生化学

生化学15 タンパク質総集編

tom

生化学(15)タンパク質ー総集編ー

今回はタンパク質のまとめ。

また、ツイートの電気的な話も絡めたタンパク質の話を。

0:27

■タンパク質についてのポイント

今回一番理解してほしいこととしてはまず、タンパク質はアミノ酸が結合した大きな混合体。

これが少しずつ分解・代謝されて「アミノ酸」という形にまでなり、体内で色んな仕事をする。

それはアミノ酸単体でする仕事もあれば、アミノ酸同士がくっついて良い効果あるいは悪い効果を発揮したりする。

1:11

上記の「良い・悪い」というものは私たちの都合の良い勝手な解釈。

簡単に言えば、「アミノ酸同士もくっついたり離れたり、またはアミノ酸の単体同士で力を競合しあって体内でプラスとマイナスの要素のバランスをとってる」というのが正しい言い方かもしれない。

これは、アミノ酸も脂質も糖も同じだが「良い・悪い」はない。

全ては訳あってそこに存在し、その状態・環境を恒常的に健全に循環させるためにアミノ酸の交代、変換、結合だったりというものもある。このように考えれば良い。

2:06

タンパク質が力を発揮するためにはいくつかのポイントがあるが、まずタンパク質そのものの消化・吸収の話から、タンパク質の体内での仕事の話に移行していきます。

2:22

■タンパク質の必要量

タンパク質そのもの(アミノ酸ではなく)が体内でアミノ酸として活用するタンパク質源としては1日にどれくらい必要か。

それは、約60〜100g/1日と考えれられてる。

これも、「何を」タンパク源にしてるかによってグラム数は変わるし、本来はそこまで必死に“タンパク質を摂らなくちゃ”という考え方=例えば肉や卵や大豆、植物性のナントカをタンパク質○gというようにわざわざ計算して摂るようなことはしなくて良いと私は考えてる。

実際にはタンパク源ということで、肉を食べなくてはならないとか、大豆を食べなくてはならないというような「ならねば考え」はあまり必要ないと思う。

それは、そもそもタンパク質がアミノ酸にまで変換されなければ、タンパク質そのものをどれだけたくさん基準量と言われてる量を摂ったとしても意味がないから。

3:52

例えば、タンパク源と言われないものにもアミノ酸は含まれている。「アミノ酸がどんなものにどれくらい入ってるか?」という調査やアミノ酸表という食品のアミノ酸含有率のリストはどこからでも手に入るので、参照に覗いてみると良いと思う。

本当にたくさんの食べ物にアミノ酸は含まれてる。

なので、バランスよく色んなものを食べていれば、そこから少しずつアミノ酸は必ず取り出せる。

4:36

そして、上記で代表選手的に赤身のお肉や大豆をわざと挙げてみた。

何故かというと、一般的にアミノ酸を摂取するためにはこの2つが効率が良いようなタンパク質と考えられてるから。

しかし、これはアミノ酸への変換率を考えれば、実際には動物性のタンパク質の方が利率は高い。

また、豆や種や肉にしろ、どれもまずそれをアミノ酸へと切って小さくしていくのにエネルギー消耗がある。

なので、エネルギー消耗も踏まえて考えると、タンパク質がアミノ酸になり、しかも私たちの体で使える状態になるまでにすごくエネルギー消耗がある。

これを忘れないでほしい。

5:54

■タンパク質の吸収・代謝/代謝して切られて吸収されるまでの流れ

まず、タンパク質が小さくなるまでに必ずエネルギーが必要。

そのエネルギー源として糖の代謝がきちんと回っていなければ有効的にタンパク質をアミノ酸として使うことができない。

6:25

では、必要な糖の量は?

