生化学(35)ヘルシネスホルモン
生化学(35)ヘルシネスホルモン
今回は『エネルギー代謝とヘルシネスホルモン』。健康の場を作るホルモンの続編。
主にプロゲステロン、プレグネノロン、DHEAと呼ばれる、崎谷先生が「保護ホルモン」と名付けてるホルモンについて。また、エネルギー代謝との関連を詳しく。重要な内容。
0:35
私が保護ホルモンと呼んでるものは基本的にはミトコンドリアが活性化されるもの。
“ミトコンドリアが活性化される”というのは具体的には、糖のエネルギー代謝を回す作用があるということ。
つまり、私がミラクルホルモンと呼んでるCO2、あるいはエネルギー源(細胞の機能と構造を作るエネルギー)を作り出す、それに保護ホルモンは寄与する。
1:15
砂糖(糖質)はコレステロールを増やす。このコレステロールが糖に次いで高い抗ストレス作用を持ってる。(ハチミツの講義などで伝えてる内容)
コレステロールの強い抗ストレス作用というのは、コレステロールから保護ホルモンが作られることによるもの。
1:49〈映像確認〉
非常に重要な図がある。
ステロイド新生:保護ステロイドを作る形
LDLコレステロールがまず糖から作られる。
そして、ビタミンA、ビタミンB3の酸化型であるナイアシンアミド、そしてもっと重要な甲状腺ホルモン、この3つの作用でLDLコレステロールがミトコンドリアの中で変わるものが「プレグネノロン(脂溶性のホルモン)」。
そして、プレグネノロンからプロゲステロン、DHEAに変わっていく。
2:42
ミトコンドリアの中では糖と酸素からCO2とATPを作る。これにはTCA回路と電子伝達系の経路があるが、この時にも甲状腺ホルモンは作用する。
したがって、
・LDLコレステロールから保護ホルモンを作る時。
・糖から引き抜いた電子が酸素を受け渡すという営みをしながらCO2とATPを出す。
このどちらにも甲状腺ホルモンが必要だということ。
なので、「糖のエネルギー代謝」と私がいつも呼んでるものはほぼ甲状腺ホルモン・甲状腺機能と比例してる。
3:31
そして、プーファ(多価不飽和脂肪酸)が何故最も強いシックネスフィールド(病気の場)を作る物質なのか。
というと、それは甲状腺ホルモンをブロックするからである。
さらに、ビタミンAもプーファによって作用がブロックされる。
したがって、プーファの存在があることでLDLコレステロールからミトコンドリアの中で保護ホルモンができなくなる。このことにより、コレステロールの血液中の値が上昇する。
なので、「コレステロールが高い」というのは、それ自体が悪いというわけではなく、これが保護ホルモンに変換されていない=甲状腺機能障害あるいはビタミンA不足を表してるということになる。
4:38
■保護ホルモン
*プレグネノロン(最初の保護ホルモン)
代謝産物が「アロプレグネノロン(アロプレグナノロン?4:44)」とあるが、アロプレグネノロンそのものはプロゲステロンから作られる。
プロゲステロンもプレグネノロンなので、アロプレグネノロンも代謝産物と言える。
5:00
*プレグネノロンの作用
胆汁酸受容体を刺激して、甲状腺ホルモンを活性化させる。
具体的には、T4という不活性型の甲状腺ホルモンを活性型のT3に変える。この変換は8割方肝臓で行われるが、T4→T3という活性型の甲状腺ホルモンに変換するのに、プレグネノロンは一役買ってるということ。
5:33
*プロゲステロン
甲状腺の機能を高める。あるいは組織自体の成長を高めるということが報告されてる。
5:44
*DHEA
プレグネノロンと全く同じく、甲状腺ホルモンの活性化作用や、不活性型T4→活性型T3に変換する時にもDHEAが寄与してる。
6:01(保護ホルモン要約)
つまり、保護ホルモンは甲状腺ホルモンの機能を高めることにより、ミトコンドリアでの糖のエネルギー代謝を活性化するという物質である。
6:20
■プレグネノロンの具体的な作用
*エンドトキシンのブロック
プレグネノロンで重要なのは、エンドトキシンをブロックしてくれること。
