生化学

生化学13アミノ酸とエネルギー代謝2

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k13-03 アミノ酸とエネルギー代謝2

エネルギー代謝とタンパク質

アミノ酸とエネルギー代謝2

●概要

・アミノ酸の他の物質への変換

・ポルフィリン・ヘム代謝

・3つの色素沈着

・鉄の代謝

・赤血球の代謝(分解)

・ストレス酵素―ヘムオキシゲネース

・黄疸(おうだん)の原因

・なぜ緑便になるのか?

・プーファがもたらす黄疸

・なぜホモシスティーン血症は動脈硬化とアルツハイマー病のリスクなのか?

・カテコーラミンズ

・ドーパミンは過剰になるとアドレナリンに変化

・なぜ網膜にダメージが加わるとパーキンソン病になるのか?

・パーキンソン病は長時間の蛍光灯暴露で発症する!

・オメガ3はトリプトファンの脳の取り込み&セロトニンへの変換をアップ

・セロトニン合成をブロックするアミノ酸

・トリプトファンを減らすと炎症が低下するのはなぜか?

・アルギニン制限食でガンが縮小する理由

・ヒスタミンを軽減する方法

・トップアスリートのサプリメントーカーノシーン(Carnosine)

・分枝鎖アミノ酸(BCAA)の留意点

・中枢性疲労の原因は?

生化学(13)アミノ酸とエネルギー代謝2

エネルギー代謝とタンパク質の「アミノ酸」について。

今回はアミノ酸の中でも「ヘモグロビン」という重要な赤血球の成分があるが、それの代謝及びシックネスアミノ酸(=エネルギー代謝をブロックするアミノ酸)。

生化学(12)でエネルギー代謝を高める必須アミノ酸の話をしたが、今回はその逆。エネルギー代謝を低下させるアミノ酸について。

0:56

■アミノ酸の他の物質への変換

アミノ酸は様々な酵素やホルモンになるが、その他にも神経伝達物質、クレアチニン、そしてポルフィリンというヘモグロビンの材料になる物質への変換にもアミノ酸は使われてる。

1:24

食事中のタンパク質、体内のタンパク質の新陳代謝、あるいはアミノ酸を新しく体内に作っていくということで、アミノ酸のプール(ストック)はほとんどない。

こういったタンパク質の新陳代謝でもアミノ酸のストック自体は一日に約30gしかない。そして、その少量のアミノ酸でまた新しいタンパク質を作る。

2:01

シックネスメタボリズムと言われる糖のエネルギー代謝が低下した場合、糖新生にアミノ酸が使われる。

ガンではこのアミノ酸から脂肪新生が起こる。

そして、エネルギー代謝でアミノ酸が使われた場合は(これもシックネスパターンだが)、CO2に変換される。その過程でアンモニアという廃棄物が遊離してくる。

あるいは、アミノ酸から糖だけではなくケトン体、脂肪酸、ステロイドという様々な物質に変換される。

2:47

その中でも、先述の神経伝達物質、ホルモン、酵素、ポルフィリン、クレアチニン、プリン、ピリミジン(核酸/遺伝子の材料)といったものに変換されていく。

3:10〈映像確認〉

グロビンというタンパク質にヘムが結合して4ユニットになり、ヘモグロビンが作られる。

そのヘムの合成について。

ヘムはミトコンドリア(図示)の中でコハク酸コエンザイム(TCA回路の中間産物)にグリシンが結合して、デルタアミノレブリニック酸が細胞質に運ばれる。

これが、最終的にプロトポルフィリンという物質に変わり、ポルフィリンと鉄によってヘムは合成される。

4:19(ヘモグロビンができるまでの流れ)

一番最初は「グリシン」と「コハク酸コエンザイム」で、ミトコンドリアから細胞質にこの合成物質が出て、細胞質で「デルタアミノレブリニック酸」から「コプロポルフィリノージェンIII」まで変換され、またミトコンドリアに戻り、プロトポルフィリンから鉄が加わって最終的にヘムになる。

このヘムがグロビンというタンパク質に巻きつかれて4ユニットになったものが「ヘモグロビン」。

なので、これもグリシン(グライシン)と呼ばれるアミノ酸からこのような赤血球の重要な構成成分であるヘモグロビンができるということ。

5:16

●ポルフィリン(ヘム代謝でミトコンドリアと細胞質で作られるもの)

肝臓、赤血球の組織がポルフィリン、ヘムを作るメインの組織になる。

ヘムはヘモグロビンだけではなく、ヘモグロビンの1ユニットであるマイログロビン(ミオグロビン)、サイトクローム、カタレース、リポファッシンなどの成分にも使われてる(ヘムが)。

5:56

ポルフィリンというヘムの前駆体だが、これは低酸素、あるいはエストロゲンといったストレスによって産生がUPする。

何故なら、低酸素・エストロゲンなどによって、ミトコンドリアが必要とする酸素を運ぶためにポルフィリンをたくさん産生し、ヘモグロビンを合成して酸素を運ぶということをするから。これも一つのストレス反応。

6:39

そして、このポルフィリン(ヘム)が作られる過程で一番大事なのが「鉛」。

鉛は複数の箇所でヘム合成をブロックする。なので、最終的にこの鉛で貧血が起こる。

そうすると、もちろん酸素を十分組織に届けられない。ヘモグロビンができないので、真っ先にダメージを受けるのは最もエネルギーの需要量の高い「脳」になる。「脳神経細胞が鉛でやられる」というのはこういうこと。

7:25〈映像確認〉

逆に、このポルフィリン、ヘムが過剰になるのはエストロゲン・鉄過剰・アルコールなど。

このようなもので過剰にヘムが作られると晩発性(遅発性?7:37)皮膚ポルフィリン症という皮膚異常が起こる。これは下図(7:45)のような皮膚炎(皮膚沈着)が起こる。

これは何故こんなことが起こるのか?

それは、過剰にポルフィリンができると、皮膚上の蓄積したポルフィリンが紫外線と日光に当たる。そこでもしプーファがあれば、アルデヒドが発生しやすくなり皮膚の炎症が起こる。

そのポルフィリンと紫外線で活性酸素ができやすい。それにより、皮下のプーファがアルデヒドを発生させてこのような特徴的な皮膚沈着を起こす。

8:37

■貧血

一般的に、「貧血」というと鉄が欠乏してる「鉄欠乏性貧血」とイコールにしやすい。

私は様々な重金属や様々な講義でこの貧血について取り上げてるが、貧血の中で鉄欠乏性貧血が占める割合というのは極小さいもの。

むしろ、その鉄欠乏性貧血は非常に珍しいが、鉄欠乏性貧血の特徴としては赤血球、小球性貧血といいヘモグロビンができなくなる。

ヘモグロビンができなくなったので、赤血球のサイズが小さいということで「小球性貧血」と呼ばれる。

9:31

小球性貧血だと鉄欠乏性貧血になりやすいかもしれないけど、実はヘムの合成の過程をよく見返すとわかることがある。

例えば、一番最初のグリシンとコハク酸コエンザイムのところの最初のステップで作用する酵素があるが、その酵素はビタミンB6が必要。

なので、ビタミンB6(ビオチン)が欠乏すると、このヘム合成がまず初段階でブロックされるし、鉛は複数のヘム合成経路でブロックをする作用がある。

もちろん、鉄がなくても最終的にヘムはできない。

なので、小球性貧血だとわかっても、それ=鉄欠乏ではないということ。

10:42

鉄欠乏というのは、血清鉄やフェリチンという値がある。

これらが全て低下すると、最終的にこれは鉄欠乏性貧血だと言えるが、小球性貧血でさえこの他にも原因があるということになる。

11:01

全体で見ると、大球性貧血・正球性貧血・小球性貧血と別れ、その他多数の貧血の原因があるが、鉄欠乏はその中でも極わずかで小さな部分でしかない。

11:23

■色素沈着

色素沈着には3つある。この違いはよく知っておかないといけない。

●リポファッシン

まず、「シミ」。あるいは肝斑と呼ばれるもの。それが、この内の一番最後の「リポファッシン」というもの。

リポファッシン:エストロゲン、プーファ、鉄の反応によって起こる皮膚上の沈着。

12:03

●メラニン

また、「メラニン」。これはホクロの成分になったりする。あるいは日焼けの時に出てくるもの。

これは、紫外線で誘導される。

そして、脳。中脳の黒質で紫外線によってドーパミンが代謝され、メラニンが生成される。

これは、中脳の黒質のドーパミンの代謝産物。ドーパミンが代謝されてもできる。

12:40

・メラニンは何故できるのか?

