生化学16ミネラルとエネルギー代謝
エネルギー代謝とミネラル、重金属
ミネラルの基礎(周期表)、生理作用、体の極性
●概要
・周期表とミネラルの関係(電子の軌道)
・細胞内外のミネラルバランスは?
・やはり「エネルギ―代謝」がミネラルバランスの要
・「ミネラルポンプ」仮説の崩壊
・なぜ細胞内は弱酸性、血液は弱アルカリ性なのか?
・ミネラルを摂取しないと筋肉がなくなる理由
・塩はゴールドより貴重だった!
・アスリートが重曹を摂取する理由
・塩分制限の危険!
・血圧の高い人の最適な塩分摂取量は?
・昔の7-UP(炭酸飲料)が良かった理由
・なぜ塩をなめると体温が上がるのか?(塩の抗ガン作用)
・排卵・生理前に塩をなめたくなるのはなぜ?
・なぜ塩をなめるとよく眠れるのか?
・ナトリウム・パラドックス
・血圧が高いのはナトリウム過剰でなくカルシウム不足!
・牛乳を飲むとなぜ痩せるのか?
・現代医療の抗凝固剤を使用してはいけない理由
・究極の「アンチエイジング・タンパク」もミネラルに関係!
・「幽霊ポーズ」には訳がある
・カルシウム・パラドックス
・猛毒ハロゲン(フッ素、塩素など)のデトックスと乳製品
・電磁波とミネラル
・電磁波のダメージに有効な物質
・極性とミネラル
・不眠とミネラル
・酸(acid)の定義
生化学(16)ミネラルとエネルギー代謝
今回は三大栄養素の次に重要な「ミネラル」について。
ミネラルもエネルギー代謝とリンクさせて初めて役割がよく理解できるようになるもの。
今回は基礎と生理作用。ミネラルとエネルギー代謝の関係についてを詳しく見ていきます。
0:49
■押さえるべき体内のミネラル(4つ)
たくさんのミネラルが体内でも様々な作用を持ってるが、大きく4つを押さえると事足りる。(詳しくは後述)
1:16〈映像確認〉
■周期表
周期表を用いるとミネラルの性格もよく理解できるようになる。
●周期表の縦列
最も外側の軌道の電子の数が同じ
《元素の性質》
例えば周期表の一番左側の水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどといったものは最も外側の電子の数が同じ(1つ)。
このように、最も外側(最外殻)の電子の数によっておおよその元素の性質が決まってくる。
2:26
*グループ1
上記の水素、リチウム、ナトリウム、カリウムなどといったもの。
これは、「英:alkali metals(アルカライメタルズ)」という日本語では「アルカリ金属」と呼ばれるグループ。
2:38
*グループ2
その右横のベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムといったものは「アルカリ土類金属(英:alkaline earth metals)と呼ばれるグループ。
2:52
*グループ17
周期表の真ん中を飛ばしてずっと右に行くと、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などといったものは「halogen(ハロゲン)」と呼ばれる物質。
これも非常に性格(性質)が似通ってる。
3:14
このように縦列の元素は非常に性格が似ている。
3:24
*グループ1(周期表の一番左側の元素)
これは、「原子の一番外側(最外殻)に電子が1つだけある」というものの集まり。
そして、水の中では最も外側の電子を放出して一価の陽イオンになりやすい。
一つ電子があるというのは非常に不安定。
なので、電子を与えるか・もらうかになる。
・与えた場合:実は、Na+、K+、H+というような「1+」のものが外側の電子を与えた状態ということ。
4:22
・水の中でアルカリ溶液(4:23)になる:電子を与えたことによってアルカリになるということ。
なので、「アルカリ金属」という。
4:37
*グループ2(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムetc)
アルカリ土類金属と言われるもの。
これは、最外殻に2つ電子があるというもの。これも不安定。
なので、2つの電子を放出して自分自身は二価の陽イオンになる。つまり、マグネシウム2+、カルシウム2+になりやすい。
・水中でアルカリ溶液になる:2つ電子を与えて、アルカリ溶液になるのでアルカリ土類金属と呼ばれてる。
5:23
■先述(0:49〜)の押さえれば良い4つのミネラル
それは、
・マグネシウム
・カリウム
・ナトリウム
・カルシウム
この上記の4つのミネラルである。