エンドトキシン:腸の内毒素と呼ばれる強い炎症を引き起こすバクテリアの細胞壁の成分。
エンドトキシンは全ての慢性病の半分くらいを占める炎症を引き起こす重要な因子になってる。
6:57
*抗炎症作用
プレグネノロンはその他にも抗炎症作用を持つ。それにより、ミトコンドリアの機能を上げる。
7:05
*抗エストロゲン作用
これは保護ホルモン全ての特徴であるが、抗エストロゲン作用がある。
なので、特に乳ガン、子宮ガン、卵巣ガンといったエストロゲン・ドミナンス(エストロゲン優位)で引き起こされるガンなどには非常に有効。
7:27
*脳神経細胞障害に有効
また、脳神経細胞障害に非常に有用である、という報告もある。
なので、てんかんや学習障害、運動機能障害といった高次脳機能障害に対してもプレグネノロンは非常に有効。
それなのに、私たちの体内で産生されてる抗ストレスホルモンであるプレグネノロンが医療現場で使用されてないのかが不思議である。
8:09
*統合失調症に有効
これは、骨粗鬆症というエストロゲン・ドミナンスによって引き起こされる骨が脆くなる骨格の問題に対してもプレグネノロンは非常に有効。
8:35
*抗麻酔作用
プレグネノロンは、麻酔に対して抗麻酔作用がある。
意識を促進すると言われてる。
細胞にマイクロチューブル(微小管)というタンパク質がある。これは、電磁波や外からの信号に対して物理的に振動を起こすところ。
この微小管の振動でも特に脳の神経細胞の中の微小管の振動によって意識が変化するということがわかってる。
そして、細胞の微小管の共振・共鳴(振動)を安定化させる作用がプレグネノロンにあるため、意識を回復あるいは意識を保てるという状態、または頭が冴えてるという状態になる。
これも、プレグネノロンという保護ホルモンがもたらす作用である。
10:00
■プロゲステロン
プロゲステロンは、元々プロ+ゲステーション。ゲステーションとは妊娠という意味。なので、「妊娠の状態を促進する」。アンチではなくプロ。促進するという意味でプロゲステロン。
なので、日本語ではプロゲステロンは「妊娠維持ホルモン」とも呼ばれてる。
ということで、受精、妊娠には不可欠なもの。
ほとんどの流産、早期の胎盤剥離、奇形、出生時異常といったものはプロゲステロンの欠如が原因で引き起こされる。
10:55
プロゲステロンもプレグネノロンと同じく抗エストロゲン作用を持ってる。
3つの保護ホルモンの中でも最もエストロゲンをブロックする作用が強いのがプロゲステロンである。
11:15
■プロゲステロンの具体的な作用
*子宮の内膜、上皮、間質の再生
つまり、受精卵が着床するのに安心安全の場を与えるのがプロゲステロン。
*受精卵に酸素を与える作用
受精卵が着床すると酸素を与えてストレスから守る作用。
*流産を防ぐ役割を持つ
エストロゲンはその逆で、受精卵から酸素を奪う力を持ってる。
*抗炎症作用
甲状腺機能を亢進することで、ミトコンドリアの機能をUPさせる。
*脳細胞をストレスから守る
プレグネノロンと同じく、てんかんや脳の疾患に非常に有効。
*リポリシスの抑制
プロゲステロンはリポリシスを抑える重要な物質でもある。
*アロマテースをブロックし、強い抗エストロゲン作用を持つ
これは必ず押さえておくこと。
12:36
*抗ストレス作用
これも非常に強い。
・コルチゾールの受容体をブロック。
・ストレス系のHPA系(視床下部・脳下垂体・副腎系)の脳下垂体から出てくる副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の合成を低下させる。
つまり、ストレスがダイレクトに軽減する作用を持ってる。
*タンパク同化作用
これも非常に強い。
テストステロンが筋トレの世界ではサプリになって使われてる。これは最も強いタンパク同化作用を持ってるホルモンだけど、プロゲステロンはそのテストステロンと同等のタンパク同化作用を持ってる。
13:36
*ビタミンDは非常にプロゲステロンと似た作用をする