それは、紫外線によるダメージによってプーファと活性酸素、鉄が反応するとアルデヒドができる。

その時の活性酸素・・・特に鉄と活性酸素が反応するとハイドロキシラジカルという最も反応性の高い活性酸素ができる。あるいは、紫外線はダイレクトにプーファの脂質過酸化反応を進める。

なので、それをブロックするためにメラニンは出てくる。いわゆるストレスのための防御反応である。

なので、これはリポファッシンとは全く逆である。

リポファッシンはプーファそのものの産物だけど、メラニンはそれによる防御反応。ということで、全く逆の色素になる。

13:48

●ポルフィリン

そして、先述のポルフィリン。

ポルフィリンは低酸素、アルコール、エストロゲンなどによるストレスの防御反応(適応反応)。

たくさんヘムを作って酸素を送り込もうとする防御反応の一つ。

14:04

なので、色素反応といってもこの3つがあり、リポファッシンのようにどんどんシックネスフィールドにしていく色素と、それを防御するメラニンとポルフィリンという色素がある。

14:24

■鉄の代謝

食事中の鉄は大体Fe3+(三価の鉄/フェラス)。

これが食事中にあるビタミンCなどによって、還元状態になる。

そして、二価の鉄(Fe2+/フェリック)になる。Fe2+の状態になって初めて小腸の粘膜まで鉄が吸収される。

このFe2+が「トランスフェリン」と言われるタンパク質で初めて血液中に鉄を運搬する形になる。フリーの鉄は非常に危険なので、ここでトランスフェリンが鉄を確保する。

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その前に、小腸粘膜細胞から血液中に放出されるのがFe2+でした。トランスフェリンが運ぶのは実はFe3+。

そこでFe2+からFe3+にする物質がある。それが「セルロプラスミン」という銅タンパク。銅が構成成分となってるタンパク質でFe2+がFe3+になる。

そして、それがトランスフェリンと結合して、血液中を鉄が運搬する。

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このトランスフェリンによって運ばれる鉄がヘム代謝でも使われる。骨髄ではこれが赤血球生成に使われるが、赤血球に必要なヘモグロビンは鉄とポルフィリンでヘムという物質ができ、これがグロビンというタンパク質と結合して初めてヘモグロビンができる、ということになる。

なので、トランスフェリンはまず骨髄に鉄を持っていかないといけない。また、“造血”というのは骨髄が主体だから。

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さらに、一部はトランスフェリンは組織に運ばれていく。

組織でも鉄が必要とされるのは、電子伝達系。ミトコンドリアの酸化還元で電子伝達系があるが、そこでも鉄は利用されてる。

細胞の中に入る時は一旦Fe2+まで還元されるが、これがまたFe3+となり、細胞の中にフリーであるとこれはまずいので次は「フェリチン」というタンパク質と結合して細胞の中に余分な鉄は格納されてるという風になってる。

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さらに、赤血球はリサイクルされる。大体120日で新陳代謝していく。その新陳代謝で一旦壊された赤血球から放出されたヘモグロビン。そして、ヘモグロビンが分解されて鉄が遊離してくるが、その鉄は肝臓、脾臓という細網内皮系と呼ばれるところで吸収され、またこれがトランスフェリン(Fe3+)となり、赤血球生成にリサイクルされていく。

要するに、トランスフェリンは基本的には骨髄に鉄を運び、赤血球の材料にするというのがメインの仕事。

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不思議なことに“銅が欠乏すると鉄欠乏性貧血になる”。

なので、鉄欠乏性貧血の所見が出たからといって、これが=鉄が少ないと判断してはいけない。

ここにも大きな落とし穴がある。

それは、先述の「セルロプラスミン」という銅タンパク。

これが実は小腸粘膜からトランスフェリンに鉄を渡す時に、鉄をFe2+

からFe3+にする酸化作用を持ってるタンパク質だが、これがないとトランスフェリンが鉄を運べないということになる。

なので、ここで銅が欠乏した場合、セルロプラスミンという酵素が働かない。なので、鉄を運ぶことができない結果、鉄があるのに鉄欠乏性貧血という形になる。

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●ヘモジデリン

一部、鉄が「ヘモジデリン」という沈着になることがある。

これは、リポファッシンと同じくアルデヒドで変性したタンパク質。

つまり、プーファの脂質過酸化反応で自動酸化が起きてできたアルデヒドと近郷のタンパク質がくっついて変性したタンパク質、これにトランスフェリンが運ぶ鉄が結合した、ゴミ。

この鉄が結合したゴミをヘモジデリンという。

20:54

この変性したタンパク質に鉄が結合したゴミが全身に沈着する病気が「ヘモクロマトーシス」といわれるもの。西洋人に多い病態。

肝臓、膵臓、関節、皮膚といったところにヘモジデリンと呼ばれる鉄変性タンパクの沈着が認められると全身に炎症が起こる。

・肝臓でヘモジデリンが沈着:肝硬変

・膵臓でヘモジデリンが沈着:糖尿病

・関節でヘモジデリンが沈着:関節炎

・皮膚でヘモジデリンが沈着:ブロンズタン(21:35)。銅の色に変色する皮膚炎が起こる

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■鉄の食材からの摂取についての復習

●ヘム鉄

最も吸収率が高いのがヘム鉄。ポルフィリンと鉄が結合して作られるのがヘム。

そこにある鉄は動物性食品からしか摂れない。

食品に含まれてる吸収阻害物質:鉄を含めたミネラルを吸収阻害する物質が特に穀物。

穀物でも全粉粒(全粒粉?22:31)と呼ばれる“ふすま”に含まれてる「フィチン酸」などの吸収阻害物質の影響を受けやすいが、ヘム鉄がフィチン酸と反応しないので吸収率は高い。

22:49

●ノンヘム

一方の「ノンヘム」と言われる鉄は植物性食品に含まれてる。

ノンヘムの鉄とは:フェリチンやヘモジデリンの形であるもの。

ノンヘムの鉄は吸収率が非常に低く、穀物のふすまに含まれる吸収阻害物質であるフィチン酸と結合して、そのまま便として流されていくので吸収は悪い。これがノンヘム鉄の特徴。

なので、鉄不足という時には動物性食品から摂るのが理想的である。

23:40

■赤血球の分解

赤血球は120日で新陳代謝していく。

赤血球の分解は非常に重要な代謝。

24:00

赤血球の大事な構成要素であるヘモグロビン。また、「マイオグロビン」、「サイトクローム」もヘムタンパクを含んでる。

このヘムタンパクの代謝が非常に厄介。

ヘムとグロビンがヘモグロビンを構成してるが、これはヘムとグロビンに別れる。

グロビンはタンパク質なので、こっちはアミノ酸でリサイクルされていくのは良いが、問題はヘム(ポルフィリンと鉄がくっついた物質)。

これを分解する時に、「ヘムオキシゲネース/Heme Oxygenase」という酵素が働いて、フリーの鉄と一酸化炭素を出してしまう。これがたくさんありすぎると非常にまずいことになる。

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ヘムはヘムオキシゲネースが働いて「ビルバーディン/Biliverdin」という物質になり、さらにこれが「ビリルビン/Bilirubin」という物質になっていよいよ肝臓で最終的に代謝される形態になっていく。

この時に一酸化炭素(CO)、鉄が出てくるところが非常に問題になってくる。

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●一酸化炭素と鉄の問題

これは何故問題か?