この元素を押さえると、大体の体の仕組みが見えてくる。
5:43
●上記について最も大事な話
*私たちがリラックスしてる状態(定常の状態)
細胞内:マグネシウム、カリウムが多く存在してる。
細胞外:ナトリウム、カルシウムは細胞外に存在してる。
まず、これが非常に重要。
6:39
*私たちがストレスを与えられたり、興奮状態になった場合
この場合には、定常時の細胞内外のミネラルが逆転する。
まず、細胞外に多かったナトリウム、カルシウムが細胞内に流入してくる。そして、細胞内にあったマグネシウム、カリウムが流出していく。それにより、細胞内外が入れ替わる現象が起こる。
これが、私たちがストレスを受けた時に細胞の内外で起こってるミネラルの変化。
7:32
・細胞内へナトリウムが貯留していく
これは、直接、細胞がむくんだり、細胞分裂、細胞のガン化を引き起こす。
・細胞内のカルシウム流入
これも全く同じで、細胞浮腫、細胞の分裂・ガン化。さらには細胞を硬くする。また、アポトーシス(細胞死)を引き起こす。
これは、刺激によって一時的にナトリウム、カルシウムが細胞内に入ることがあったとしても、これを速やかに細胞外に汲みだせばまたリラックスできる。
つまり、基本は刺激(ストレス)が与えられた後、ナトリウム、カルシウムを細胞外へ汲みだせば問題ないということになる。
8:33
*その汲み出す役割をしてるものは?
細胞内外のミネラルのバランスを取ってるものとは、「エネルギー」。エネルギー代謝がミネラルのバランスを司ってる。
このような機能と構造を安定させるのに使われるのが「エネルギー」である。
ミネラルのバランスも機能の一つなので、エネルギーがあって初めてできるということになる。
9:20
*エネルギー代謝の指標で重要なもの=CO2
二酸化炭素がエネルギー代謝では非常に重要な指標になってくるが、ミネラルと関係してるのがこのCO2である。
密接にミネラルと関係してる物質=エネルギー代謝の指標の一つであるCO2。
9:50
■CO2とミネラルの関係
CO2は水の中に溶けて炭酸になる。
炭酸になり、また炭酸がCO2に変わるということは細胞内外で頻繁に行われてる。
CO2がたくさん細胞から産生される状態というのはTCA回路が回ってるということ。つまり、糖のエネルギー代謝が十分に回ってるということ。
そのミトコンドリアから放出されたCO2はプロ??(10:43)のミトコンドリアから放出される水と反応して炭酸になる。
10:51
炭酸はさらに、炭酸イオンと水素イオンにイオン化で分かれる。
*炭酸イオン:HCO3-(マイナスイオンになるということ)
実は、ナトリウムとカルシウムは両方ともプラスイオン(マグネシウム、カリウムも同じくプラスイオン)。
ナトリウム、カルシウムは炭酸イオンがたくさんできることで、この炭酸イオンの移動にしたがって細胞外に出ていく。
この時に電気的にプラス・マイナスで引き合って、炭酸イオンがナトリウムとカルシウムを細胞外に誘導していく。
これが、興奮が起こった後リラックスをするためにナトリウム、カルシウムを細胞外にもう一度戻す重要な仕組みである。
12:03〈映像確認〉
《細胞内》
HCO3-(炭酸イオン)が細胞外に出て、細胞内にはH+だけが残るという形になる。
そして、細胞の中はやや酸性に傾く(弱酸性)。この形が初期設定になってるということ。
12:28
なので、細胞内でミトコンドリアの糖のエネルギー代謝がしっかり回っていないとナトリウム、カルシウムを細胞外に汲み出すこともできなければ、細胞自体の初期設定である『弱酸性』をキープすることもできないということになる。
12:52
そして、炭酸は逆に細胞外にあるカリウムを細胞内に入れる役割もしてる。
これは、カリウムもマグネシウムもいずれもプラスイオンなので、同じくHCO3-と電気的に結合し、HCO3-の移動に伴って同じようにカリウムも細胞内に入ることができる。
ただし、細胞内のカリウム、マグネシウムはHCO3-で外に出しにくい機構がある。
13:36(CO2とミネラル、ここまでまとめ)
要するに、興奮した時に細胞の中に入ってくるナトリウム、カルシウムという大量のイオンの移動をHCO3-(二酸化炭素から形成される炭酸イオン)が外に出る時に、プラスイオンであるそのナトリウムとカルシウムを引き連れて細胞の外に汲み出してるということ。
14:07
■一般的に言われてる「ポンプ」や「チャンネル」について
このような上記の内容は教科書に載ってないし、一般健康常識でも語られたことはない話。
では、教科書はどのように説明してるのか?