ビタミンDとプロゲステロンの相乗効果も伝えられてる。
なので、例えば感染症の状態にもプロゲステロンという保護ホルモンは非常に有用だと言える。
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*「極性を作る」という非常に重要な役割を行う
一般に極性はプラスとマイナス=「分極」という。
リラックスした状態の細胞内は必ず分極してる状態。つまり、プラスとマイナスが分かれてる状態でリラックス状態になってる。
ところが、興奮や過剰な刺激を与えられるとプラスとマイナスの遊離がなくなり、プラス・マイナスがほとんどなくなってしまう。
これを「脱分極」というが、この状態が続くとガン化していくことがわかってる。
これを、再びまたリラックス状態に戻すにはプラスとマイナスに戻す=分極させるためにはエネルギーが必要。
これは、プロゲステロンを与えると即座に極性を作ることができる。
15:15
▽カエルの四肢切断再生にも極性が必要
四肢切断された部分は脱分極が起こってるので、これがまたちゃんとプラスとマイナスに別れない限りは新しい組織が生えてこない。
これを、実際に電気的にカエルの四肢を切断して分極させる=プラスとマイナスに戻すとカエルの四肢は再生が早くなることが知られてる。
そして、電気を与えなくても、プロゲステロンを与えるだけで同じくプラスとマイナスというリラックスした状態に戻せる、ということが最新の研究で明らかになってる。
16:05
つまり、組織の再生や幹細胞から失われた組織を再生していくという生命場においてもプロゲステロンは非常に有効だということ。
iPSなどの幹細胞治療が次の医学への進歩だと言われてたが今は挫折してる状態。
これは、幹細胞を遺伝子でいじって組織に戻したところでしっかりした組織になるはずがない。
なぜなら、このプロゲステロンのようにちゃんと極性を作って誘導するような環境がなければ、いずれ埋め込んだ細胞は脱落していくかガン化していくだけに終わるから。
このことを全くわかっていないので、私は山中教授のiPS細胞のノーベル賞受賞を評価していない。
17:22
■アロプレグネノロン
アロプレグネノロンというのがあるが、これはプロゲステロンが代謝されて脳内で作られる重要な物質。
アロプレグネノロンは脳細胞をリラックスさせるGABAと言われる受容体を通して脳の興奮を抑える(脳の神経細胞内に入るカルシウムをブロックする)ことで、てんかんや脳腫瘍といった様々な脳の機能障害に対しても非常に有効。
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そして、強いアンチセロトニンをブロックする作用がアロプレグネノロンにある。
↓
SSRI:鬱病で使用されるセロトニンを脳内に増やす、と表面上は言われてる化学物質の総称。SSRI=薬剤。
このSSRIという薬が鬱病に対して処方されてる。
実は、このセロトニンを増やすと自殺や他殺、不安、落ち着きのなさが増えてくるはずだけど、このSSRIを入れるとしばらくは調子が良い人がいてる。
それの理由としては、製薬会社が「セロトニンを上げる」と言ってるが、実際にSSRIの作用は短期間ではアロプレグネノロンを高めることがわかってる。
なので、SSRIを投与した中のいくつかの症例の中では著明に鬱病が改善する例がある。これはあくまでもアロプレグネノロンがUPしてるからということになる。
しかし、これを長時間使うとセロトニンの害悪が出てくる。そんな薬がSSRI。この薬を長期間使うといずれスクールシューティングが起こったり、自殺が増えてくる。
また、PMSの症状に有効だとSSRIが言われてるのは実はアロプレグネノロンが増えるからだということ。
20:16
■プロゲステロンの上昇と季節
ミンクは冬に交尾をしても、春分まで受精卵を子宮に着床させない。つまり、受精卵を子宮で着床させず卵管で持ってるということになる。
これは何故そんなことをするのか?何故春になると、ようやく受精卵を子宮に着床させるのか?