それは、ヘモグロビンからヘムになる。ヘムはヘムオキゲネースという酵素で分解されていくが、実はヘムオキシゲネースはヒートショックプロテイン(熱ショックタンパク質)の一つ。

*熱ショックタンパク質とは:熱を加えた時に出てくるストレス酵素

一時は日本の一般健康常識で、熱ショックタンパク質が身体のアンチエイジングに効くということで、サプリなどが開発されたという経緯がある。これはとんでもない話。

熱ショックタンパク質とはストレスで出てくる物質であり、しかもヘムをどんどん分解していく。そして、ストレスは低酸素、炎症、熱、NO(一酸化窒素)などのストレスで誘導されることが確認されてる。

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これでどんどんヘムが必要以上に分解されていくとどうなるか?

それは、最終的には肝臓でビリルビンという最終代謝産物になりデトックスされていくが、その過程でフリーの鉄が出てくる。

そして、一酸化炭素が出てくる。

これが、通常の120日の赤血球のリサイクルでは、鉄はトランスフェリンというタンパク質と結合して骨髄の赤血球のリサイクルに使われる。また、CO(carbon monoxide/一酸化炭素)が私たちの呼吸で肺から排出されていく。

ところが、この量が多くなる=炎症や低酸素といったシックネスフィールドでこのヘムオキシゲネースが過剰に誘導されると、これがハンドリングできなくなる。

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となると、“フリーの鉄”、あるいは排出されない“CO”が血液内に浮遊することになる。

この2つは両方とも強力なミトコンドリア。

しかも、フリーの鉄はエンドトキシン、プーファの自動酸化によってアルデヒドを発生させ、様々な悪影響を引き起こす。

そして、実際にこの2つは免疫抑制作用がある。

なので、この免疫抑制作用が強いということは、ステロイド、コルチゾール、免疫抑制剤、オメガ3と同じようにガンをどんどん増殖させていくということになる。

ということで、実際にガンの場ではヘムオキシゲネースと言われるヘモグロビンのヘムを分解する酵素が過剰に発現してる。

29:19

■ヘムがビルバーディンからビリルビンになり、最終的に肝臓でデトックスされるというメカニズムについて

ビリルビンは脾臓・肝臓で血液中に出ていく。この時に、「アルブミン」というタンパク質と結合して肝臓まで運ばれデトックスされる。

そして、肝臓ではビリルビンが「UDP-Glucuronosyl transferase/UDP-グルクロン酸トランスフェレース/UDP-グルクロン酸転移酵素」という抱合酵素と呼ばれるものによって、「Bilirubin diglucuronide/ビリルビン ダイグルキューロナイドと呼ばれる「抱合ビリルビン」という形になり、これが胆汁に出されていく。

これがデトックスである。

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なので、このUDP-グルクロン酸トランスフェレースという酵素が働かない限りは、ビリルビンはデトックスして排出されないということになる。

これが起こるのが「新生児核黄疸」という、新生児の脳障害が起こるもの。これは、UDP-グルクロン酸トランスフェレースという酵素がダメージを受けて、ビリルビンが脳に蓄積したという病態。

これは、母親の母体がプーファ過剰になってる場合に新生児核黄疸が頻繁に起こる。

31:15

●抱合ビリルビン

これが抱合した後に胆汁になって出ていくが、この胆汁が出るところの障害が肝臓障害や胆管閉塞で、一番多いのが石。胆石によって胆汁が通る管を詰まらせるという状態は、せっかく酵素によって抱合ビリルビンとなってから胆汁に通されるという準備ができたのに、そのパイプが詰まった状態になってしまってるということ。

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そして、この抱合されたビリルビンがめでたく消化管に胆汁として出される。そうすると、小腸の腸内細菌あるいは腸の腸内細菌によって抱合ビリルビンが代謝されて「Urobilinogen/ユーロビリノージェン」という形に変わる。

このユーロビリノージェンが一部、小腸から腸管循環で肝臓に戻り、全身の循環に戻ることでその一部が腎臓に入りおしっことして出てくる。

実は、尿の色はユーロビリノージェンの色。

32:54

ユーロビリノージェンは小腸から大腸にかけて「Stercobilin/スターコバイリン」という物質に変換されていく。これも、バクテリアが行う。

便の茶褐色の色はこのスターコバイリンによるもの。

なので、尿も便の色も元はヘムの代謝で起こってる色である。

ヘムの代謝で起こるビリルビンが小腸でどんどんバクテリアで変化し、その変化した物質が全身循環、あるいは便として出る。このサイクルがきっちり回ってると尿と便の色が正常につく。

33:49〈映像確認〉

上記を図示した図がある。ここまでの流れ。

肝臓でビリルビンが酵素によって抱合ビリルビンになる。

これが、胆管に閉塞がない場合は胆汁として出され、小腸に到達する。

そして、ビリルビンがユーロビリノージェンになる。

これが小腸の粘膜から一部は吸収されてまた肝臓に戻り、また肝臓から排出される。その時に、一部は全身循環され血液中を巡る。

これが腎臓に一部到達し、腎臓から排出される時に尿の色をつける。尿の色が黄色なのはユーロビリンによるもの。ユーロビリノージェンがユーロビリンになるという、これが尿の色の原因。

この、ユーロビリノージェンはさらに大腸の下の方に降りていくにかけて、またこれはバクテリアによってスターコバイリンという物質になる。これが茶褐色の便の色をつける。

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ということは、尿の色の変化や便の色の変化はこのヘムの代謝経路の異常によって、それらの色が変わってくるということになる。

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■黄疸について

黄疸は高ビリルビン血症で起こる。

ビリルビンの色は黄色。尿の色も黄色だが、着色するとビリルビンそのものも黄色になる。

特に黄疸の特徴は眼。眼の白眼の部分(結膜)が黄色くなる。結膜が黄色いというのが黄疸の特徴である。

みかんを食べ過ぎても顔も真っ黄色になり、皮膚も同じように黄色くなるがこれはカロテンの色。これが沈着していく。

黄疸との違いは結膜。眼の結膜が黄色いかどうか、みかんの食べ過ぎでは結膜は黄色くなることはない。

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●黄疸の原因

原因としては、赤血球が過剰破壊される病態がある。これは、一つの自己免疫疾患。関節リウマチ、SLEなどの自己免疫疾患と呼ばれるのと同じく赤血球はどんどん炎症で破壊されていく(=溶血性貧血)。

この時にも破壊された赤血球からヘムオキシゲネースという酵素(熱ショックプロテインの一つ)が働いて過剰にCO(一酸化炭素)とフリーの鉄を出すことになる。

また、肝臓障害である肝硬変、肝炎が起こるとビリルビンが血中に出てしまう。胆汁ではなく血液に漏れ出てしまうということ。

あるいは、ビリルビンを無毒化する酵素であるグルクロン酸転移酵素/グルクロン酸トランスフェレース(新生児核黄疸の原因の酵素)のダメージによっても黄疸が出てくるし、胆石あるいは胆管の炎症などで胆汁が出る管が閉塞される(胆管閉塞)ことでも黄疸が出る。

