性(水を弾くもの)。水素と結合したり、水素や電子を与えたりしないということ。

こういったものはオイル様の性質を持っていて、水を弾く。タンパク質の中では内側にある。

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先述の分子量の大きいもの。

アロマティック(芳香族)が側鎖に付いてるものは、フェニルアラニンとトリプトファン。これは、脳への取り込みで競合する性質を持ってる。

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●親水性アミノ酸で代表的なもの

Rの側鎖がプラスチャージ:アルカリ、側鎖がマイナスチャージ:酸性を示す物質。あるいは、側鎖にチャージがないというものでも水に溶けやすいものがある。

これは、タンパク質では外側にある。

代表的なものでは、

*側鎖がプラスチャージ(水と反応して水素様を放出して自分はプラスになる):リジン(ライシン)、アルギニン、ヒスチジンといったアミノ酸

*側鎖がマイナスチャージ(酸性を示すもの):アスパレート、グルタメート(グルタミン酸)

アスパレートはアスパルテームと非常に似た構造をしてる興奮性アミノ酸。この構造に似せたのがアスパルテームという人工甘味料。

47:57

*側鎖にチャージがないが、親水性のあるもの:セリン、スレオニン、システイン、タイロシン、アスパラジン、グルタミン

※グルタミンとグルタメートは違う。グルタメートはグルタミン酸塩(違いについては詳しくは次回)

48:29

このように水と親しみやすいアミノ酸で、特にチャージのないものは側鎖が水素結合する。

水に溶けやすくてプラスマイナスのチャージを持たないもの:セリン、スレオニン、タイロシン、グルタミン、アスパラジン

48:56

そこで非常に重要なものがdisulfide bond/ダイサーファイドボンド(日本語ではジスルフィド結合)。

これは何か?→結合組織(コラーゲン)の安定した結合を作るにはなくてはならないもの。

具体的にはシステインのSH基(S:硫黄、H:水素)と言われるものは、SHとSH同士でHが取れて、SSという硫黄がくっついて共有結合する。このような形を取り、タンパク質同士がしっかりと結合するのに、このジスルフィド結合は非常に重要。

50:08

実は、この結合した状態は酸化した状態。

もし、ここに還元状態(細胞内がアルカリ性になる)になると、このSS結合が切れてタンパク同士がプツンと切れてしまう。そうなると、タンパク質の構造はもちろん変性していくし、機能もなくなる。

なので、いかに細胞内の還元状態が恐ろしいのかということが、タンパク同士の結合(SS結合)が非常に鍵を握ってるということ。

50:58

例えば「グルタチオン」。

*グルタチオン:抗酸化物質として有名な物質で、私たちの細胞内で作られる。

このグルタチオンもSH基を持ってる。

このSHは酸化されると、SS結合(ダイサーファイドボンド)ができて安定してくる。

SS結合のしっかりタンパク同士がくっついた形というのが「酸化型グルタチオン」。そして、これが還元状態でプツッと切れたものを「還元型グルタチオン」という。

・還元型グルタチオン:GSH

・酸化型グルタチオン:GSSG

この割合が非常に大事。この割合を見るだけで病気か病気じゃないかが判断できる。

52:12(おさらい)

還元型グルタチオン:SS結合が切れたグルタチオン

酸化型グルタチオン:しっかりSS結合(共有結合)してるグルタチオン=安定型のグルタチオン

52:28

慢性病は還元型ストレスが原因となってる。

酸化ストレスと言われるが、これは大きな間違い。私たちの細胞の中は弱酸性なので、還元ストレスが一番恐ろしい。

この還元(アルカリ)ストレスを反映して、ガン、糖尿病、自己免疫疾患、アルツハイマー病、アトピーなどのアレルギーといったものでは必ずこの還元型グルタチオンが増えてる。そして、酸化型グルタチオンが減る。

つまり、GSHとGSSG比がどんどん上がっていくということになる。

これが上がるのが病態として非常にまずいことになってるという一つの指標になる。

53:27

側鎖が極性=水に溶けてプラスマイナスを持つというもの。

側鎖が酸性であるもの→アスパラギン、グルタミン酸塩。興奮性アミノ酸がこれに当たる。

これはエレクトロンとプロトン=電子と水素を他の分子に与えるアミノ酸。生理的条件で水に溶けて、COOHという部分がCOO-となり、マイナスチャージの状態で存在してる。

54:10

そして、側鎖がアルカリ性のもの(NH3というアミノ基がくっついてるもの)→ライシン、アルギニン(アージニン)、ヒスチジン

こっちは逆にエレクトロン、プロトン=電子、水素のアクセプタで生理的条件でプラスチャージになるもの。

このプラスチャージとマイナスチャージが化学反応では非常に重要になってくる。それは、「プラスとマイナスとは引き合う」、「マイナスとマイナスは弾き合う」、「プラスとプラスも弾き合う」というもの。このプラスとマイナスが引き合うというのは、私たちのほとんどの化学物質の反応で起こってる反応になる。