タンパク質が例えば60g〜100gだとすれば、それの3倍ほどは糖があった方が良い。

ここでいう“糖”は「単糖」の形での糖。

これを「ショ糖」という形にすると、約2.5倍くらいだと考えられてる。なので、ショ糖だと約150g〜250g。

単糖だと300g必要だとされてる。

これは結構な量。ハチミツ瓶で言えば1瓶は必要。それくらい食べてもタンパク質100gも消化できない。効率的に使える形にできない。

このように考えると、どれだけ無駄があるか。タンパク質を摂ることにどれだけエネルギー消耗があるかがわかるはず。

7:45

まず、タンパク質がお腹の中に入ってきたら、胃の中に入り、タンパク質が一度ポリペプチドという形になる(ポリ=たくさん/ペプチドにたくさんくっついた形)。

そこから、ポリペプチドからペプチドに切られるのが十二指腸と小腸。

小腸で大体アミノ酸は吸収されるので、十二指腸〜小腸の間に大きなポリペプチドという形のものがカットされてペプチドになり、アミノ酸になり、最終的には吸収される。

8:23

この消化の部分で酵素が必要になる。

鉄の吸収や私たちが必要なホルモン、その変換や体の中での使われ方など大事なことがあるが、もう一つ忘れてはいけないのが『酵素』。

この酵素がないと、タンパク質・アミノ酸は上手に使われない。

この酵素そのものもタンパク質・アミノ酸で作られていて、これが例えば大きなタンパク質を小さくするにも原料であるアミノ酸が必要であるという皮肉な感じ。

9:12

そこに、“アミノ酸がどんな形で存在するか”というのを決めるのが、肝臓の健全度。

まず、胃で消化(小さく代謝)され、それから十二指腸・小腸で代謝される。そこに色んな酵素が出されるが、その酵素に肝機能が健全であることがまた大事になる。

なので、タンパク質(脂質や糖も同じ)を消化して代謝するにも、肝機能は私たちが栄養素として取り込んでる全てのものの要素を体内であちこち有効活用するための変換を担当していて、一般的にそれは「解毒」という言い方で考えられがちだがそれだけではなく、最も私たちを生かすために体内での代謝、または色んな体内での化学変化を起こすために酵素変換というものをしてる。これも非常に大事なこと。

10:29

これは、貧血や鉄の摂取といった話の時にも言える。肝機能と、そこから作られる銅のタンパクや鉄のタンパクがないと鉄が運ばれないなど、体内での化学反応や代謝に関わる全てに肝機能がアミノ酸を使った酵素を作ってる。

これが大事なところじゃないかと。

11:05

ちなみに、胃でタンパク質がポリペプチドに変わるには「ペプシン」が必要。

また、十二指腸から小腸に変わっていくのには「トリプシン」。

こういった酵素が必要だが、厳密に覚える必要はない。

11:29

酵素も前駆体から酵素が作られるという力そのものにもエネルギーは必要になる。

また、膵臓の機能が元気じゃないとこの辺も作られない。

肝機能と膵臓。

膵臓は特にエネルギー代謝でも非常に大事な臓器になる。

11:51

このように大きなピクチャーで見ていけば気づくと思うが、「体は何か一つの臓器だけが元気になってもダメだし、それぞれの臓器が連携しあって一つのことを成し遂げていく」ということを忘れないこと。

12:11

■タンパク質を阻害する物質

消化の障害を起こすものとしては、

・豆

・種

これらは元々消化されたくないというか、そこから芽を息吹いて命を作るもの。

なので、私たち動物に摂取されてもそこで壊されるわけにはいかない。要するに、生き抜くために身を守るための毒性。

特に、トリプシンという阻害物質が大豆を代表する豆や種にはたくさん含まれてる。

13:10

上記の通り、豆や種はそこから命を息吹くものなので、息吹いてない状態というのは私たち動物に食べられ消化されたくないという、生を守る状態。

なので、よく言われてることとして「芽吹いてから」、または「発芽させてからこれらは摂取しましょう」というのはそこに意味がある。

もちろんトリプシンが出てきて、それらを溶かして分解していくという働きが起きたら困るので、トリプシンの阻害をするような毒性物質がちゃんとある、ということである。

13:59

■植物性のタンパク質が効率的でないもう一つの理由

これは要するに使われる形のアミノ酸になり、体内にどれくらい残るか。

例えば、100g摂ったとする。

その中でどれだけ私たちの体で使えるように残るか、という調査は研究でたくさん出てる。

そして、「摂取してこれくらい体内に残った、では排泄でどれくらい出てるか」という排泄物のチェックで大体わかってるのが、代表選手的には「牛乳」(正しい牛乳に限る)、「大豆」、「小麦」、「卵」。