38:11

*赤血球の過剰破壊による溶血性貧血で黄疸になる場合

これは、抱合される前、つまりUDP-グルクロン酸転移酵素(肝臓の無毒化する酵素)が働く前にすでにビリルビンが上がるということになる。

このことを「間接ビリルビン」または「非抱合型ビリルビン」と医学会では呼ぶ。

この場合は尿中のユーロビリノージェンがたくさん増える。

何故かというと、ビリルビンそのものが血液中を循環し、直接腎臓に行って排出される。この時にビリルビンが腎臓においてユーロビリノージェンをたくさん作ってユーロビリンという尿着色を増加させる物質を増やすから。

なので、通常は尿は黄色だが、たくさんユーロビリノージェンができることで尿は非常に濃いダークな色になる。

39:48

*肝硬変、肝炎

また、黄疸の原因としての肝硬変や肝炎。

この場合も、赤血球の破壊で出てくるビリルビンと同じように抱合される前=UDP-グルクロン酸転移酵素の作用する前の非抱合型(間接)ビリルビンが同じように上がってくる。

肝臓の障害でもビリルビンを抱合できない、また胆汁にも排出できないということで、結局肝臓細胞内のビリルビンは血液中にリークしていくので、赤血球が破壊されて血液中にビリルビンが出るのと同じ状態になる。

なので、先述の赤血球の破壊と同じように尿の色は濃くなり、便にはビリルビンが抱合したものが胆汁として小腸・大腸に放出されないということになるので便の色はなくなってしまう。つまり、便の色は青白くなる。

赤血球破壊によっても肝臓障害によっても尿は色が濃くなり、便は色が薄くなるということが起こる。

41:13

*グルクロン酸転移酵素のダメージ

また、黄疸の原因としてグルクロン酸転移酵素のダメージがある。

これも肝臓障害と同じパターン。抱合できないので、ビリルビンがそのまま血液中に入ってしまう。

この主要因が非常に大事で、その主要因とはプーファ。特に『DHA』・『EPA』がグルクロン酸転移酵素をブロックするというのが過去の研究でも明らかになってる。

このように脂質過酸化反応が起きやすいオメガ3の長鎖の多価不飽和脂肪酸はビリルビンを無害化する酵素であるグルクロン酸転移酵素を変性させることで、胎児の脳障害を引き起こすことになる。

42:14〈映像確認〉

新生児黄疸で亡くなった赤ちゃんの脳の図がある。

脳の一部が黄色くなってる。

42:26

*胆汁が出されるところに、石、炎症、ガンといったもので胆管閉塞が起こることで起こる黄疸

これは、唯一「抱合型ビリルビン」(UDP-グルクロン酸転移酵素によって無毒化されたビリルビン)。これが血液中にバックフローして上がってくる。

というのは、パイプが詰まってるから。胆汁を流す胆管というパイプが詰まるので抱合型ビリルビン(酵素が作用した後のビリルビン)が血液中にバックフローする。

これも、同じく尿はダークカラーになり、便はクレイカラーになる。これもさっきの病態と全く同じ状態。

この胆管閉塞が一番起こる原因としては、今までは胆石が多かったが最近はすい臓ガンが非常に増えてる。それも若年化してる。

胆管の胆汁が出るところを「膵頭部」といい、膵臓の大きな部分(頭の部分)でここが胆管の排出口になるが、ここに発生したガンはどんどん胆管を締め付けていくということで、胆管閉塞から黄疸を引き起こしやすくなる。

44:14

●緑便

よく子供がなると言われる「緑便」。

例えば、ヘム代謝で肝臓障害が起こったり赤血球が破壊されたり、あるいはプーファによって酵素が破壊されると便がクレイから色がなくなり尿は色が濃くなるが、緑便というのは何が原因なのか?

緑便(green stool)というのは、ビリルビンの一つ手前の物質・・・ヘモグロビンがヘムオキシゲネース(ヒートショックプロテイン)で分解されてできるビルバーディンが緑の色を持ってる。これが次にビリルビンに代謝される。

このビリルビンに代謝される時の酵素が「ビルバーディン還元酵素」という酵素が働いて初めてビリルビンになる。

45:33

ところが問題は、このビルバーディン還元酵素は細胞内にエレクトロンのマイナスチャージがたくさんあると作用しなくなるということ。

つまり、ビルバーディンがそのまま肝臓に運ばれ、それが便となって出た場合は緑便になるということ。

45:58

細胞内にエレクトロンがたくさん溜まる状態は「還元ストレス」の状態。これは病気の大元。

糖のエネルギー代謝の「酸化的リン酸化」はミトコンドリアの電子伝達系の最終段階。そこまで糖のエネルギー代謝が完全燃焼するのにはミトコンドリアの電子伝達系の最終的に酸素に電子を引き渡すところまで(酸化的リン酸化)。

酸素に電子を渡すということとリン酸化・・・ADP→ATPになる(=エネルギーが産生される)。

この酸化的リン酸化がつつがなく行われることで、糖の完全燃焼が起こる。

46:58

この、糖の完全燃焼がどこかでブロックされた場合にグルコースやフルクトース、ガラクトースから引き抜いてきた電子の行き所がなくなり、ミトコンドリアで渋滞する。

これが、細胞内にフリーで出てしまう。このフリーの電子が早期に酸素と反応するとフリーのラジカルができる。また、ビルバーディン還元酵素のような、電子があると働かない酵素の役割を邪魔する。

47:37

なので、緑便が出るというのは、糖のエネルギー代謝が低下した時。この時に非常に起こりやすくなる。

これはもちろん、大人が子供のようにはっきりとした緑便になることは少ない。

子供の場合はまだ腸粘膜のバリアがしっかりとできてないということもあり、炎症やプーファの過剰などで容易にリーキーガットになりそこからたくさんのエンドトキシンが入りやすくなる。

これにより糖のエネルギー代謝がブロックされ、よりビルバーディン(便に緑色の色をつける物質)が増えやすくなることで、子供に非常に多く緑便が認められる。

これは、大人もよく観察してると便の色が微妙に変わってることに気づく。

48:47

■他の重要なアミノ酸の代謝

●「ホモシステイン/homocysteine」・・・アミノ酸代謝で重要な中間産物。

このホモシステインが血液中で高くなると、昔から動脈硬化やアルツハイマー病になると言われてる。医学の教科書にも書いてる。

その原因は、原因不明として教科書には書いてあるまま。現在の一番新しい教科書を見てもホモシステイン血症の原因はわからないとなってる。

49:35

●「メチオニン(メサイオニン)/methionine」・・・甲状腺障害を起こすシックネスアミノ酸の一つ。

これは、システインも同じく甲状腺障害を起こすシックネスアミノ酸の一つ。

このメチオニンからシステインに代謝される経路があるが、この中間産物がホモシステインと呼ばれるもの。

ホモシステインはメチオニン代謝の中間産物。

メチオニンからメチル基を除去してホモシステインが形成される。

50:21

*何故、この経路があるのか?