それは、“細胞に膜があって、その膜にポンプやチャンネルがある。”という仮説に過ぎない話をあたかもエビデンスがあるかのように教科書に載せてる。
だけど、これはまだ一度も証明されたことがない。細胞膜そのもの自体がまだ証明されていない。
が、さらには、そこに“ポンプがたくさんある”という。→ナトリウムを汲み出したり、カルシウムを入れるポンプ、あるいはチャンネル(カルシウムチャンネル)というもの。
そういったようなポンプやチャンネル、または最近では水の通る穴(アクアポリン)が細胞膜に空いていて、そこを通して水が出入りしてるということ(幻想に過ぎない)を主張してる研究者がたくさんいる。
15:37
細胞に入る物質・・・ホルモンを含めミネラル、重金属、栄養素(糖、脂質、アミノ酸)などたくさんの元素もある。
このようなものが細胞に入る時に、いちいち○○ポンプというものを配置して、もしそれで出し入れをしてたとしたら細胞膜はポンプだらけ、あるいはチャンネルだらけになる(無数のそのような物質がもしあるとすれば)。
しかも、そのポンプ(何かを汲み上げるポンプを想像するとわかりやすい)は必ず電源を繋いで、「電気」というエネルギーを汲み出す力に変えないといけない。
ということは、私たちの細胞ももしポンプがあれば、エネルギーがそのポンプの作用には不可欠になる。
つまり、ポンプだらけの細胞膜は細胞の出し入れをするのにそれだけでかなりのエネルギーを費やしてしまうということになる。
17:18
実際に1997年の段階で想定されていた、ポンプやチャンネルといったものが働くには、私たちの細胞内でミトコンドリアが産生するエネルギー量の15倍以上もエネルギーが必要だという試算が出てる。
つまり、私たちの細胞のエネルギーを全てそのポンプだけに使ったとしても、その15倍以上のエネルギーが必要になるので物理的に無理ということになる。
なので、計算からしてもこの細胞膜にポンプやチャンネルがあると考えるのは、不可能である。
18:21
ということで、実際には“CO2がたくさんできることで単にそこからできる炭酸イオンがナトリウム、カルシウムを細胞内から汲み出して元に戻す”ということをやってるだけである。
なので、全くそこにエネルギーは介在しない。
CO2が産生されるということだけで、自動的にナトリウム、カルシウムが細胞外に汲み出されるという素晴らしい仕組みがある。
そして、汲み出されたナトリウム、カルシウムは血液中に炭酸イオン(HCO3-)と一緒に入っていく(=元に戻る)。
そして、最終的にHCO3-が肺の血管に入り、そこでCO2に変換され肺から一部排出されていく。
19:30
これが、私たちのミネラルとエネルギー代謝と呼吸の一連の仕組み。
全てこのように有機的に繋がっていて、しかもここに無駄なエネルギーが一切必要ないという素晴らしい仕組みが出来上がってる。
19:53
HCO3-→CO2になり、肺から呼気として排出される。
そのHCO3-のマイナスだけがなくなり、血液中にはまたナトリウム、カルシウムが残る。
これは、先述の周期表のところで話したアルカリ性のところ→アルカリ金属、アルカリ土類金属
この2つが残ってるので、血液はPH7.4の弱アルカリ。
ということなので、
・細胞内:弱酸性
・血液:弱アルカリ性
これが、私たちの初期設定ということになる。
20:49
■塩類腺
爬虫類、鳥類には『塩類腺』というものが存在してる。
これは、ミネラルの調整のためにこのような腺がある。必要以上の塩(ナトリウム分泌)はこのように塩類腺から放出する。
そして、この塩類腺からのナトリウム放出にはCO2が必要だということがわかってる。
それは、CO2の産生やCO2から炭酸イオンができるという反応をブロックすると、鳥類も爬虫類も塩類腺からナトリウム(塩)の分泌がストップする。
つまり、ナトリウムを細胞外に出せないという状態になる。
なので、このことから人間だけでなく鳥類や爬虫類もナトリウムなどのミネラルの調整にCO2を必要としてるということがわかる。
22:12
《健康な状態》
・細胞内:弱酸性
・血液:弱アルカリ性
ストレスがかかると上記が逆転する。