これらのアミノ酸への変換率とタンパク質がきちんと有効的に使われたかどうかの検査がたくさんある。

15:18

この中でどうしても力が落ちるのは「大豆」や「小麦」になる。

つまり、これは毒性として外に出されてしまってるということにもなる。

もちろんそれが悪いというわけではないが、アミノ酸を効率的に摂ろうと思って摂るなら、「植物性のものは効率性が悪い」ということは知っておくと良い。

事実として、物質からアミノ酸を抽出し、体の中に残して有効活用する割合としては当然、卵や牛乳の方が有利になるということである。

それをわかった上でどれくらい摂取するかだと思う。

16:12

ただ、この話はアミノ酸だけの話にしか過ぎない。

実際にはその植物、または食べるものそのものが私たちの体に他にどんな毒性を持ってるかということも考察しなけらばいけない。

16:33

■同化と異化

タンパク質が体内に入ってきた。そして、代謝されアミノ酸として入ってきた。

では、体内でアミノ酸が何に使われるか?

それは、必ず「同化」または「異化」という2方向に使われる。

これは同化になるのも良いし、異化になるのもアリ。

16:55

・異化:エネルギーに変換されるということ。そして余ったものは捨てられる。

・同化:私たちの体の組織の一部になる(細胞の一部になったり、結合組織の一つの部位になったりする)。

同化と異化はどっちが良いというわけではなく、どちらにも働く力を持ってる。

17:27

ちなみに、体というのは摂取したものが同化になるか異化になるかは別に良いけど、もし足りなければ体の中で同化や異化を起こしたりということが必要になってくる。

ここが大事なところ。それはどういうことか?

というと、体は常にアミノ酸を必要としてる。新しいものを生むにも、どこかを修復するにも体の材料はアミノ酸なのでアミノ酸がもし足りなければどこかを壊して持ってこなければならなくなる。

18:06

これが一つの異化でもあるが、この異化の起き方としては、溶けやすいor溶かしやすいor壊しやすい部位というのがタンパク質の組成にある。

これが例えば疎水性のアミノ酸か親水性のアミノ酸かもわかってくると面白い。

また、親水性の場合は極性を持ってるかどうか。プラスチャージなのかマイナスチャージなのか。

または、どちらの極性も持ってないバランスの取れたものか。

それによって体の中で同化に働きやすいか異化に働きやすいか、またはどの生体反応に影響を与えるか、というのが決まってくる。

19:10

《ここまでまとめ》

・アミノ酸は異化と同化になる

・効果的にアミノ酸を摂取するなら『動物性たんぱく質』の方が良い

19:20

■タンパク質の折りたたみ

タンパク質は折りたたみ式と言われてる。

繋がった数珠のような一次構造のものが折りたたまれてコラーゲン組織になったり、輪っかみたいになったりする。

アミノ酸の繋がりが折りたたまれて、線維状(棒状)のようになっていくのか、球状になっていくのかということ。

球状になってるのと、棒状になってるのとでは役割が違う。アミノ酸は体内で上手に2つのタイプになって同化と異化を上手に分けてる。

20:11

ちなみに・・・

まず、タンパク質の中にはアミノ酸の配列によって、

・球状のタンパク質

・線維状のタンパク質

がある。

20:26

そして、これらが水に溶けやすい「親水性のタンパク質」と「疎水性のタンパク質」とがある。

疎水性のタンパク質:酸にも溶けにくい、ダメージの受けにくい線維状のもの。これが私たちの結合組織や筋肉の一部を作ってる(線維状になって)。

球状タンパク質(親水性):よくホルモンに絡むところ。つまり、ホルモンになっていくところは、酵素タンパクや酵素によって色んな形に変換していかないといけない。タンパクの中でも柔軟に色んな形に変化して、その場に合わせたものにならなければいけない。こういうものはその場によって変わるので、場の情報という電気的なシグナルを受けないといけないために親水性である。