それは、メチオニンからメチル基を除去するわけだが、実はこのメチル基は遺伝子のスイッチのオンオフに使われる。これは、「エピジェネティクス」という環境遺伝の原因の物質。

その環境の影響によって遺伝子のスイッチのオンオフを柔軟に変えていくためにメチオニンから引き抜いたメチル基が使われる。

そして、メチル基が引き抜かれるとホモシステインになり、それがさらにシステインに変わっていく。

51:14〈映像確認〉

メチオニンからホモシステイン。

メチル基がそこから遺伝子のスイッチのオンオフに使われてるという図がある(図示)

51:37

ホモシステインが蓄積する「ホモシステイン血症」と呼ばれる病態では遺伝子のスイッチが変わる。

つまり、エピジェネティクスという環境因子が遺伝子のオンオフを変えるということ。

上記の図を見ると、ホモシステインが高いということは、手前の「S-アデノシルホモシステイン」が上がってくる。そうすると、「メチルトランスフェレース」という酵素の働きが低下する。

・メチルトランスフェレース・・・メチル基を遺伝子にくっつけて遺伝子のオンオフを調整するもの。

このメチルトランスフェレースの働きが低下すると、DNAのメチル化が低下して、遺伝子のスイッチのオフが起こる。これを「ハイポメチレーション/hypo methylation」という。

52:54〈映像確認〉

(一つ戻って)メチルトランスフェレースが一番右側の酵素。

アデノシルホモシステインが増え、ここで渋滞するとこの回路が作用しなくなる。メチルトランスフェレースの作用が低下すると、DNAにメチル基を転移することができなくなる。

ここで、環境因子によってスイッチのオンオフを調整できなくなってくる、ということになる。

53:29

*このDNAのスイッチの変化について

ホモシステイン蓄積によるメチル化、ハイポメチレーション・・・メチル化が低下することによって、プーファでも特にオメガ6の代謝産物のアラキドン酸の経路が遺伝子のスイッチのオフで「リューコトライエン」と呼ばれるエイコサノイドに変換されるということが最近明らかにされた。

54:04

*上記のアラキドン酸はどこから出てくるのか?

これは、植物油脂。食品に入ってるプーファ、植物油脂あるいは調理油で使うものなどもこのアラキドン酸の原材料となる。

また、ストレスがかかったり、そうでなくても細胞内のリン脂質の中から「ホスホライペースA2」というストレス酵素が発現し、アラキドン酸を体内産生する。

54:38

ここからが問題。

このホモシステインが溜まってくると、DNAのスイッチの変化で「5リポキシジェネース/5-lipoxygenase」と言われるアラキドン酸をリューコトライエンに代謝していく酵素が活性化する。

・リューコトライエン・・・炎症作用を持ってる有名なエイコサノイド。特に喘息・炎症性腸疾患・クローン病・潰瘍性大腸炎・関節リウマチでリューコトライエンの濃度が高まってることが報告されてる。また、アルツハイマーや動脈硬化でさえリューコトライエンの産生が高まってる。

55:30

*ホモシステイン尿症

さらに、遺伝病と言われる「ホモシステイン尿症」という非常に珍しい病気がある。

これは、実はホモシステインがシステインに変換すると、これの酵素がブロックされてることでホモシステインがメチオニンからの最終産物になってしまい、これが尿からたくさん出されたものが「ホモシステイン尿症」という病態。

実際に、このホモシステイン尿症では知能発達不全=脳障害が起こる。また、眼球レンズ脱臼、血管閉塞症、骨粗鬆症が起こる。

これも、ホモシステインが溜まることで、おそらくリューコトライエンの血液濃度が上がってるということが関係してる可能性が高い。

56:34

そして、実際に「シスタサイオニン合成酵素」(ホモシステインをシステインにする酵素)が働かない。

この酵素はビオチン(ビタミンB群、ビタミンB6)が必要。なので、ビタミンB6を投与すると約50%は症状が消失するということも知られてる。

57:01

■カテコーラミンズ

カテコーラミンズ(catecholamine/カテコールアミン、一般的にはカテコラミンと呼ばれる)という物質について。

カテコラミンというカテゴリーに入る生理活性物質:ドーパミン、ノルアドレナリン(英:ノルエピネフリン/norepinephrine)、アドレナリン(英:エピネフリン/epinephrine)

神経細胞でカテコラミンは産生される。

そして、ノルアドレナリン、アドレナリンについては髄質という副腎の中心の部分でも産生される。

57:46

ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンという生理活性物質(神経伝達物質とも言われる)は「モノアミンオキシデース/monoamine oxidase」と「カテコールOメチルトランスフェレース/catechol-O-methyltransferase, COMT」という酵素によって分解・代謝されていく。

58:08

このカテコーラミンズのドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンという生理活性物質の大元が何故アミノ酸と関係してるか?

それは、必須のアミノ酸の一つとして私が挙げてる「フェニルアラニン」が原材料になってドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンが作られるから。

フェニルアラニン→タイロシン→ドーパ→ドーパミン→アドレナリンに変わっていく。

なので、これもアミノ酸が元になってる。

58:50

●ドーパミン

*ドーパミンは過剰になるとアドレナリンに変化する

これは医療現場でよく見た光景。

これは、ショック状態や多臓器不全などで状態が悪い人はだんだん尿量が減ってくる。

その尿量を確保するために、ドーパミン製剤がよく救急の場で使われた。

ドーパミンは腎機能を改善する力がある。血管を拡張して尿を排出する力がドーパミンにはある。

59:29

ところが、ドーパミンは量を増やしていくと、尿がたくさん出て良いものかというと実はそうではない。

これは逆に尿量が減って血圧がどんどん上がることになる。

というのは、代謝経路をもう一度よく見るとドーパミンが代謝される最終的にアドレナリンになるから。

アドレナリンは血管を収縮させる物質。なので、ドーパミンに利尿作用(尿を出す作用)があるからといって過剰にオリゴ投与すると逆におしっこが止まってしまう。血管を収縮させてしまう。それは、ドーパミンはアドレナリンに代謝されるから。

特に、シックネスフィールド。糖のエネルギー代謝が回ってない人に大量にドーパミンを与えると逆効果になる。

1:00:30

*何故、網膜にダメージが加わるとパーキンソン病になるのか

実は、パーキンソン病は網膜のダメージと非常に関係がある。

網膜のダメージが最初にあり、パーキンソン病になるということも言えるが、これは実は網膜に光が当たることでまず網膜でドーパミンが作られる。

実際はフェニルアラニンから光でドーパミンまで作られるということ。

まず、網膜で作られ、このドーパミンが網膜で作られることで実は脳内でもドーパミンが作られるというシグナルが送られる。

つまり、網膜に光が当たらない限りは、脳でドーパミンが作れない。脳のドーパミン不足でパーキンソン病になるということである。

なので、網膜にダメージが加わるとパーキンソン病になる。

1:01:41

日中に網膜に日光が当たることで初めて、フェニルアラニン→タイロシン→ドーパミンの生成が進む。

ということは、日中にずっとオフィスの中にいてて光が当たらない場合。網膜に日光が当たらないと、タイロシンからドーパミンがアドレナリンまで生成が進み、さらにそこからメラトニンの方に生成が進む。

ちなみに、メラトニンはドーパミンの産生をブロックするので、メラトニンを外から投与するのはあまり好ましくない。これを過剰に投与するとパーキンソン病を作る。

1:02:31

そして、網膜と脳で特に中脳のドーパミン神経は相互依存する。

網膜で光が当たらないことでドーパミンが作られないという状態は、実は脳にもそのシグナルが行きドーパミンを作らなくなるということになる。

このようなことで、網膜のダメージでパーキンソン病になる。

なので、日中に光が当たるということが、パーキンソン病では非常に重要になる。

1:03:02

さらに、長時間の蛍光灯暴露でもパーキンソン病を発症する。

これは、先述の通り、日光に当たらない限りはドーパミンができないから。

しかも、蛍光灯はブルーライトと呼ばれる細胞の殺傷能力を持つ波長の電磁波を放出してる。なので、網膜だけでなくダイレクトに脳が障害されることが最近報告されてる。

1:03:40

“蛍光灯の長時間暴露でドーパミンが過剰に代謝されていく。”

ドーパミンが正常に産生され、それが代謝されていくのは良いが、過剰にブルーライトのようなストレスが当たると「ニューロメラニン」というような鉄を含んだ物質が脳内に増えてくる。