というと、春分からプロゲステロンがミンクに上昇していくから。
これは、一般的に北半球で見ると、太陽の日光の照射時間が高まってくる春くらいから人間でもプロゲステロンが上昇してくる。
なので、例えば手術。手術の成績についても春の方が予後が良いと言われてる。それは、春〜夏にプロゲステロンが上昇し、エストロゲンが多少抑えられるから、ということである。
21:21
■現代医学とプロゲステロン
それなのに、世間・一般常識(ポップカルチャーと崎谷先生が揶揄して呼んでるもの)、現代医学でさえもプロゲステロンを悪者にしてる。
それは何故なのか?これほど妊娠を維持させたり、ミトコンドリアを活性化させたり、組織を再生させる非常に重要なホルモンであるにも関わらず未だにプロゲステロンを悪者にしてる。
21:57
《現代医学がプロゲステロンを貶めるためにやったこと》
・合成プロゲステロンを臨床試験で使ってる。
ポイントは“合成プロゲステロン”。私たちが副腎または各組織で作るLDLコレステロールから甲状腺ホルモン、ビタミンAなどの作用によって作る体内のプロゲステロンをバイオアイデンティカルというが、こういった「バイオアイデンティカルのプロゲステロン」ではなく、「合成プロゲステロン」を使ってるということにまず気づかないといけない。
つまり、病院で処方されるプロゲステロンの錠剤は私たちの体内で作るプロゲステロンとは似ても似つかない物質だということ。
22:55
「プロゲスチン」という名前のついたこの医薬品は、実際にはプロゲステロン作用は非常に小さいもの。作用としては、一部アンドロステロンの作用があるが、ほとんどがコルチゾール作用。
しかも、この薬を入れると正常のプロゲステロンの体内合成をブロックする。
そのため合成プロゲステロン=医薬品のプロゲスチンを入れると起こることが以下。
▽長期には発ガン。
▽コルチゾール上昇によりクッシング症候群が起こる。
・高血圧
・中心性肥満(お腹の脂肪)をきたす
・動脈硬化・・・いわゆるメタボリックシンドローム
このような代謝異常を起こすような病気を引き起こすということがわかってる。
24:05
これを持ってプロゲステロンが危険だと言ってる。
おそらく医者レベルではこういったことはわかってないと思うけど、製薬業界の中ではこれを意図的にやってるということしか考えられないという結論になる。
しかも、この医薬品のプロゲスチンは臨床実験や動物実験ではプーファに混ぜてる。特に大豆油(オメガ6)に混ぜて使用してる。
ということは、つまりこれは大豆油の影響を見てる可能性があるということになる。
25:02
■アルコール摂取が何故いけないのか
慢性アルコール摂取はプロゲステロンの産生を下げてしまう。そして、プロスタグランジン(プーファから誘導されるエイコサノイド)の産生量を上げてしまう。
なので、プロゲステロンが減るという観点からもアルコールの常飲はあまり勧めない。
25:42
■多胎妊娠の原因
双子や三つ子などの多胎妊娠は実際は人工授精の場合に非常に多いということが知られてる。
人工授精には非常に強いエストロゲン作用をもたらすような物質、あるいはプロゲステロンの作用をブロックするような医薬品を使って人工授精を行ってる。
そのため、低プロゲステロンが起こる。そして、高エストロゲン、プロスタグランジンが原因で多胎妊娠が起こってる。
つまり、多胎妊娠で複数の赤ちゃんが生まれてしまうというのは、実際は母体にかなりストレスがかかってるか、人工授精を行ってるかという場合に起こる。
26:47
■月経困難症(dysmenorrhea)、生理痛
これにも、プロゲステロンが非常に関与してる。
月経困難症で非常に重い生理痛があるというのは、医学では第一次月経困難症(primary dysmenorrhea)と言って、直接月経困難症を引き起こすものとしてはプーファから誘導されるエイコサノイドのプロスタグランジンが原因だと昔から言われてる。
27:30
もうひとつ、直接ではなく他の原因から生理痛(月経困難症)が起こるものとしては子宮内膜症という病態。
子宮内膜症とは、過剰なエストロゲンにより子宮内膜が必要以上に増殖した状態。
この状態では生理の度に増殖した内膜が剥がれ落ちるため、出血も大量に起き、腹痛もかなり強くなる。
28:09(ちなみに)
*プロゲステロンは痛みを軽減させる
生理痛に限らず痛みの原因になるエイコサノイドというプーファの誘導物質「プロスタグランジンE」、または「プロスタグランジンF2α」といったものは、プーファ、エストロゲン、アドレナリン、外傷、ストレスでUPする。