21:32

球状のものはほとんどホルモンに絡むものだったり、電気的な作用で体に何か仕事を行うもの。

例えば、「ヘモグロビン」。

まさに鉄を回収し、酸素を掴んで私たちの体のあちこちに届ける。

このタンパクは親水性の球状の形をしてる。

球状の形をしてるヘモグロビンは親水するイオンの極性を持つことによって、(簡単にいうと)マグネットの力で鉄を吸着し酸素を吸着する。

22:13

「酸素を吸着する」という言い方をしたが、これは、ヘモグロビンの親水の特徴によって抱えてる鉄を酸化させることなく酸素を私たちが使える形で居させるために(酸素を鉄と酸化させてしまったら届けようがないから)、電気的に鉄にくっつけて酸素を運ぶ。

これがタンパク質でも特にホルモンの球状のタンパク質のする仕事の個性。

23:03

線維状のタンパク質:コラーゲン、エラスチンなど私たちの体の組織そのもの。あとは、アクチンという筋肉に使われるもの。

23:16

この球状、線維状タンパク質の大きなポイントは、どちらも「電気を流す」ということ。

水と一緒になって電気を流すのか、線維そのものの中に電気を通すのかによって、私たちの体はシグナル(脳からの指令)を持って体全体を支配してる。

なので、体中の結合組織が電気がスムーズに流れるような状態である=しなやかな状態というのは体の健康という恒常性を保つためにとても大切な条件になる。

24:02

■球状タンパク質

貧血の問題を考える時にも、タンパクの部分をよく考えないといけない。

まず、貧血であるということは酸素が上手に届いてない状態。

これはヘモグロビンが多いか少ないかというよりも、きちんとその仕事をしてるか・してないかという方が重要なポイント。

何故か多くの人は材料がない(例えば鉄がないとか、ヘモグロビンが少ないとか、トランスフェリンがどうのとか)という、数そのものにとらわれがちだけど、そうじゃない。

“それらがきちんと有効に動いてるか”の方が大事。

100のヘモグロビンがいたとしても、そのヘモグロビンが正しく仕事をしていなければ鉄は酸素を運ばない。

ここを勘違いしないこと。

25:03

ちなみに、酸素が運ばれるには「ボーア効果」という細胞内のある程度の二酸化炭素量がとても大事になってくる。

酸素はただ届けられただけでは「そこで待ってる」という状態になって、細胞の中に運ばれない。

運ばれるためには、CO2の交換が行われなければならない。

なので、酸素を運ぶ時には「ボーア効果」を思い出してほしい。

25:36

“ミトコンドリア条件として二酸化炭素をたくさん発生してること”

これはどういうことか?

それは、ミトコンドリアのエネルギー代謝であるTCA回路などが回っていなければ出てこない。

なので、二酸化炭素が出るようなエネルギー生産をしてるところに初めて酸素は届けられるということになる。

つまり、「とりあえずヘモグロビンでヘム鉄をとって、酸素をとりあえず供給」となっても、供給する場所で届かなければ・交換されなければどれだけそこで鉄を摂ろうが(球状のヘモグロビンが頑張ろうが)あまり意味はないということ。

なので、全体像を眺めずして何かだけをするという浅はかなことはやらないこと。

26:31

《ここのまとめ》

・ボーア効果がある

・酸素は二酸化炭素がないと細胞に届かない

26:40

■線維状タンパク質

線維状タンパク質でいうと、コラーゲン。

コラーゲンのある場所:体中の組織全部。皮膚・骨・腱・軟骨・椎間板・血管などの伸縮性のある部分など。

骨にコラーゲンと聞くと驚く人がいる。骨というのはカルシウムの密集した棒状のものだけど、それはカルシウムだけでできてるわけではない。

もしもカルシウムだけでできてるとしたらスカスカで粉のような状態。コラーゲンはその粉を繋ぎとめて、しかも柔軟な骨にする。

それはどういうことか?