そして、ニューロメラニンがドーパミンの代謝産物と鉄が結合したものだが、それをゴミ処理しようとしてマクロファージ(食細胞)が掃除にかかる。

その時にスーパーオキサイド、ハイドロキシラジカルが発生し、さらに脳神経細胞を障害していく。このことによっても、脳細胞が死んでいく。つまり、パーキンソン病やアルツハイマーになるということ。

1:04:56

そして、この鉄などで変性したニューロメラニンそのものが炎症を引き起こすこともわかってる。

さらに、ニューロメラニンの中にセロトニンがある場合がある。この場合は、鉄とプーファが反応してできたアルデヒドが結合すると、「セロトニンアルデヒド」というものになる。これは強力な神経毒を持ってる。これによって神経細胞死が起こることも、長期間の蛍光灯暴露でパーキンソン病やアルツハイマー、認知症が起こるという原因にもなってる。

1:05:40

ドーパミンが正常に分解されていく「モノアミンオキシデース」や「COMT」という酵素によって、「バニリック酸/Vanillic acid?(1:05:50)」という物質まで代謝され、これが肝臓を通って腎臓で排出されていくのが正常のドーパミンの代謝。

これが、ブルーライトなどのストレス下にあると、ニューロメラニンがドーパミンから形成され、これを処理しようとした食細胞が活性酸素やハイドロキシラジカルを出すことで神経細胞そのものがやられていく。

あるいは、ここにセロトニンが加わると、とんでもないトクシック(有毒)な物質に変化し、神経細胞をどんどん壊していくということになる。

1:06:38

ドーパミンが代謝される過程でアルデヒドが最終的にドーパミンの分解をブロックする。

アルデヒドは基本的にはタンパク質に結合して、その作用を変性させる。機能と構造を変性させる物質なので、プーファが脳内に多いほどドーパミンの分解をブロックすることになる。

ドーパミンの分解がアルデヒドでブロックされるが、その中間産物そのものにアルデヒドがくっついて、それ自体が神経細胞をまた悪化させる。

そのアルデヒド様物質が中間産物としてでき、これがまた他のタンパク質とくっついてタンパク質をどんどん変性していくという悪循環を引き起こす。

1:07:48

なので、やはりプーファやブルーライトといった存在がどんどん脳神経細胞を死滅させていく。

そして、パーキンソンやアルツハイマーなどの認知症を形成していくということになる。

ということなので、都市生活で屋内にいて日光が当たらなく、蛍光灯に1日中当たってるという生活で、且つ現代食を食べてるとアルツハイマーやパーキンソン病になるというのは当然だと言える。

1:08:30

*逆にドーパミンの放出をUPさせるにはどうした良いのか?

・フェニルアラニン

・タイロシン

というドーパミンの前駆体を摂取することが非常に有効。

ただ、これら2つを過剰に投与すると「プロラクチン」と呼ばれるシックネスホルモンの一つの「乳汁分泌ホルモン」がUPする。

1:09:11

何故プロラクチンがあるのか?

それは、プロラクチンはドーパミンの放出をブロックするというホルモン。なので、フェニルアラニン、タイロシンが過量になり、ドーパミンがたくさんできすぎるところをブロックするという意味合いがある。

プロラクチン自体が過剰に分泌されるとシックネスフィールドを作るので、やはりフェニルアラニンやタイロシンも過剰にならないことが大切。

タイロシンと、日光が当たって初めてドーパミンの産生がUPするので、太陽光に当たることが良い。

もし、日中太陽光に当たることがどうしてもできない場合はレッドライトと呼ばれる糖のエネルギー代謝を上げる波長のライトを購入して、それに当たることがドーパミンを作るのには必要になる。

1:10:18

■セロトニン

セロトニンの原材料:トリプトファンというアミノ酸

トリプトファンといえば、メチオニンとシステインと同じく甲状腺機能障害を起こす物質=シックネスアミノ酸。

さらに、ストレス下でトリプトファンはセロトニンに変わる。

特に「トリプトファンハイドロキシレース/Tryptophan hydroxylase」という酵素はプロスタグランジン(プーファから酵素反応で産生されるエイコサノイド)によって誘導される。あるいは、エストロゲン。

セロトニンの分泌は副甲状腺ホルモンがUPさせる。

1:11:40

そして、特にオメガ3のDHA・EPAはトリプトファンの脳の取り組みを促進して、セロトニンの変換・放出をUPさせる。

オメガ6の方はただトリプトファンからセロトニンの反応を高めるだけだけど、オメガ3の方は原材料であるトリプトファンの脳の取り込みをUPさせ、且つセロトニンの変換と放出まで全部をUPするという、最悪の物質である。

なので、シックネスフィールド・・・特に脳においてはセロトニンの濃度の高まりは甚大な影響を引き起こす。

1:12:25

●セロトニンが増えると困ること(もう一つ)

セロトニン分解の過程で“活性酸素がたくさんできる”こと。

セロトニンの代謝で特徴的なこと:セロトニンの代謝は肺で行われる

何故肺で行われるか?それは、肺でセロトニンの分解によって出る活性酸素が喘息などに非常に有効だということがわかってるから。

「マイナスイオンが喘息に効果がある」と言われるが、マイナスイオンとは活性酸素のこと。

活性酸素が肺でセロトニンを分解する。セロトニンは気管支を収縮させる。なので、肺にデトックスされたセロトニンは活性酸素が増えることで分解されていく。

1:13:52

ところが、セロトニンそのものがあまり増えすぎてしまうと、セロトニン分解の過程で活性酸素が高まる。

この活性酸素が高まり、セロトニンが分解されていくのは肺の中では良いが、これが他の組織で起こった場合は活性酸素がプーファの酸化を招くということになる。つまり、アルデヒドの発生を引き起こす。

これにより糖のエネルギー代謝がブロックされることがすでに報告されてる。

なので、セロトニンが増えすぎるということも代謝の過程で困った問題を引き起こすということになる。

1:14:37

セロトニンは特に糖のエネルギー代謝がブロックされた状態・・・つまり糖の完全燃焼がブロックされ、糖の不完全燃焼が起こる状態、あるいは、脂肪を燃やすというような状態では細胞内は電子が過剰に蓄積してアルカリ性になるという非常に危ない状態になる(=還元ストレス)。

この時にはトリプトファンハイドロキシレースというストレス酵素の産生がUPする。それによりトリプトファンからセロトニンがたくさん作られる。

なので、糖のエネルギー代謝が下がってくると、様々なシックネスホルモン、シックネスサブスタンス、シックネス酵素などといったものがどんどん細胞の中で増えていくという悪循環になる。

1:15:43

●セロトニン合成をブロックするアミノ酸

・フェニルアラニン:ドーパミンを作る時にも重要なもの。フェニルアラニンはセロトニンを合成するトリプトファンハイドロキシレース、カルボキシレースの両方をブロックすることで、トリプトファンからのセロトニン合成をブロックする有益な作用がある。

・分岐鎖アミノ酸:ロイシン、イソロイシン、ベーリン。

・タイロシン:タイロシンはフェニルアラニンの代謝産物。これは、脳でのトリプトファンの取り込みを競合してブロックする。つまり、オメガ3の働きと反対の作用をする。そもそもトリプトファンを脳に入れない作用をする。