このようなストレス作用によって痛み物質がかなり出てくるということ。
この痛み(エイコサノイド)を抑えるのが、実はプロゲステロンである。
プロゲステロンは逆に痛みの原因であるエイコサノイドを低下させ、痛みの軽減にも非常に有効だと言える。
28:56
■生理不順
これもプロゲステロンとエストロゲンの関わり合いが非常に深い。
大豆、ピル、環境ホルモンの常時暴露で生理不順になる。それは、これらいずれも強いエストロゲン作用を持ってるからである。
正常の生理あるいは生殖機能と呼ばれるものは、定期的に視床下部(脳の自律神経のセンター(別名:ホルモンのセンター))から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が出て脳下垂体を刺激し、そこから黄体化ホルモン(LH)、卵胞形成刺激ホルモン(FSH)が定期的に出ることで卵巣が成熟して排卵が起こる。
これが通常の生理である。
30:09
しかし、ここにプロラクチン、あるいはエストロゲンという物質が作用した場合。
・プロラクチン
まず、プロラクチンは乳汁分泌ホルモンというホルモン。これは、非常に強いストレスホルモン(脳下垂体ホルモンの講義にて)。
このプロラクチンが作用するのは視床下部のところ。これにより律動的な性腺刺激ホルモン放出ホルモン、黄体化ホルモン・卵胞形成刺激ホルモン、卵巣という女性の正常な月経周期を止めてしまう。
30:53
・エストロゲン
そして、エストロゲンそのものは脳下垂体から出てくる黄体化ホルモン・卵胞刺激ホルモンをブロックし、卵巣の刺激、卵巣の排卵などを抑えてしまう。
なので、ピルを飲んでると卵巣の排卵がおかしくなり妊娠しなくなる。これがピルの作用。
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また、授乳中の女性に生理が来ないというもの。
これは、授乳中にはプロラクチンという乳汁分泌ホルモンが出ることで正常の生理、生殖機能がブロックされるからである。
31:43
■医療介入で知っておくこと
・ステロイドの使用
アトピーや喘息、また関節リウマチ、IgA腎症などの自己免疫疾患で慢性的にダラダラ使用される薬の一つとしてステロイドがある。
コルチゾール(糖質コルチコイドと呼ばれる)の投与によって、性腺ホルモンが抑制されるが、この時にも生理は不順になる。
コルチゾールに対しては甲状腺ホルモン。甲状腺ホルモンは逆に性腺機能低下を改善する。そのため、コルチゾールと甲状腺ホルモンはシーソー関係になってる。
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■PMS
PMS(premenstrual syndrome/月経前症候群)もプロゲステロン、エストロゲンの比が問題になってくる。
具体的な症状が以下。
・腹部膨満感
・腹痛
・背部痛
・出血過多
・胸の圧痛
・アクネ(吹き出物)
・情緒不安定
・頭痛
・むくみ
33:28〈映像確認〉
生理の図(図示)
排卵(ovulation)
月経(menstruation)
教科書や一般のポップカルチャーで掲示されてる図がある。
オレンジ)エストロゲン
緑)プロゲステロン
一般的に排卵の直前にエストロゲンが高くなり、排卵後はエストロゲンがまた下がってくる。徐々に下がり、最後の受精をしない時には月経になるが、月経時にはまたエストロゲンが上がる。
一方のプロゲステロンはずっと低位にあり、排卵後に上がるという図が一般的。しかし、これは大きな間違い。
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実際は、プロゲステロンはエストロゲンよりも高い状態であるのが、ヘルシネスフィールドという糖の代謝が回ってる人のホルモンバランスである。
そして、排卵後にはエストロゲンが落ちるが、排卵の直前のみエストロゲンがプロゲステロンよりも高くなり、月経直前にまたプロゲステロンよりもエストロゲンが高くなる。
つまり、排卵と月経の時以外はプロゲステロンが常時エストロゲンよりも高いプロゲステロン・ドミナンスであるのがヘルシネスフィールドの場の状態。
なので、実際排卵の後、プロゲステロン値が十分に高いとPMSの症状は起こらない。
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ということで、図からして、一般に医学の教科書や一般健康常識(ポップカルチャー)でネットに貼ってる情報はほとんど間違ってるということ。