27:38

年を取ると骨粗鬆症になりやすく、骨が折れやすいというもの。

これは、骨自体の繋ぎとめてるコラーゲンが流出する、ということが起こってる。

なので、骨の密度とそれをくっつけてるコラーゲン流出があることによって折れやすい状態が生まれる。

骨はコラーゲンがびっしり中に詰まっていて、しなやかさと折れにくさが備わる。骨にコラーゲンが詰まってることによりしなる。そのしなりがあることによって衝撃を周りに逃すことができる。

28:38

例えば固い棒があるとする。棒の一点部分に力がかかった時に棒にしなやかさがなければ、その一点に全てのエネルギーがぶつかることで割れてしまう。

だけど、コラーゲンは伸縮性のあるゴムみたいなもの。そのような伸縮性のあるものが棒の中に入っていれば、衝撃が起きた時に伸縮性を使って衝撃を分散する。衝撃を分散することによって、全体で力を受ける。

これは一点で力を受けるのではなく、全体で力を受けてしなることで割れない、または壊れないという状態が生まれる。

29:34

コラーゲンは体内に約30種類ある。

その中でも心臓の周りの壁や血管の壁のところはポンプになって伸縮しないといけないところになる。

なので、筋肉と伸縮性(柔軟性)というのはコラーゲンが担当をしてる。

30:02

そのコラーゲンたちが壊れてしまい、固まってしまうとポンプの役割が心臓にも血管にも生まれなくて流れが悪くなる。そして、詰まってしまうことにより、そこには機能障害が起きる。

そういった病態がある。

30:28

そして、もう一つ「酵素」。酵素もタンパク質からできてる。

体内の組織のあちこちで起きてる生体反応は全部酵素で行われる。

この酵素が色んな仕事をしてるということ。

31:01

■アミノ酸プール

“アミノ酸は体内であまりたくさんプールができない”というもの。これも重要。

これは、糖も肝臓や筋肉にグリコーゲンとして溜められるのは限界がある。

それと同じでアミノ酸も通常は体内にタンパク質として溜めておけるのは約30g。

アミノ酸のプールは約100g。

これは100gほどプールできたとしても、もし足りない場合(炎症を起こしたり、体が酸化して壊れた時)には、食べるところからの摂取か、体の他のところを壊しての摂取しか無くなる。

32:03

つまり、普通の生活をしてて病気でない場合はそれほど足りなくなることはない。しかし、慢性疾患で何か薬をずっと投与してるとか炎症をずっと持ってるというトラブルを抱えてる人は、普通の生活で食べられるアミノ酸量では足りないということが起きる。

32:24

これは、単糖を慢性疾患の人に大さじ8食べてね、というのと同じで体のそういった慢性炎症や慢性の状態を抱えてる人はプールしてるアミノ酸だけでは足りないし、炎症などのストレスでコルチゾールが出ることによりアミノ酸の不足が必ず出てくる。

なので、ストレスを抱えてる自覚がある人はアミノ酸の摂取が日頃からも多少は必要になってくるということでもある。

33:04

あまり外からの何か特別に必要なものというのはない方が良いと思ってるけど、私も体感で肉体労働的に疲れた(筋肉を使ったり、ずっと歩いてたり)という時にはお腹がペコペコになった後に「お肉食べたい」って思う。

この感覚というのは、肉には脂も一緒に入ってくるので、お肉というタンパク源で体を修復して、脂も使って体力の回復をしようと体が叫んでるんだと思う。

実際に、そういう時にはすごく美味しくも食べれるし、その後お腹がもたれるということもない。

34:01

ただし、タンパク質を消化するのにエネルギーが必要になるので、通常食べ終わった後には甘い果物を食べたり、またはハチミツを舐めたりと消化・代謝に対するエネルギー補給はしておいた方がもちろん良い。

34:26

要するに体内で産生するには、「体の中で異化を起こさせてアミノ酸を合成する」のか、「食事から持ってくるか」のどちらかとなる。

34:39

■疎水性アミノ酸と親水性アミノ酸

ちなみに、アミノ酸の「疎水性」か「親水性」かは化学式を見るとわかるようになってる。

*どんなグループが何なのか?