以上のようなアミノ酸を使うと、セロトニンの合成を防ぐことができる。

1:16:55

●抗セロトニン作用

・ビタミンADEK

・アスピリン

・ナイアシンアミド

・甲状腺ホルモン

といった有益な物質がたくさんある。

日常生活では、コーヒー。コーヒーに含まれるカフェイン。

これは、フェニルアラニンと同じ作用をする。つまり、トリプトファンハイドロキシレースをブロックする。

また、セロトニンを受けるアンテナをブロックすることで抗セロトニン作用を持ってる。

なので、コーヒーを飲むとリラックスするというのはセロトニン濃度を下げる作用があるから。

1:17:44

■一酸化窒素

これもミトコンドリアのサイトクロムCオキシデーズ(電子伝達系のコンプレックスⅣにある重要な酵素)に結合する。

そして、エネルギー代謝を根本的にブロックすると言われる本当の窒息物質(シックネスサブスタンスの代表的な物質)。これもアミノ酸から誘導される。

そのアミノ酸が「arginine/アルギニン(英:アージニン)」というもの。

アルギニンはサプリ業界で成長に良いとか、細胞分裂、血管を拡張させる、血流を高めるのでスポーツのサプリとして必要だとか喧伝されてる。が、これはとんでもない話。

これは、最終的に一酸化窒素を発生させるアミノ酸。なので、病的に炎症を起こして、血管をリークさせて血管を拡張させていく。

ということなので、これは炎症で血管が拡張するだけで、血流を上げるために正常に血管の圧が下がり、血管がリラックスして血流が増えるわけではない。

1:19:14

そして、このアルギニンから最終的に一酸化窒素を作る酵素が「一酸化窒素合成酵素」というもの。「iNOS」や「eNOS」がある。英語では「Nitric Oxide Synthase/ナイトリックオキサイドシンセテース」と言われる合成酵素。

1:19:35

*トリプトファンを減らすと炎症が低下するのは何故か?

トリプトファン制限食は自己免疫疾患やガンで非常に有効だということがわかってる。

それは、もちろんセロトニンの合成を低下させる作用もあるが、トリプトファンは一酸化窒素合成酵素を活性化させる作用がある。なので、最終的に一酸化窒素を増やして炎症を引き起こす。

ということで、トリプトファンを制限することでアルギニンからの一酸化窒素の合成を低下させる。このことにより、多くのガンや慢性炎症疾患が改善していく。

1:20:24

なので、「アルギニン(アージニン)」、「トリプトファン」、「グルタミン」という3つのアミノ酸制限で多くのガン、慢性炎症疾患が改善していくことが報告されてる。

さらには「システイン」、「メチオニン」といった甲状腺障害をブロックするアミノ酸を制限することでもガンに効果があることが報告されてる。

1:20:52

*アルギニン制限食でガンは実際に縮小する

これは何故か?

それは、先述のように一酸化窒素そのものの合成が下がるからだが、一酸化窒素は基本的にはミトコンドリアのエネルギー代謝を根本的に止めてしまう。血管を病的にリークさせて炎症を引き起こす。

その他にも一酸化窒素は脂肪の燃焼=β酸化を促進する作用がある。

ガンは脂肪を蓄積し、脂肪を燃焼させ増殖していく正常細胞の変態形。なので、この脂肪の燃焼をNO (一酸化窒素)が促進することでさらにガンが大きくなっていく。

ということなので、NOを少なくすることで脂肪燃焼をブロックする。

1:21:55

さらに、この一酸化窒素の作用だけでなく、アルギニンそのものが成長ホルモンなどのストレスホルモンを分泌させてリポリシスを促進する。

1:22:08

*「ポリアミン」という物質

ポリアミン:細胞分裂、ガン促進物質

これを作る原材料がアルギニン。なので、アルギニン制限食でガンは縮小していく。

1:22:41

■クレアチン

クレアチンはアミノ酸誘導体。

これは、アルギニンとグリシンの反応で「クレアチン/creatine」ができる。

肝臓、腎臓などの組織でクレアチンというアミノ酸代謝物質が作られる。クレアチンは脳や筋肉細胞でエネルギー貯蔵隊として使用されてる。

具体的にはATPからリン酸を補給してもらい、「クレアチンリン酸/Phosphocreatine」としてストックしてる。

そして、筋肉や脳のエネルギーが必要な時にこのリン酸を放出し、エネルギーを放出するという役割を担ってる。

1:23:37

そして、このクレアチンが脳・筋肉で代謝されていくことで「クレアチニン」になる。

クレアチニンは廃棄物として尿から排出される。

この時に、クレアチンリン酸からエネルギーが産生されるが、このエネルギーが使用されていく過程で“クレアチン”→“クレアチニン”になる。この時の重要な酵素が「クレアチンカイネース/Creatine Kinase,CPKまたはCK」というもの。

このクレアチンカイネースが非常に重要になる。それはもし筋肉や脳細胞が破壊された場合は、この細胞内にあるクレアチンカイネースが血液中に漏出して上昇していくから。

つまり、CPKが上がると、筋肉や脳などの組織がダメージを受けてるということ。

1:24:45

■クレアチニン

クレアチニンは全て尿から排出される(速やかに尿中に排出される)。

なので、もし尿の中のクレアチニンが低下してる場合は何を疑うか?

それは、そもそもクレアチニンを作る筋肉そのもの(脳よりも多いので)。筋肉量の低下がダイレクトにクレアチニンの低下に関与してる。

例えば、

・筋ジストロフィー

・筋萎縮性側索硬化症

・麻痺

・糖質制限

・ステロイド投与

これらが筋肉をどんどん分解していき、筋肉量が低下していく。そうすると、尿中のクレアチニンも低下していく。

1:25:42

*逆に血液中のクレアチニンが上昇するのは何を意味するか?

これは、血液中のクレアチニンは、血液検査をする時に“クレアチニン”という項目がある。これの上昇が問題。

“血液中のクレアチニンは速やかに尿中に排出される。”

だから、もし腎機能が低下してる場合は尿に排出されずに血液中のクレアチニンが上昇する。

なので、私たちが腎臓の機能がかなり低下してる、というのはこのクレアチニン値を見てる。血液中のクレアチニンがどれだけ上がってるかで、大まかに腎機能のどこかが障害されてるという指標になる。

1:26:55

■ヒスタミン

ヒスタミン:ヒスチジンというアミノ酸から作られる。

そして、このヒスチジンからヒスタミンを作る酵素をブロックする薬が最近開発された。特に肝硬変の治療として「トライトクアライン?(1:27:19)」という薬がよく使われるようになってる。

これは、ヒスタミンをブロックする薬。なので、おそらく多くのアレルギー疾患(ヒスタミンが出て炎症がひどくなるようなアレルギー疾患)には同じような薬が効果があるはず。

ただ、このような医薬品は副作用があるので勧めないが、ヒスチジンからヒスタミンの介在をブロックするものは多くのアレルギー疾患には有効になるはず。

1:28:08

●βアラニン

医薬品を使わなくてもヒスタミン合成を下げる最も良い方法は「βアラニン」という物質。

これは、サプリ業界では非常に高価なもので、よくアスリートが使用してるサプリの一つ。

βアラニンはヒスタミンの原材料になるヒスチジンというアミノ酸と結合し、「カーノシン/carnosine」という物質に変化する。

このカーノシンが高価なサプリとして売られてる。が、カーノシンを買う必要はない。βアラニンというアミノ酸を摂取するだけで体内のヒスチジンと結合し、このカーノシンを作るので、βアラニンを摂取すればそれで事足りるということ。

1:29:00

*カーノシンの優れてるところ

カーノシンは抗アルデヒド物質として非常に優位にな物質。

・オメガ3からできる「マロンダイアルデヒド/malondialdehyde,MDA」。

・「メチルグライオキサール/Methylglyoxal」:いわゆる黒いハチミツの中に含まれるAGE。

これらのアルデヒドが他分子に結合するのを防ぐ働きをする。

なので、βアラニンを摂取するだけで事足りるということ。

1:29:18

しかも、カーノシンは低血糖、低酸素による肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑えることも報告されてる。これはアレルギーにも非常に有効である。

1:30:02

■タンパク質利用効率を高めるアミノ酸

・タウリン

・グリシン

いずれも、肝臓保護作用がある。なので、肝臓でのタンパク質の分解、アンモニアのコントロールをグリシンとタウリンは行うことができる。

つまり、余分なアンモニアを発生させないということ。

それにより、尿素回路という回路をいちいち回さなくても、タンパク質を有効に使う作用をグリシンとタウリン(タウリンは純粋なアミノ酸ではない)によってアンモニアの量をコントロールする。

尿素回路とは肝臓での回路で、アンモニアをデトックスする回路。この回路は非常にエネルギーを消費する。

アンモニアを少なくすることで、尿素回路を必要以上に回さないということでエネルギーをリザーブする作用がある。

1:31:28

■末梢組織のタンパク質利用が低い

これはどういうことか?