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■甲状腺と婦人科系
「The third ovary(3番目の卵巣)」という言い方をするが、この甲状腺ホルモンというものは、実際に甲状腺機能が低下するとエストロゲンが上昇する。
エストロゲンが上昇すると、プロゲステロンとの作用の兼ね合いによりエストロゲン・ドミナンスになることで様々な婦人科系の疾患が起こる。
その原因として、直接プロゲステロンの産生が落ちること以外にも、甲状腺の機能が落ちることもエストロゲン・ドミナンスの状態を引き起こし、生理不順や不妊、月経痛、月経前症候群といった様々な婦人科系のトラブルも引き起こす。
なので、甲状腺は「3番目の卵巣」と呼ばれるくらい非常に重要な組織である。
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■カロテン
甲状腺機能が低下すると、最初の図のようにプロゲステロンが欠乏してくる。
甲状腺機能低下により、植物から摂取したカロテンからビタミンAの変換も低下していく。
すると、「カロテン血症」という、顔が黄色くなり皮膚が黄色くなる。
カロテンは不飽和結合が非常に多いためにプーファと同じような害をもたらすことがわかってる。
通常、エネルギー代謝が回っていれば、カロテンはビタミンAに変換され活性物質となり、私たちの体内で感染症予防や保護ホルモンを作るビタミンAの作用になる。
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しかし、甲状腺機能低下の状態の場合はカロテンばかりが溜まり、逆にシックネスフィールドを作ってしまうということになる。
なので、特に今エネルギーがない、糖のエネルギー代謝がイマイチという人はサプリやカロテンを摂らないこと。
ビタミンAを摂取するなら植物や果物からカロテンを摂るのではなく、ダイレクトにビタミンAが入ってる「動物性食品」を選ぶこと。特に、卵、レバー(週1くらいでOK)、そして何と言っても良質の乳製品。ここにビタミンAが豊富に入ってるので、やはりビタミンAは動物性食品から摂ること。
あるいは、もし摂るのなら経皮型の良質のサプリから摂取すること。
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■更年期障害
この更年期障害についても現代医学、ポップカルチャーは逆のことを教えてる。
「加齢と共にエストロゲン産生が低下する」という風に現代医学もポップカルチャーも共に唱えてる。しかし、これも逆。
これは、加齢と共に全身でエストロゲン産生が高まる。
なので、閉経期になると非常に調子が悪くなる。ますますエストロゲン・ドミナンスになる。つまり、プロゲステロンよりもエストロゲンが優位になる状態が続く。
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これは何故か?
現代医学では、「卵巣機能が更年期になると低下する。そのため卵巣でエストロゲンが作れなくなる。それによりエストロゲンが下がるために更年期症状が出る」という主張をしてる。
これは卵巣機能だけを見ると正しい。でも、問題はその後。更年期以後、女性の体の脂肪組織が卵巣に変わって主要なエストロゲン産生工場になる。
なので、ついには卵巣に頼らずとも、ストレスがかかると脂肪組織でどんどんエストロゲンを作るようになる。他にも筋肉や皮膚など他の組織でもエストロゲン産生されるが、特に脂肪組織でエストロゲン産生が高まるために更年期になるとよりエストロゲン・ドミナンスになっていくということである。
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また、特に体内にプーファ(多価長鎖不飽和脂肪酸)が蓄積すると、それだけでアロマテースが活性化するので脂肪組織にどんどんエストロゲンが作られていく。
しかも、エストロゲンをデトックスする肝臓の機能がプーファによって低下すると、エストロゲンがいつまでも体内を循環してるという状態が加齢で起こるということになる。
βグルクロニデース(β-glucuronidase)、サルファテース(sulfatase)という酵素がプーファ、エストロゲンという脂質をデトックスするが、この酵素が不活性化していくことも高エストロゲン状態になる一つの原因である。
肝臓、腎臓でのエストロゲン排出低下=デトックスの低下もエストロゲン・ドミナンスになる原因の一つ。