よく「酸性が悪い」、「血が酸性になる」という言い方を一般健康常識でするが、実際ストレスがかかると最も危険なのは『細胞内が弱酸性からアルカリに傾くこと』である。
なので、本当は細胞の中がアルカリ性になるというライフスタイルが一番怖い。
それはあくまでも、ストレスで細胞の中がアルカリ性になる。そして、血液(細胞外)が酸性になるということ。
結果として血液が酸性になる、ということで細胞内がアルカリ性になるということが一番怖い。
23:34
■ミネラルの健康への影響
●酸性を形成する元素:塩素、フッ素、ヨウ素、硫黄、リン、ケイ素
・塩素、フッ素、ヨウ素→ハロゲンと言われるもの(ハロゲン=毒性物質、毒性の元素)
・硫黄、リン、ケイ素→最終的に血液を酸性に傾けるもの
これは、魚類・肉類・卵・穀物に含まれる元素である。
なので、このようなものをたくさん食べすぎると血液が酸性に傾くということになる。
24:33
●アルカリ性形成元素:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム
先述の4つのミネラルである上記は血液をアルカリにする。酸を中和するのにはこのアルカリが有効。
乳製品・フルーツ・野菜が豊富にアルカリ金属を含む。つまり、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムを含む食品が乳製品・フルーツ・野菜である。
なので、やはり酸性元素の多い肉類や穀類を食べた場合は必ず乳製品やフルーツ、野菜と組み合わせないとどんどん酸血症になっていくということになる。
25:37
■アルカリ食材不足
上記の4つのミネラルは全てアルカリで、乳製品・フルーツ・野菜に含まれる。
私は野菜の摂取はあまり勧めてないが、ミネラルを含むアルカリ食材の摂取不足はどうなるか?
それは、具体的には「マッスル・ウェスティング・シンドローム」というもので、どんどん筋肉が痩せていく。
筋トレをしても筋肉が痩せていく人は、フルーツや乳製品の摂取が少ない。
26:13
●何故コルチゾール、糖質制限のような筋肉の失い方を、フルーツや乳製品の摂取不足で発生するのか?
これは、実はこのフルーツや乳製品の摂取不足でナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムといったアルカリのミネラルが減少してくる。
アルカリのミネラルは実は体内で不可避に産生される酸性物質を中和して尿から排出する、という作用を持ってる。
なので、もしこの4つのミネラルのアルカリが不足した場合は酸の中和のために使うものがある。
それが『アンモニウムイオン』。
27:22
アンモニアはどこにあるかというと、タンパク質。
タンパク質のアミノ酸にアミノ基というのがある。タンパク質が分解した時の副産物(老廃物)として最終的には尿素回路で尿素にデトックスされていく。
この一部はダイレクトにアンモニウムイオンになり、腎臓では酸を中和するのにアルカリミネラルの代わりに使用されてる。
27:58
アンモニウムイオンの化学式はNH4+。
ということで、これもアルカリ。
28:11
このように4つのミネラルが重要ということ。
4つのミネラルの主作用:体内のタンパク質の分解を減らすこと。
なので、タンパク質をキープするためにもミネラルが非常に重要な作用をしてる。
28:34
■もしも断食する場合
フルーツの摂取をしっかりすること=フルーツ断食。
あるいはハチミツやショ糖のような糖、またはミネラルが入った糖質を摂取して断食する。
このようなものを摂取しながら断食するのが、タンパク質の分解を少なくすることが可能になる。
なので、もし断食をするのならフルーツやハチミツ、ショ糖をしっかりと摂ることが大事。
29:22
■骨
最終的に筋肉もなくなると、次は骨も砕かれる。
加齢及び糖のエネルギー代謝低下により、CO2の産生が低下する。
そして、腎臓の機能も低下していく。
ということで、酸の中和もだんだんできなくなってくる。
29:47
筋肉がなくなってくるとアンモニウムイオンで酸を中和することもできない。
そうなると、いよいよ骨を砕いて中和することになる。
骨にはカルシウムというミネラルがある。さらには、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)というCO2の宝庫でもある。