《親水性アミノ酸》

・セリン

・スレオニン

・システイン

・チロシン

・アスパラギン

・グルタミン

これらが代表的なもの。

35:26

上記の6つはバニラさんがほとんど口にしないアミノ酸のグループ。

それは何故かというと、体を電気的な作用で眺めてるので、親水性のアミノ酸はどちらかというと電気を通すためにはプラスにならないと考えてるアミノ酸。

「プラスにならない」というのは、アミノ酸を何か特別に摂取する時には通常親水性のことで起きてるトラブルが多いからである。

36:05

つまり、体の還元状態を生むのは特に上記の6つのアミノ酸が代表的で、体に悪さをしてる(変な言い方だけど)。

チャージがなくても、体内での作用に電気的にあまり作用せずに親水性である、というタンパク質はプラスαとして特別に摂る必要もないし、私たちがわざわざ外から入れることによってバランスを取る必要がないといったアミノ酸。

ただ、特に避けた方が良いというわけでもない。特に避けた方が良いアミノ酸は明らか。

アミノ酸は体の電気的作用の中で循環を同化(体を作っていく)の方に力を発揮するものを摂るのが良いのではないかと思う。

37:16

ホルモンも同じ。ホルモンでも私たちの体のバランスをとるもの。

例えば行きすぎてるホルモンがあれば、そのホルモンを逆戻りするように力を発揮するアミノ酸が良い。

ただ、アミノ酸は必ず競合するように何となくセットになっていたり、グループごとの仕事は別々で、プラスとマイナスの仕事で調整されるという役割がある。その役割のためにたくさんのアミノ酸がある。

37:53

*疎水性アミノ酸

特に疎水性のアミノ酸。つまり極性がない=電気的な作用を受けないアミノ酸は体の根幹のところでダメージを受けにくいベースとして非常に大切。

なので、小さくて極性のない、他とあまり結ばれないかもというようなアミノ酸をたくさん抱えてると、あまり影響を受けにくいような健康で頑丈な肉体を持つことができる。

特に疎水性で極性もなく、小さな分子のアミノ酸は以下。

・グリシン

・アラニン

・プロリン

の3つ。

38:40

上記の3つのアミノ酸は水素結合やイオン結合という、体の中で他の分子と手を繋ぎにくい分子の中でもとても小さいグループ。

このグループが「疎水性」のグループのアミノ酸。上記の他にもバリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニンがある。

その中でも私がオススメしたい、摂っても良いと思ってるのがグリシン、アラニン、プロリンである。

39:27

*アミノ酸のペア

また、フェニルアラニン、トリプトファンという芳香族と言われるグループ。これはセットになってる。

これらはプラスとマイナスの力を持ってる。

トリプトファンとフェニルアラニンは力を競合させる。

トリプトファン:セロトニンを作る。

フェニルアラニン:トリプトファンがセロトニンを作る力が進みすぎた時にそれをストップさせる力がある。

このようにグループでプラス・マイナスの力が必ずあるように、どこかにペアが必ずある。そのペアを知っておくことも大事。

40:13

そのペアの一つがトリプトファンとフェニルアラニン。それの競合がある。

また、他にもヒスチジンというヒスタミンに変わってしまうもの。アレルギー反応を持ってる人は特に問題になる。

ヒスチジンというアミノ酸はヒスタミン変換になると、細胞浮腫が起きたり、痒くなったり、くしゃみが出たり、鼻水が出たりする(防御反応)。

この防御反応がありすぎると苦痛になるので、ヒスタミンが出来すぎないようにアンチヒスタミンという抗ヒスタミン剤を摂ったりする。

その抗ヒスタミン剤を摂らなくて良いようにするには、ヒスチジン自体が抑えられるようなアミノ酸がそこにあるか、ヒスチジン自体を積極的に摂らないということも必要。

41:07

そのヒスチジンとペアになるのが「βアラニン」。

なので、ヒスチジンがヒスタミンに変わらないように、βアラニンがそこにいると良いということになる。

ということなので、アレルギー反応がある人はβアラニンも考えると良いと思う。

41:31

*親水性アミノ酸

親水性のグループの中には、還元のもの(アルカリ性のもの)と酸化してるもの(酸性のもの)と2種類ある。

なので、そのアルカリ性のものと酸性のもののアミノ酸はそれ2つが対になって仕事をして、“プラマイ0”を起こしてる。

特に、

・ヒスチジン

・アルギニン

・リジン

というアミノ酸は、還元でプラスチャージ。

これらはアルカリ性=還元。

この還元のチームは悪いわけではないが、ありすぎるとアレルギー反応や体の停滞やエネルギーの代謝を止めてしまうという力が増える。42:35

▽リジン

例えば、リジン。これは私もオススメしてるアミノ酸。

でも、これも還元(アルカリ性)のアミノ酸。還元なのに何故良いと思うのか?