タンパク質を摂取して、そのタンパク質が肝臓から運ばれる、あるいはそのままダイレクトに血中でアミノ酸が循環し、組織に構成材料として細胞内に入っていく。それの利用率が低いということ。

これは特に甲状腺機能低下を示してる。

甲状腺機能低下の場合は代謝が落ちるので、このようなアミノ酸を利用して様々な構成要素に使うこともできなくなる。

1:32:14

このように末梢組織でのタンパク質=アミノ酸の利用率が低いと肝臓は血液中のタンパク質を取り込んで、肝臓自身が「アルブミン」または「グロブリン」をたくさん作る。

なので、異常に血清アルブミン値が上昇することもあまり良くない状態である。

アルブミン値は非常に重要。

これが、栄養の一つの指標になる。ご飯を食べない(タンパク質を食べない)人はこの血清アルブミン値がどんどん減少してくる。

特に、手術後の人は血清アルブミン値が低下してくる。それは、低栄養や大きな手術によってタンパク質が失われていくから。

1:33:12

しかし、血清アルブミン値が高すぎるのも私たちの細胞が上手くアミノ酸(タンパク質)を利用してないというサインになる。

また、肝機能も低下してくると肝臓でアルブミンというタンパク質は作られなくなるので、血清アルブミン値は減少してくる。

一方のビリルビンは上がっていく。

なので、肝硬変や肝細胞ガン、慢性肝炎の人はアルブミン値は低下していく。

1:33:55

■分岐鎖アミノ酸

よくエナジードリンクにも入ってるもの。

これは、脳でメチオニン、そして芳香族アミノ酸と言われるフェニルアラニン、トリプトファンと競合する。

先述でトリプトファンをブロックするということで、この分岐鎖アミノ酸がセロトニンの合成をブロックするという話をしたが、メチオニンもブロックすることで脳にはシックネスアミノ酸を入れないという重要な役割をする。

が、実は分岐鎖アミノ酸の投与の実験では相反する実験結果がたくさん出てる(良い結果が出た&悪い結果が出たという相反する結果)。

1:34:50

それは何故か?

これはメチオニン、トリプトファンをブロックしてくれるのは良いが、フェニルアラニンもブロックしてしまう。

フェニルアラニンはドーパミンの材料。なので、このフェニルアラニンをブロックしてしまうと、ドーパミンの合成もブロックしてしまうということ。

なので、あまりこの分岐鎖アミノ酸をブロックしてしまうと逆にドーパミンの合成が下がることで疲労や気分の落ち込みが出る。つまり、マイナスの作用が出るということ。

なので、分岐鎖アミノ酸を摂取する時には必ずフェニルアラニンを加えるというのが原則。

1:35:36

■「レセルピン」という薬(今はほとんど使われてない)

これは、昔、降圧剤などで使われてた。

これは植物から採れる物質だが、このレセルピンという薬はカテコールアミン(カテコラミン)、セロトニンの放出をブロックする。

つまり、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と同じ作用をする物質だということ。

セロトニンの放出をブロックすることで古くから精神安定剤として使用されてる。

なので、セロトニンがいかに精神を錯乱させるかということがこのレセルピンの作用から明らかになる。

1:36:25

■セントラルファティーグ

身体が疲れた、というのもあるが、これは「脳が疲れた」というもの。

脳が主体となって出る疲労。これは、身体の疲労よりある意味重篤かもしれない。

長時間の運動、糖質制限などのストレスが要因となる。

これは何が起こってるのか?

それは、脳内にセロトニンとアンモニアの濃度が上昇してる。この場合に疲労をすごく感じるようになる。

しかも、脳の低血糖があることでどんどん脳のタンパク異化が進んでる。

1:37:13

セロトニンは脳を過剰刺激する。

これはアンモニアも同じ。アンモニアも脳の過剰刺激を引き起こす。

さらに、セロトニン、アンモニア両方とも糖のエネルギー代謝をブロックして、CO2濃度を下げ乳酸を増やす作用がある。

ということは、脳の血管を広げるのがCO2の役割だが、そのCO2が低下するとさらに脳の血流が低下して、脳のエネルギー代謝はさらに下がっていくという悪循環になる。

これが「中枢性疲労」。

1:37:59

【タンパク質摂取量のまとめ】

*タンパク質はアミノ酸の種類によって利用効率は変わる。

*タンパク質の質は動物性のタンパク質が優れてる。

*アミノ酸の質は、本当の必須のアミノ酸を使う。特にグリシンとタウリンはタンパク質の利用効率を高める。

1:38:24

*タンパク質の1日の摂取量は体重あたり1g/kg。

ただ、一回の食事量で30gを超えるタンパク質を摂取するとプロラクチン、コルチゾールの分泌が急上昇してストレス反応をもらう。

それは何故か?これは、たくさんのタンパク質を摂取すると、その時にその2〜3倍量の糖質をしっかり摂取していない限り低血糖になるから。

アミノ酸がインシュリンを分泌させ、糖も一緒に細胞内に入れてしまう。そうすると、低血糖になりやすくなるので、そこで糖質をタンパク質と一緒に摂ってない場合は低血糖反応が起こり、アドレナリン、コルチゾール、プロラクチンというシックネスホルモンが出てくる。

なので、たくさんのタンパク質を摂取する人は糖質をその2〜3倍同時に摂取することを心がけること。

1:39:36

*甲状腺機能低下などでタンパク質の消化・吸収障害がある場合。

この場合は、一時的にはアミノ酸の摂取が理想的。

アミノ酸そのものを分解された形で摂取する場合は、純粋窒素効率が最も高いのがアミノ酸なので、甲状腺機能が回復するまでは一時的にアミノ酸の摂取も考慮に入れた方が良い。

1:40:07

*アミノ酸はエネルギー代謝を高めるもの、及びそのバランスが重要

・βアラニン:抗アルデヒド物質であるカーノシン(カルノシン)を作る。

・ルーシン、アイソルーシン、ベーリン:これらは分岐鎖アミノ酸。フェニルアラニンとコンビで使うとセロトニンをブロックする。しかも、フェニルアラニンを入れることでドーパミンも作られる。

1:40:36

・リジン:コラーゲンの構成成分

・グライシン

・タウリン:タンパク質利用効率を上げたり、単独でガンを抑える力、エネルギー代謝を上げる力がある。

・スレオニン:純粋のアミノ酸ではなく、アミノ酸代謝物質だけど緑茶の成分に含まれていて、エネルギー代謝を高める作用がある。

という、これらのアミノ酸が本当の必須アミノ酸である。

1:41:26(まとめ)

ヘモグロビンの代謝で、特に分解が重要だということ。

また、セロトニン、ヒスタミン、NOといったシックネスフィールドで出てくるシックネスサブスタンス(病気の場を作る病気の物質)もアミノ酸からできる。

なので、これはアミノ酸との関連を考えると色々対処法も浮かんでくる。

1:42:08

今回のを何度か見直し、エネルギー代謝と絡めてアミノ酸やタンパク質も考えないと、これが暗記学問になってしまう。

全て“エネルギー代謝”を通じてタンパク質・アミノ酸も理解すること。

fin

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