なので、骨を砕いてCO2を出して酸を中和していくということになる。
ということになるので、糖のエネルギー代謝が低下した高齢者はどんどん骨粗鬆症になっていく。
30:38
骨はCO2の宝庫で、また重要なタンパク質としてコラーゲンが最重要。
コラーゲン結合タンパク質に炭酸カルシウムがついた状態が、最初の骨の形成で非常に重要になってくる。
この時にCO2は炭酸として骨にしっかり蓄えられてる。
31:14〈映像確認〉
カルシウムの骨の沈着はコラーゲンが必要。
そして、CO2とコラーゲンが非常に重要。
というのは、左の図のRNH2(一般のタンパク質の構造式)。
コラーゲンにCO2が作用することにより初めてカルシウムの2+がコラーゲンに結合することができる。
そして、これにまたCO2が電気的に引き寄せられるようにして結合していく。
このカルシウムとCO2の結合がカルシウムカーボネート(炭酸カルシウム)と言われてるもの。
これが最初に骨が形成される時の結晶?(32:18)。
32:20
炭酸カルシウムがコラーゲンにくっついたものが最初の骨の形成の場。
その後、リンが出てくる。カルシウムホスフェート(calcium phosphate)。リンがCO2に置き換わっていく。これが、ハイドロキシアパタイト(hydroxyapatite)というもの。
最終的に骨のミネラル沈着系ということになる。
いずれにしろ、コラーゲンとCO2は非常にカルシウムの沈着には大事だということ。
32:53
そして、このカルシウムカーボネート(炭酸カルシウム)は骨に沈着する時にはビタミンKが必要になる。
ビタミンKとは『クワイノン(quinone)』という物質で、これは酸化させる物質。また、電子を受け取る物質。
ミトコンドリアのエネルギー代謝を回す一つのクワイノンの形。
このビタミンKは植物性ではなく、動物性のもの。それが炭酸カルシウムの骨の沈着には必要とされる。
33:40
■CO2と骨粗鬆症
●細胞内にCO2産生が少ない
つまり、糖のエネルギー代謝が低下してる状態では乳酸がどんどん蓄積してくる。
この状態を「代謝性アシドーシス」という言い方を医学ではする。
代謝性アシドーシス:糖のエネルギー代謝が低下して乳酸がどんどん溜まって酸が蓄積してるということ。アシドーシス=酸の蓄積。
こういった場合はCO2そのものがないので、カルシウムが沈着しない。つまり、骨やコラーゲンに沈着しないということで、骨がどんどん弱っていく。
これが乳酸が蓄積する状態では骨粗鬆症になるということ。
34:34
●糖のエネルギー代謝が回る場合
これは、細胞内のCO2産生量は多い。
つまり、炭酸が体内でも豊富にできるということ。
そうすると、これがカルシウムと結合してカルシウムカーボネート(炭酸カルシウム)を形成して骨に沈着していくので、骨からカルシウムの流出を防ぐ。
これを医学では「代謝性アルカローシス」という。
代謝性アルカローシス(または呼吸性アシドーシスという)は別に体の健康を損なうような状態ではなく、むしろ骨を強くする。それが代謝性アルカローシスである。
35:28
問題なのは「代謝性アシドーシス」。
これは、乳酸が蓄積してCO2産生量が少ない。この状態が骨にとっても非常に悪い影響を与える。
35:43
■カルシウムを骨や歯などの必要な組織に沈着させるために何をすれば良いか
《ブロイラーの話》
日本の養鶏場に行くと、ブロイラーという鶏を狭いストレスフルな場所に詰め込んで卵を産ませてる。
それほど密集した場所は蒸し暑い。そのような状況では体温調整のために鶏は過呼吸になる。
過呼吸になるというのは、CO2がどんどん鶏の体から失われていくという状態になるということ。
そして、実際にブロイラーの卵は非常に殻が薄く割れやすいのが問題だった。
つまり、たくさん収穫したとしてもこれをスーパーや小売業者に運送した時にはすでにかなり割れていて、商品にならないというのがブロイラー業者の頭を悩ませていた。
しかし、ある時鶏に炭酸水を与えると、このブロイラーの卵の殻は厚くなり強度が増した。それにより、今でも炭酸水を与えてる。
37:26
これは何故か?