55:00

例えばグルタミン酸塩。これは側鎖がCOO-になってる。

これは、マイナスチャージのグルタミン酸塩にプラスチャージのアンモニアがつくことでグルタミンという物質になる。

なので、グルタミン酸塩というのは味の素に含まれてる主成分だが、これはアンモニアをくっつけるとグルタミンになる(グルタミン塩酸+アンモニア→グルタミン)。

グルタミンはアンモニアの運搬役として非常に重要な役割をしてる。

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このように水を弾くもの、また水に溶けやすいものでアミノ酸は分類することができる。

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■必須アミノ酸

必須アミノ酸は栄養学や医学が呼んでるもの。これには10種類ある↓

・アージニン(アルギニン)

・ヒスチジン

・ロイシン(ルーシン)

・アイソロイシン(アイソルーシン)

・リジン(ライシン)

・メチオニン(メサイオニン)

・フェニルアラニン

・スレオニン

・トリプトファン

・ベーリン

これらが、私たちの身体を構成する20種類のアミノ酸の内“必須”と言われてる10種類のアミノ酸。

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ところが、これは大きな間違い。この内の4つは以下の理由で控えないといけない(というか、なるべくない方が良い)。

・メチオニン(メサイオニン):これは甲状腺障害を起こすアミノ酸。また、システイン、トリプトファンというアミノ酸も同じ。これら3つは甲状腺障害を起こす。

また、ストレス下において、

・ヒスチジン:ヒスタミンになる。

・トリプトファン:セロトニンになる。

・アルギニン(アージニン):一酸化窒素になる。

この、ヒスタミン、セロトニン、一酸化窒素はいずれも代表的なシックネスサブスタンス(病気の場)を作る物質。

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ということで上記の4つであるメサイオニン、ヒスチジン、トリプトファン、アルギニンは最低でも必須アミノ酸から抜かないといけない。

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●グリシン

これは非常に重要なアミノ酸。コラーゲンの主成分でもある。

グリシンは非常に重要な作用がある。特に重要なのが『抗ガン作用』。ガン細胞のグリシン分解酵素をブロックする。

つまり、分解酵素をブロックするとグリシンが増えるので、実際にそういった薬剤を使うとガンがどんどん死滅していく。

肺ガンや脳腫瘍で実際にグリシンを増やすということをすると、ガン細胞は縮小していく。

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その他にも重要な働きがある。

グリシンにはタンパク同化、またはタンパク異化を防止する作用がある。

これは、つまり『筋肉を作っていく作用』があるということ。

タンパク同化については、1日約6〜7gくらいグリシンを摂れば筋肉は作りやすくなる。また、1.5〜6gのグリシンの量でもタンパクは、例えばコルチゾールが出ればどんどん分解されていくわけだけど、それを防ぐ作用を持ってる。

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グリシンの抗ガン作用はフルクトースがピンチの時に使う1カーボン回路。

セリンからグリシンになり、1カーボンに入る。なので、この1カーボン回路を回してピンチの時にATP(エネルギー)を作る働きをする。

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抗ガン作用以外にも寿命を延長させる『抗炎症』、『抗メタボリックシンドローム』。

特に、プーファが酵素反応をコックスすると言われてる。サイクロオキシゲネーズという酵素が働くことで、プロスタグランジンやリューコトライエン(これはコックスからはできないが)などができる。

また、ホスホライペースA2がストレスで上がってくると、私たちの細胞構造からアラキドン酸を作り出す。

このような酵素をブロックするのがグリシンである。なので、炎症性のエイコサノイドを低下させるという作用がある。

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上記で、コルチゾールのタンパク質分解を止めるということだったが、グリシンは間接的にコルチゾールを止める。

なので、『抗ストレス作用』がある。

グリシンは「GABA」と言われる脳の過剰興奮を抑える作用がある。

GABA作用を持つものは全てコルチゾールが低下することがわかってる。なので、グリシンは間接的にGABA作用を通じてコルチゾールを低下させるということ。

てんかんや脳の興奮性の病態にはグリシン(コラーゲン)は非常に有効。

これは、不妊症にもこのGABA作用は有効である。

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また、『抗アレルギー作用』がある。

痒みや湿疹を止めたりするのも、グリシンの働きの一つ。

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そして、エンドトキシン。

私たちの慢性症に関わってる重要な鉄、エンドトキシン、プーファといったメジャーファクターの内の一つのエンドトキシンに対してグリシンは軽減させる効果がある。

『脳神経保護』は当然で、『鉄過剰による炎症の抑制』を持ってる。

このことから、エンドトキシン、鉄に対してもグリシンは非常に有効であるということ。

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更年期障害、骨粗鬆症、肥満といったエストロゲンドミナンス(エストロゲン過剰)で起こる病気にグリシンを投与するとエストロゲンを細胞の中から外へ排出してくれる。