それは、リジンは特に活性酸素の発生が多い人、またはお酒をよく飲む人、タバコをよく吸う人、大気汚染のあるところに住んでる人にあると良いもの。

43:00

例えばヒスタミンも悪いわけではない。本当は私たちの体を守るため・バランスを取るためにヒスタミンも出てるわけだけど、これはありすぎると困る。また、活性酸素もありすぎると困る。

なので、それを引っ張り戻す力としてヒスタミンほど怖くないという感じ。

リジンは体内の活性酸素と反対側の酸性の状態を少し引っ張り戻すアルカリ。これは、還元というところまで持っていくわけではなく、すでにある酸化状態をプラマイ0状態にするアルカリ。

なので、あまり悪すぎない。ただし、リジンだけをずっと摂りすぎるということはしない方が良い。

また、私が昔にコンビネーションで使ってたものにはリジンを入れてたが、あれは活性酸素が発生してるという世の中の人にある程度の量は良いかなと入れてた。

44:37

■必須アミノ酸

これは「必須脂肪酸」の認識と一緒だと思ってる。

必須アミノ酸は体内に普段はない。

これは必須脂肪酸も同じ。通常体内に置いてない。

それはイコール「足りないから、足さなきゃいけない」という発想はなしだと思う。

何故なら、体は愚かではないので、必要なものは必ず作るし、必要なものは必ず持ってるはずだから。

その持ってるはずの体が「持ってない、またはあまり抱えない」ということは、それは私たちがたくさん抱えることにより何か不利益を被るとわかってるからということに他ならない。

45:24

もちろん体は常に環境に柔軟に適応するようになってるので、適応する度に何かが必要になったり不要になったりする。

これを体はちゃんと感知して、増やしたり減らしたりするのを酵素で行ってる。代謝反応を、酵素を作って電気的作用でそれを常に繰り返し循環させてる。

これが、正しい見方だと思う。

45:53

なので、「必須」と言われてるものは体が循環するために必要であろうとも、「一般的に言われてる必須アミノ酸」というグループは全部が必要だとは私は思ってない。

46:23(崎谷先生の講義のテキストでの言葉)

“人体で作れないアミノ酸は、私たち生命体のエネルギー代謝に全てが必要なわけではない”

“多く摂取することを心がける必要もない”

つまり、外から入れなくて良い。

その中でも必須アミノ酸とされてるものは以下。

・アルギニン

・ヒスチジン

・ロイシン

・イソロイシン

・リジン

・メチオニン

・フェニルアラニン

・スレオニン

・トリプトファン

・バリン

47:10

これは、電気的作用の方(基礎医学ではなく、ツイートの「電気の中でのタンパク質」の授業の内容)を考えると、上記の必須アミノ酸と言われてる10種類のアミノ酸は、何故必須アミノ酸とされて通常体内にないのか?というのはすごくはっきりすると思う。

47:32

*特に必須アミノ酸と言われてるものがたくさんあることで問題になること

・メチオニン:甲状腺機能障害。メチオニンは大豆にたくさん入ってる。

・ヒスチジン:ストレス下(体に炎症があったり、心のストレスなど)にあるとヒスタミンになる。

・トリプトファン:セロトニンになりすぎる。

・アルギニン:NO(一酸化窒素)になる。

これらは、そういう意味では体の中の土壌の状態としては還元の方に偏ってしまうというアミノ酸のグループになる。

これはたくさんありすぎると停滞し、甲状腺機能やエネルギー代謝を落とし、戦う力や新しいものを再生する力が非常に抑制されていく。

そういうグループのアミノ酸が上記になる。これは注意が必要。

48:47

私たちの体の中で特に上記の甲状腺の問題や、体が溶かされるとか、極性が偏ることによって酸化が激しく起こり組織障害が起こるなど、そういうことを予防するために少しあると良いというアミノ酸としては『グリシン』。