炭酸水とはCO2が含まれてる。
この炭酸は体内ではCO2に戻ったり炭酸イオンになったりする。
そうすると、炭酸イオンから形成されたCO2が骨や歯、鶏においては卵の殻にカルシウムが炭酸カルシウムとして沈着するために強度が増す。
ということは、私たちももし乳製品をしっかりまだ摂取できていない、あるいは糖のエネルギー代謝が低くてCO2産生量が十分じゃないという状況で骨をどうしても強くしたいという場合は、重曹を摂取することがブロイラーの卵の殻と同じように有効になるということ。
38:26
あるいは、「バッグ呼吸」。
これは、過呼吸症候群という過呼吸になり痙攣や意識障害で運ばれてくる人たちに対しての治療だが、バッグで呼吸させるもの。
バッグに自分が吐いた呼気に含まれるCO2をまた吸い込むことになる。そうすると、CO2濃度が徐々に上がってきて脳の興奮も抑えられるし、またカルシウムを骨に持っていくことができる。
もちろん、私はガンの人にもバッグ呼吸はオススメしてる。
CO2は非常に私たちの細胞を安定化させる重要な作用があるミラクルホルモン(崎谷先生が呼んでるやつ)である。
39:30
■大理石骨病(オステオペトローシス/osteopetrosis)
これは珍しい病気で、骨が非常に丈夫になる。レントゲンで見ても、骨の白い濃度が非常に濃く映る。大理石骨病は大理石のように骨が強くなる。
このような一連の状態のことを大理石骨病という。
40:01
一体何故このようなことが起こるのか?
これは、「炭酸脱水素酵素(Carbonic anhydrase)」というCO2を炭酸に変えるという酵素が欠損してる状態。
そうすると、細胞内で CO2がどんどん増えてくる。それにより、CO2が炭酸カルシウムと結合する。そして、骨にカルシウムをしっかり沈着させる(骨のコラーゲンに沈着させる)。
ということで骨がどんどん丈夫になっていく。
この状態を見てもわかるが、骨を強くするのは『CO2』である。
41:00
■過呼吸による筋肉の痙攣
また、過呼吸で筋肉だけでなく、脳の細胞も痙攣を起こすので意識障害やてんかんが起こる場合もある。
しかし、大抵はその前に筋肉が痙攣して引きつるという状態で救急に運ばれてくることが多い。
何故、過呼吸でこの筋肉の痙攣を起こすのか?
41:33
細胞内のフリーのカルシウムは筋肉を収縮させる作用がある。
それは、カルシウム流入はナトリウム流入と同じで細胞が刺激を受けたり興奮状態の時には細胞内にカルシウムやナトリウムが流入してくる。
そして、フリーのカルシウムは細胞を興奮させる。これが筋肉細胞においては筋肉が持続的に収縮するということになる。
普通は収縮したらリラックスするので、収縮とリラックスが繰り返されてるが、持続的に収縮する状態というのはいわゆる痙攣や引きつけと言われる状態。
42:37
CO2があった場合、フリーのカルシウムはCO2と結合する。あるいはCO2は炭酸になった場合、細胞内のフリーのカルシウムを電気的に引きつけて細胞外に汲み出すことができる。
つまり、CO2があれば細胞内フリーのカルシウムを減少することができるということ。
ということは、筋肉がリラックスする状態はカルシウムが然るべきところへ行くので、カルシウムカーボネート(炭酸カルシウム)になり骨や歯に向かう。
つまり、筋肉がリラックスした状態というのは骨が強い状態。
なので、筋肉が硬い状態は逆に骨がどんどん弱くなる状態である。
43:40
優れたアスリートを見ると非常に筋肉がリラックスしてる。しかし、骨は非常に丈夫。
このような状態が糖のエネルギー代謝が回ってるという一つの指標にもなる。
43:59
●カルシウム過剰(腸の場合)
カルシウムが細胞の中に過剰に入り刺激をするというのが、筋肉の痙攣・引きつけや脳の意識障害、てんかん。
これが、腸の細胞で起こることで起こるのが便秘。
カルシウム過剰で、腸の細胞・平滑筋(腸の蠕動運動させる筋肉)が持続的に収縮して蠕動しなくなる。縮んだままということ。
それにより便秘や腹痛が起こる。
44:41
このように細胞内に必要以上の過剰のカルシウムを流入させる。
あるいは、カルシウムが然るべきところへ行かない「異所性沈着」。これは特に血管や器官の脳や腎臓などの普通は沈着しないような場所(歯や骨以外の場所)にカルシウムが沈着してしまうというもの。これが異所性沈着。