これはプロゲステロンと同じような働きをする。

これにより、エストロゲンドミナンスといった病態の『細胞の中でのエストロゲン濃度の高まりを軽減する作用』を持ってる。

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ちなみにエストロゲンは細胞の中での作用が問題であって、血液では逆にエストロゲン濃度が高いという状態が非常に好ましい。

というのは、細胞の中のものがグリシンなので、エストロゲンが出されてるということを示すから。

なので、エストロゲンは血液中と細胞内の濃度が逆相関してる。

つまり、エストロゲン濃度が細胞の中より高い場合は、血液中はエストロゲン濃度が低い。

血液中のエストロゲン濃度が高いということは実は非常に良いこと。これはエストロゲン濃度が低いということを示してる。

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また、「保護ホルモン」と私が呼ぶミトコンドリアの代謝を上げるホルモン。身体を守るホルモンであるアンドロステロン、特に「DHT」と呼ばれる最も強力なアンドロジェンがある。

これは、アロマテースによってエストロゲンには変換されない重要なアンドロジェン。

また、「アロプレグネノロン」。

これは、プロゲステロンから脳の中で作られる脳の保護ホルモン。

アロプレグネノロンもDHTもグリシンによって合成がUPする。

「5αリダクテース」というDHCを作る酵素を活性化するのもグリシンの重要な働き。

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●タウリン

タウリンはよくエナジードリンクに入ってるが、実際にエネルギー代謝を高める物質である。

タウリンはアミノ酸の類似物質で、アミノ酸には分類されなく、厳格には20種類のアミノ酸には入ってないが、重要なアミノ酸類似物質である。

タウリンは胆汁酸の産生を高めるものの主作用だけど、この胆汁酸は甲状腺ホルモンを活性化させる。

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特に、甲状腺から出された不活性型のホルモン「T4」。これが、肝臓に入って、あるいは腸管内で初めて「T3」という活性型になる。このT3が私たちの糖のエネルギー代謝を高めたり、体温を発生させる元になる。

そして、いくらT4がたくさん出たとしてもT3に変換されない限りは全く意味がない。なので、これはザイモージェンと同じ。「不活性で存在してるものが活性型になる」というパターンと全く同じということ。

そして、実際に不活性型を活性型にするという作用がタウリンにはある。

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その他に、グリコーゲン合成促進、糖のエネルギー代謝促進(特に解糖系の部分を活性化する)。

ここは非常にカフェインと作用が似てる。あるいはフルクトースやインシュリンといった糖のエネルギー代謝を上げるものと同じく糖のエネルギー代謝を高めていく。

そして、タウリンはプーファによるインシュリン抵抗性を改善するという好ましい作用も持ってる。

グルコースがピルビン酸、アセチルCoAになってTCA回路に入っていく手前のところに、タウリンはカフェインと同じように酵素を活性化して、糖のエネルギー代謝を高めていく。

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タウリンもグリシンと同じようにタンパク質同化作用がある。

赤ちゃんの臨床実験では実際にタンパク質の利用率をUPしてるという報告がすでにされてる。

また、グリシンと同じようにテストステロン・・・アンドロジェンの合成をUPさせるタンパク同化作用がある。

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その他には脱毛に効果がある。

また、アルツハイマーの認知機能低下の改善。

ドーパミンの合成UP。

グリシンと同じように、GABA作用を通じてコルチゾールを低下させる作用を持ってる。

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●テアニン

また、もう一つ「テアニン(セアニン)」というもの。

これも厳密には20種類のアミノ酸ではないもの。グルタミンからできるアミノ酸誘導体。

主に玉露、抹茶、マッシュルームに含まれてる重要な物質。

これも、抗炎症効果、抗ストレス(コルチゾールを低下させる)、セロトニンを低下させてドーパミンをUPさせるというヘルスネスサブスタンス(健康の場)を作る重要な物質。

これほど食材や環境が悪くなってる日本でもアメリカよりも健康寿命がまだ少しマシ(実際はあまり変わらない&他の先進国からは離されてると思うが)なのは、お茶をよく飲むせいかもしれない。

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ということで、エネルギー代謝とアミノ酸という観点から、必須アミノ酸(私たちが身体に必要とするアミノ酸)が決まってくる。

それは、ズバリ以下の9種類。

・βアラニン

・ルイシン

・アイソルイシン

・リジン

・グリシン

・フェニルアラニン

・スレオニン

・タウリン

・ベイリン

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グリシン、タウリンについては記載済み。

あとは、フェニルアラニン。トリプトファンを競合する。

その他、分岐鎖アミノ酸もある。

また、βアラニン。これが実は私たちの糖のエネルギー代謝を高めるアミノ酸。

このようなアミノ酸組成のものをしっかり摂取していくことが、タンパク質の食事における基本的な重要な軸になる。

1:10:51

今回はアミノ酸とエネルギー代謝というテーマでした。

最初に“タンパク質の形状分類”から最終的には“私たちの本当の必須アミノ酸が何か?”というところまででした。

fin

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