あるいは『タウリン』。

49:25

真の必須アミノ酸として、もし外から摂ろうと思うのなら勧めれるアミノ酸としては以下。

・βアラニン

・ロイシン

・イソロイシン

・バリン

・タウリン

・リジン

・グリシン

・フェニルアラニン

・スレオニン

50:08

■ヘモグロビン

体内のホルモンのバランスを取るために必要なアミノ酸の中で特にヘモグロビンについて。

*貧血

貧血に関してはタンパク質が必ず必要になる。

アミノ酸組成のタンパク質で、肝機能が元気じゃないとまずいというのは、以下。

・トランスフェリン

・ラクトフェリン

・セルロプラスミン(銅タンパク)

この辺がきっちりしてないと、体の中の鉄を有効利用して酸素を運ぶことができない。

50:59

ヘムの代謝や鉄の欠乏の話は崎谷先生の「アミノ酸とエネルギー代謝」の授業を復習すること。

鉄の作用にはいかにタンパク質が必要かというのがはっきり書いてる。

これは特にメタトロンを読む上ではとても大切。

メタトロンで見ると、鉄の欠乏とトランスフェリン、ラクトフェリン、セルロプラスミン、フェリチンなどいっぱい出てくる。

そのバランスで体内が全体としてどこがまずいか、というのを見極めないといけない。

“鉄が足りない”というのを見るのではなく、鉄が運ばれるような環境があるかどうかを見ることが非常に大切。

52:10

■メチオニン

これは甲状腺機能との絡み。

私たちが一番大事なのは①甲状腺というエネルギーを作って回すところ。その組織の元気さが大事。

②そこにエネルギー代謝を起こすために酸素をきちんと届けること。

この2つはすごく大事(これだけが大切というわけではないが)。

52:44

*メチオニンとヘモグロビン

これらは銅タンパクが必要。

そして、メチオニンそのものが甲状腺機能にすごく悪影響を与える。

アミノ酸はバランスとして全部入ってる方が良いと考えがち。だけど、“オメガ3と6、9をまとめてバランスよく摂れば良い”というのと全く同じで、あなたの体には何が必要なのか、というのは実際にはみんなそれぞれ違う。

なので、少なくともストレス下の今の社会で生きていく上で、どうしても必須(これはあった方が良いというもの)なものを除いては、バランスよくたくさん、しかも抽出した加工品をプロテインのような形で摂るのは私はあまりオススメしてない。

53:57

■代謝の話

もし、アミノ酸を上手に摂取しようと思うなら、まず、アミノ酸への変換やアミノ酸が上手に必要な形のタンパクになっていくことなどの邪魔をするものを摂らないこと。

その邪魔をするものの代表選手としては「プーファ(多価不飽和脂肪酸)」。

なので、プーファがたくさんあることによって、どんなにバランスの良いアミノ酸を摂取したとしてもそれは上手くいかない。

また、プロテインの形で摂取する場合には、アミノ酸に変換していくのにエネルギー消耗がある。そうすると、糖の代謝のエネルギーとか、きちんとした私たちのエネルギー総量がそこにないとアミノ酸は上手に有効利用される形にはならない。

55:06

なので、アミノ酸のことだけを考えて体の健康を捉えるという発想を多く人は持ちがち。

だけど、糖と脂質とアミノ酸(タンパク質)の3つはバランスが上手に体内で取れてないと、どれも有効に働かないということになる。

55:38(まとめ)

アミノ酸(タンパク質)には異化と同化がある。

その異化である、エネルギーに変わっていく変換さえそこに糖の代謝がないと無理だし、同化という形で体内の組織の一部になるにしてもやはりエネルギーが必要。

つまり、どんな体の仕事もやはり糖代謝がとても大切だということ。

fin

記事URLをコピーしました