これを引き起こすのがエストロゲン、酸素欠乏(低酸素)、ラジエーション(放射線)、シアン化合物。これらが、カルシウムを細胞内に過剰に流入させて、細胞を興奮状態にしてしまうということになる。
なのでエストロゲン、放射線、低酸素はシックネスサブスタンス(病気の場を作る物質)としてあらゆる慢性病、ガンに関与してる。
これはミネラルのバランスをも崩してしまうということで悪影響を引き起こす。
46:22
■亡くなった後の死後硬直
死体は非常に筋肉が固まる。リラックスさせようとしても固まったままで、筋肉が収縮してるところはそのままの形で硬くなりほぐすことができない。
これも同じで、死亡するような時はカルシウムが細胞の中に大量に流入した状態のままで回復しない状態で亡くなる。
なので、この時にエネルギーを足してあげる。カルシウムを細胞内(この場合は筋肉細胞)から外へ出すということをしてあげると、リラックスして死後でも柔らかくなるということが知られてる。
47:34
CO2はこのように細胞の興奮を止めてしまう。
筋肉細胞でいうと、収縮して興奮した細胞をリラックスさせるという作用がある。
なので、CO2が実際の血管拡張である。つまり、血管を広げて、そこに血流をたくさん通すヘルスネスサブスタンス。血管を広げる本当の物質が実はCO2ということ。
そして、このCO2の血管拡張や細胞のリラックス効果は細胞でフリーのカルシウムを減らす作用。これは、血管拡張や細胞の過剰な興奮を止めるというCO2のミラクルな作用。
なので、CO2とミネラル(カルシウムあるいはナトリウム)は関係が非常に大事だということ。
48:39
高血圧と呼ばれる病気はすぐに多くの人が「塩分」と言うようにナトリウムと関係してると考えがちになるかもしれない。
でも、実際は問題はカルシウム。
カルシウムが非常に多く、血管の筋肉が収縮することで血圧が上がってくる。
49:08
では、何故細胞内にカルシウムが入り込んで筋肉を収縮させるか?というのは、カルシウムの摂取量不足や糖のエネルギー代謝不足というものが関係してる。
49:29
■ハロゲンのデトックス効果のある食べ物
カルシウム(アルカリ)を豊富に含む乳製品の効用として、非常に重要なのが塩素やフッ素と呼ばれるハロゲン。
ハロゲンは甲状腺の発ガン物質として有名なもの。
これは、水道水や農薬、日用生活品に広く使用されていて、私たちが最も暴露してる環境汚染物質の一つ。
50:12
このハロゲンのデトックスには乳製品が良い。
何故か?→乳製品に含まれるカルシウムはCa2+でプラスイオン。ハロゲンは塩素もフッ素もマイナスチャージ。
なので、カルシウムあるいはマグネシウムといったものを豊富に含む食品(フルーツ)を摂取することにより塩素とフッ素がカルシウムやマグネシウムと結合して尿または肝臓でデトックスされる。
なので、どうしても塩素やフッ素は現代社会では暴露されることは不可避になるので、そういう点でもカルシウムやマグネシウムを豊富に含む乳製品やフルーツをたくさん意識的に摂取することが大事になってくる。
51:15
■電磁波とミネラル
これも非常に密接な関係がある。
携帯、Wi-Fiから放たれる電磁波はどういう作用を持つのか?
というと、これは細胞内にカルシウムを流入させる作用がある。
“カルシウムチャンネルをオープンする”と言われてる。
そうすると、極性がなくなる(=脱分極と生理学では言われる)。
通常は、細胞の内外にプラスマイナスの極性がある。カルシウムがたくさん中に入ることで、外も中もプラスになってしまって極性がなくなる。こういうものを分極がなくなるということで、「脱分極」という。
これは、興奮してる細胞は全部極性がなくなる。
ちなみに、ガン細胞も極性がなくなってるのが特徴である。
細胞内にカルシウムが流入する電磁波の作用の一番大きな特徴がここ。
52:24
次に一酸化窒素が産生される。
これにより、糖のエネルギー代謝はミトコンドリアのコンプレックスⅣ、あるいはPDH(ピルビン酸脱水素酵素)といったところがNO(一酸化窒素)で障害されるので、完全に糖のエネルギー代謝がブロックされる。
なので、Wi-Fiや携帯はガン、慢性病の発生一直線である。これが、私たちに及ぼす電磁波の本当の作用。
だから携帯やWi-Fiは気をつけないと、食べ物のプーファだけでなく私たちの健康を損なう重要な環境汚染物質になってるということ。
53:16
●電磁波のダメージに有効なもの
電磁波によってカルシウムが過剰に流入するのをブロックする物質が非常に有効。
それが以下。