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ということなので、エストロゲン産生・排出(デトックス)の両方の面で更年期以降はエストロゲン・ドミナンスという状態になっていく。
42:49〈映像確認〉
脂肪組織内で脂肪組織がどんどん作られていく。
これは、実際は女性だけでなく男性も脂肪組織でエストロゲンがつくられていくので、男性にも更年期障害が引き起こされる。
43:10
*加齢と共にエストロゲンとプロゲステロンの比が上昇する
《プロゲステロン》
卵巣機能が低下していくとプロゲステロンの産生が低下する。
《エストロゲン》
ところが、エストロゲンの場合は他の組織でもどんどんアロマテースの活性化などにより産生量が増えてくる。
そのため、両者の比が上昇してくるということになる。
43:38
*加齢に伴うホルモンバランスの変化
加齢に伴いコルチゾールはどんどん上昇する。
それに対し、保護ホルモンであるプロゲステロン、プレグネノロン、DHEAが下がってくると髪の毛は白くなり、皮膚にもシワが目立つようになってくる。
44:03
また、脳下垂体ホルモンである黄体化ホルモン(LH)、卵胞形成刺激ホルモン(FSH)の比も高くなる。
オメガ3の特にEPA(魚油)の代謝産物は卵巣、副腎などの黄体化ホルモン受容体に結合し、LHの作用(プロゲステロン産生)をブロックする。
ブロックするために、「どんどんプロゲステロンを作れ」となり脳下垂体からLHが高くなる。しかし、「どんどん作れ」と刺激するが、実際はプーファが邪魔して作らない。
ということで、FSHとLHの比が上がり、プロゲステロンの産生も下がるということが加齢性変化で起こってる。
なので、「LHの値が上がってくる」というのも体内にオメガ3というプーファが蓄積してる一つの証左ともなる。
45:23
更年期でも糖のエネルギー代謝が回っていればプロゲステロンは十分できる。
理由としては、エストロゲンも脂肪や脳、骨、皮膚で作られるが、これはプロゲステロンも同じ。
卵巣機能がなくなってもエネルギーさえあれば脳や副腎でプロゲステロンは産生できる。
なので、更年期でも糖のエネルギー代謝を回せばプロゲステロンは産生され、エストロゲン・ドミナンスがなくなることで更年期症状はなくなってくる。
46:02
■エストロゲンによる甲状腺機能障害
エストロゲン・ドミナンスの状態。特にゴイター(goiter)という甲状腺が腫れる、甲状腺機能低下といった状態。これは、特に大豆をたくさん食べてる人たち、それ以外でも思春期を迎える時、妊娠した時、更年期といった一時的な期間に甲状腺が腫れることがある。
これは、思春期でエストロゲンが過剰になる。つまり、エストロゲン・ドミナンス。
妊娠した時。これは、妊娠を維持する時にはプロゲステロン・ドミナンスだけど、妊娠の初期や受精の時にエストロゲン・ドミナンスになってる状態の人。
また、あるいは更年期でもエネルギー代謝が回っていないエストロゲン・ドミナンスになってる人。
このような人たちは一時的に甲状腺が腫れる。
47:07
しかし、これはエストロゲンによる甲状腺機能障害。これにより甲状腺が腫れていくが、これも糖のエネルギー代謝が改善すれば甲状腺の腫れが自然と退縮していく。
これは逆に言えば、喉(甲状腺)が腫れてるという人は免疫が下がってる(免疫抑制)、あるいはエストロゲン・ドミナンスの状態であるということである。
47:47
■エストロゲンと甲状腺機能低下の関係
甲状腺機能もエストロゲンとシーソー関係にある。
甲状腺機能が上がるとエストロゲンが下がる(48:00)。エストロゲンが上がると甲状腺機能は低下する。
甲状腺機能が低下すると、アロマテースのUP、また肝臓でのデトックス機能が下がることでエストロゲンが上昇する。
そして、エストロゲン・・・例えば臭素、フッ素、塩素も含めハロゲンは甲状腺障害を引き起こす。
→甲状腺のヨウ素の取り込みをブロックすることで甲状腺障害を引き起こす。
なので、ハロゲンと甲状腺機能低下も非常に重要である。
48:49
大豆や鉄サプリも甲状腺ホルモンをブロックする。
また、もちろんプーファも甲状腺ホルモンの働きを様々な場所でブロックしていく。
49:08
ということなので、甲状腺機能低下をきたすものは大体シックネスサブスタンスと呼ばれる物質になってくる。
49:21(まとめ)
今回は保護ホルモンを中心にした内容でした。
・“コレステロールが糖に次いで抗ストレス作用をもつ”というのは保護ホルモンの作用であるということ。
そして、
・プロゲステロンとエストロゲンの比によって病態が引き起こされるということ。
fin