・プロゲステロン
・ニコチン
・マグネシウム
・セレニウム
・亜鉛
これらはカルシウムの流入をブロックする作用がある。
なので、これらの物質を意識して摂取することも電磁波のダメージには非常に有効。
53:51
・Wi-Fiの電源を必要時以外は切る
・携帯のスイッチをオフにする
・フライトモードにする
などを普段から心がけておくことは言うまでもない。
54:08
■極性とミネラル
細胞内にナトリウム、カルシウムが流入することにより細胞が過剰に興奮する。
過剰に興奮した状態では極性は無くなってる。細胞の内外でプラス・マイナスがなくなり、脱分極する。
この状態では糖のエネルギー代謝は当然低下する。
というのは、糖のエネルギー代謝は電子の流れ。電子がフローするということは極性があるということ。その極性がなくなるので、糖のエネルギー代謝は低下してくる。
54:54
そして、細胞の電気ポテンシャルが低下する。
これは、次の刺激に対して準備ができないという状態。
そうすると、細胞の分化という細胞が成長したり機能を持つことができなくなり、細胞は分裂していくしかなくなる。それがガンの状態。
55:25
■不眠とミネラル
これも関係してる。
細胞内にナトリウム、カルシウムの流入によって過剰に興奮する。
この状態では糖のエネルギー代謝によって脳神経細胞がリラックスできない。
脳神経細胞がリラックスできないような過剰に興奮してる状態では入眠するのにも時間がかかる。あるいは熟睡、深い眠りができない、ということが起こる。
55:58
熟睡とは神経細胞、あるいは全身の他の細胞がリラックスしてエネルギーを十分溜めてる状態。特にジェル状になってる。
リラックスすることで、その時に糖のエネルギー代謝を回復して十分エネルギーを溜めて、次の刺激に対して準備する。これが、私たちの興奮とリラックスのサイクル。
この細胞の興奮とリラックスのサイクルが、日常生活においても日中の活動と睡眠と全く同じだと言える。
なので、私たちが熟睡することで初めて日中の色んな刺激に対する準備(エネルギーをしっかり蓄える)をするという意味で睡眠は必要。
57:10
その睡眠を妨げるのがナトリウム、カルシウムの流入による細胞の過剰興奮。これが、直接的に不眠の原因になってる。
57:25
■酸の定義
これは、ツイートでは非常に重要な概念になってくる。
今回ミネラルと関連させて「酸」の話が出てきたので、思考が混乱しないように“酸とは何か”の定義についてを。
57:57
酸の定義とは「ルイス酸」(57:59)と呼ばれるものが実際の酸。その本体は、電子を受け取る作用があるものを本当のルイス酸という。
電子を受け取るものを「電子受容体(エレクトロン・アクセプタ/ electron acceptor)」という。
これは、ミトコンドリアでどんどん電子が流れていくが、その余分な電子を引き受けてくれたり、あるいは電子を受け取ることで電子の流れをスムーズにしてくれるというもので、糖のエネルギー代謝には欠かせないもの。
これをルイス酸という。
58:45
●ルイス酸には具体的にはどのような物質が含まれるか
・CO2
・グリシン
・クワイノン
・ビタミンK
・テトラサイクリン
・エモジン
・シアミン?(59:02)
・タウリン
・アスピリン
・ナイアシンアミド
・マグネシウム
・ナトリウム
・リチウム
・セレニウム
59:12
上記の中のマグネシウム、ナトリウム、リチウムは周期表を見るとアルカリ金属に分類されてる。あの言い方だと酸と逆になってしまうが、実は電子というレベルで見ると酸に当たる。ルイス酸という電子を引き受ける物質になる。
マグネシウム、ナトリウムは電子を与えて陽イオンになる。なのでアルカリだという言い方をされてきたが、実はマグネシウム、ナトリウムは電子を受け取ることができるミネラルである。
なので、電子のフローを促進するということで、塩を舐めるとエネルギー代謝が上がるというのが、ナトリウム、マグネシウムといったものがエレクトロンアクセプタという電子を受容するから。
1:00:19
上記のことを頭に入れると、「酸、アルカリ」という言い方はあまり好ましくなく、本当は「電子を受けてるのか、電子を与えるのか」という視点だけで生命現象を捉えると混乱が防げるはず。
1:00:44
今回はミネラルとエネルギー代謝の重要な話でした。
CO2がいかに私たちの生命の鍵を握ってるのかを、ミネラルの関係で伝えました。
fin
